菊地珈琲で時間を要した分、この日の作業開始は13時近かった。既に今は日曜日の午後。明日の朝は何事もなかったかのように東京で仕事をしなければいけない人ばっかりだ。僕も含めて。
なので、「それ、急げ!」と作業に着手したのだが、予想以上にペースが早かったために16時過ぎには終わりが見えてきた。ハッパをかけた井川さん自身、「もっと仕事を用意しとけばよかったかなあ」とぼやくくらいだった。井川さんの奥さんは「当初よりもずいぶん仕事の量を増やしたんですけどね」と苦笑していたけど。
そんなわけで、手が空いた僕は「にんにくに肥料をまいてきてくれ」と言われたので一人にんにく畑へと向かった。
ここだけ、ハタケの中でぽつんと青々としている。何でニンニクだけ先走ったんだろう?と不思議だったのだが、ニンニクって秋に植えて、夏前に収穫するという作物なんだな。越冬する植物だったんだ。知らなかった。
で、渡されたのが青いポリバケツと、砂のような肥料。これはなんだろう?
ハタケマメヒコは有機栽培をやる、除草剤も撒かない、というのが目標だ。だから、今手にしているコレが不思議だったし、「何かヤバいことに荷担しているんじゃないか」と陰謀めいたことを妄想してみたりした。
これが何なのかはよくわからないが、「有機栽培をやる」というのが、「肥料をやってはいかん」というわけではない、というのはわかった。考えてみれば当たり前の話だ。でも、そんなことすら実際はよくわかっていないのが、都会暮らしの悲しいところだ。
たとえこのにんにくが自家消費用でお店に出さないとしても、折角長年かけてはぐくんできた有機土壌のハタケに無機肥料を撒くとは思えない。おそらくカキの貝殻を粉砕したものとか、そういう有機由来のものなのだろう。
ハタケの端っこの方では、カボチャの種を蒔いていたようだ。
そうか、あのあたりはカボチャ畑になるのか。マメヒコのハタケだからといって、豆ばっかり植えるわけにもいかない。「お店で使う野菜を自ら責任をもって作る」というのが目的なのだから。マメヒコにはマメカン(豆が入った寒天)などの豆メニューがあり人気定番商品だが、だからといってアホみたいに豆ばっかり作っても、使い切れるわけがない。和食総菜屋でもないし、ポークチリビーンズを出す様なTEX-MEX料理の店でもないのだから。
「プロの北海道農業において、家庭菜園的な他品種生産はナンセンス」と以前書いたが、実際問題として消費量を考えると、少量多品種を作るしかやりようがないのだった。トウモロコシ10万本とか作っても、店で使いようがない。
というわけで、トウモロコシ(トウキビ)はマルチ1列分を追加しただけで終わり。合計3列で今年は栽培することになったようだ。
どうやらカボチャ畑になるらしい場所。種はすでに蒔いた後で、種を蒔いた際に人が歩いた足跡しか残っていない。
こっちも、黒豆だったかなんだかが植えてあったはず。作付け完了。
(井川さんごめん、3回もハタケに行って作業しておきながら、結局どこに何が植わっているか覚えきれなかった。「おかでん頭悪いだろ。いい加減覚えろよ」って言われそうだ)
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