東武日光駅から霧降高原に向かう道の途中に、足立区立の日光林間学園がある。
すぐ近くに江戸川区の「日光林間学校」があるし、日光東照宮の裏手には葛飾区の「日光林間学園」がある。すごく紛らわしい。
なぜよりによって、城東エリアの林間学校が近いところに密集しているのか、理由は不明。いずれにせよ、観光拠点としてはものすごく便利なところに学校があるのは間違いない。
16:59
何しろ、観光客大歓迎!な旅館ではない。バーンとわかりやすい看板が道沿いに建っているなんてことはないので、うっかり通り過ぎそうになった。
あわてて車を駐車場に突っ込ませたが、そこにはほとんど車は停まっていないし、肝心の建物さえ見えない。あるのは、階段だけだ。
しまった、間違えたか?と思ったが、駐車場脇にあった看板を見ると、階段を登った先に林間学園があるらしい。
階段を登ってみると、そこには立派な林間学園があった。
おー!
これかー!
結構大きい。そりゃそうだ、1学年100名から200名程度を一度に収容するとなると、これくらいの規模は必要だろう。で、「林間学校オフシーズン」の間、この施設をクローズするというのはあまりに効率が悪い。区民の福利厚生施設として開放するのは、なるほど理にかなっている。
掃除をするにしても、料理を作るにしても、スタッフさんをそれなりに雇わないといけない。「夏の間だけ雇います。冬はさようなら」というリゾートバイトみたいな雇用はなかなか難しいだろう。常に人を雇い続けるためにも、福利厚生で利用するのは大事なことだ。
よしオフシーズンは俺に任せろ。好き放題やってやるぜ。
建物の前には広場があり、朝礼台も備え付けてあった。
朝、ここで児童たちはラジオ体操をやるのだろう。あと、近場に遠足に行ったりするときに、ここで先生から注意事項の説明を受けたりするのかな。
見ているだけで、情景が思い浮かぶ。いや、幼女のことを連想しているとか、そういうのではないぞ念のため。
広場の奥はカラーコーンで仕切られ、駐車場になっていた。あ、道理で階段の下の駐車場には車が停まっていなかったわけだ。我々はわざわざ階段を登ってしまった。
小学生に戻った気分になって、建物の中に入る。
嘘ですごめんなさい。
小学校の時、確かに「林間学校」には行ったんだけど、どういう建物に泊まったのか全然記憶に残っていない。確か2泊して、1泊は建物、もう1泊はテント泊だったはずだ。
キャンプファイヤーの時、僕は学年を代表して「火の神」となり、点火のたいまつを手に入場したことは覚えている。でも、建物は覚えていないなぁ。
中学の修学旅行の時、どうにかして部屋のテレビで有料チャンネルを見ようと苦心していたのは、鮮明に覚えているのだけど。
「1チャンネルと2チャンネルのボタンを同時に押すと、一瞬映った!」
とか、
「テレビの電源コンセントを抜き差しした瞬間に1チャンネルにすると、電源がショートして有料チャンネルが映るようになる」
などとデマが流れ、本気でみんなテレビをガチャガチャといじっていたものだ。
「一番奥の部屋は、フロントが有料チャンネルのロックをし忘れていて、うっかり映ってしまったらしい」
なんていうデマもあったな。誰だよこんなデマを流していたやつは。
玄関入ってすぐの空間の広さにびっくりさせられるけど、下駄箱もそれに比例して大きい。
こういう下駄箱を使うのは、高校卒業以来だ。ちょっとニヤニヤしてしまう。
子供たちが迷わないように、ちゃんと下駄箱の列に番号が振ってある。
今日は大人たちしか泊まらないので、予約者の名前が下駄箱に張り出してあった。
玄関まわりの眺め。
広くて贅沢な空間の使い方だ!と思うが、児童たちがどわーっと一度に出入りする施設なので、これくらいの場所は必要なのだろう。
館内図を見る。
建物は4階建て。2階から4階に宿泊室があり、合計30部屋ある。
それとは別に職員室が4部屋、園長室が3部屋ある。園長室が三つもあるということは、同時に3団体がやってくることを想定しているのだろうか?
各階に学習ホールがある。雨天時の授業とか、外出前のレクチャーなどに使うホールなのかもしれない。
地図上では「アルコープ」と記されているロビーには、窓側にソファも置いてある。
このあたりは子供たちが利用する施設にしてはちょっとオーバースペックな気がする。我々のように「福利厚生施設」として大人が使うことを意識してのものだろうか。
それにしてもこのテーブル、何に使うんだ。ソファから距離が離れすぎている。あぐらをかいて利用するのだろうか。
ソファの傍らに、パソコンとコーヒーメーカーが置いてあった。
パソコンは自由に使って良いとのこと。コーヒーも自由に飲んで構わない。なんて贅沢なんだ。一泊3,650円の宿とは思えないサービスだ。コーヒーまで飲めるなんて!
建物のジオラマ模型。
自販機もあった。
さすがに林間学校として使われているときは、使えないようにしているだろう。
そもそも、売られている飲み物の半分近くが缶コーヒーという特殊な品揃え。明らかに大人向けだ。
おっと、アルコールの自販機もあった。
最近の子供たちはマセやがって・・・こんなものまで飲むのか。
いや、さすがにこれもシーズン中は使えなくしてあるのだろう。
ノンアルコールビールの取り扱いがないのが残念。小さな自販機なので、そこまで品揃えをする余裕はなかったか。
500ml缶のビールが300円、350ml缶が230円。さすが区営だけあって、とても良心的な値段設定でほっこりした。
それにしても、500ml缶の方が取り扱いが多い、というのがちょっと変わっている。僕がビールを愛していた頃は、「350ml缶なんてしゃらくせぇ。500ml缶の方がいい!」と思っていたものだ。でも実際にこの手の自販機では350mlしか扱いがなく、ちょっと残念に思うことがしばしば。
しかしここはどうだ?500ml缶がメジャーな扱いで、350ml缶は若干日陰の扱いだぞ!
足立区民の皆様は、ビールをぐいぐい飲むのが好きなのかもしれない。
一階の突き当たりにあるのが、食堂。
本日最大のミステリーであり、ワクワクさせられる場所だ。一体どんな夕食が出てくるというのだろうか?
あと1時間で食事時間となる。
カレーライスならば、既にこのあたりまでカレーの匂いが漂ってくるはずだ。しかし、匂わない。
厨房の換気扇がブンブン回っているからなのか、それともカレーではない違った料理が出てくるとでもいうのか。
まさかねぇ。
だって、繰り返すけど、1泊2食で3,650円だぜ?
カレーを出さないと、帳尻が合わないって。もしくは牛丼でも出すか?
(つづく)
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