霧降高原からさらに奥に分け入り、大笹牧場を目指す。
かなりの山奥なので、滅多に訪れたことがない。その分、やたらと広大な牧場が広がっていて、別世界感が半端ない。
しかし、特にバイクツーリングの人たちにこの界隈のルートは愛されているようで、ハーレーの軍団がドドドドとエンジン音をとどろかせながら行き交っているのが頻繁に見える。「喧噪から開放された、静かな土地」というわけではない。
10:06
大笹牧場。
昔一度だけ訪れたことがあるのは、1月だった。奥鬼怒温泉に泊まりにいくついでに立ち寄ったのだけど、一面真っ白でもう何が何やら状態だったと記憶している。
そうか、雪が溶けるとこういう景色なのか、と今更気がついた。当たり前だけど、牧草地帯が広がる雄大な景色だ。ただし、牛さんの姿は見えなかった。どこへ行ったのだろう。放牧時間はもう終わったのか、それともあまりに土地が広すぎて牛の集団が見えないだけなのか。
10:08
大笹牧場の建物。とんがり屋根が目立つ。
ややや。かなり充実した施設だということを今更知った。だってなにしろ、前回来たときはこれが全部雪だったんだから。
大きなすべり台とか、アスレチックもあるぞー。子供たち喜べー。
地図の右下に、「冬期 スノーモビルランド」と書いてある。むしろ、冬はこれしかない。
オートキャンプ場もあるので、ここで泊まると別天地の楽しさがあるだろう。食材の買い出しは事前に完璧に済ませておかないと、「ちょっと買い出し行ってくるわ」とキャンプ中にお出かけするのはかなりしんどい場所だけど。
以前、奥塩原温泉に行った際に西那須野の千本松牧場で買ったヨーグルトがめっぽううまかった。
なので、「牧場に行ったら、とりあえずヨーグルトは食べよう」ということにしている。というか、今そう決めた。
大笹牧場謹製のヨーグルトを早速購入。
うん、うまい。
特に、都会のスーパーで売られているヨーグルトがまずいとか物足りない、っていうわけじゃないんだけど、こういう牧場で食べる乳製品は最高だよな。どうしてだろう。「牧場のプライドをかけて、原価率が高くなっても良いものを出すんだ!」という意気込みだろうか?
10:27
大笹牧場はジンギスカンが名物でもある。
まさかこの周囲に放牧されている羊を、ここで屠ってそのまま提供しているわけはないだろう。ちゃんと公設の食肉加工市場を経由しないと、精肉処理は認められていないはずだ。
でも、「牧場でジンギスカン!」というのにはロマンがあるぜ。ロマン、としかいいようがない。だって合理的では決してないのだから。
マザー牧場にしろどこにしろ、この手の観光牧場で扱っているジンギスカンって、「自分のところで飼育した羊を肉として使っています!」なんて名乗っているのを見たことがない。ひょっとしたらそういう牧場もあるのかもしれないけれど、少なくとも僕は見たことがない。おそらく、肉の仕入れ先は違うのだろう。
じゃあ、わざわざ牧場でジンギスカンを食べる意味ってなんだ?・・・ということになるのだけど、それはもう「ロマン」なんだ。これ以上言わせるな、黙れ。
で、大笹牧場の人気となっているジンギスカンだけど、いろいろメニューがある。
自分で焼いて食べるスタイルなので、ショーケースには生肉の食品サンプルが並べられている。
ジンギスカンの単品は1,000円、定食形式のセットにすると1,500円。決してお安くはないけど、ラム肉料理であるということ、そして山奥の立地条件であること、さらには観光地であるということを考えると納得せざるをえない。
ジンギスカンにはいくつも種類があり、ノーマルのジンギスカンの他に「味付けジンギスカン」「塩こうじジンギスカン」「ジンギスカン上ロース」などがある。ついつい、あれもこれも頼んでしまうと、ランチにかなりの出費となるので要注意。おっと、「ラムチョップ」というのもあるな。
ラムは食べたいけど、お昼に1,000円以上払うのはつらいよぅ・・・という人向けに朗報。
ラムチャーシュー丼なるものを発見。350円という激安価格だった。なんだこの安さは。小さなお椀に盛られたものなのだろうけど、だとしてもお得だ。数量限定のようなので、早い者勝ちでぜひ。
とはいっても、気になる記述がある。
ジンギスカンのたれで味付けしたチャーシューを厚切りし
と書いてあるのだけど、ちょっと待て、この「チャーシュー」とは豚肉のことだろうか?それともラム肉を使ったチャーシュー?
でも、「ラムチャーシュー丼」という名前だから、チャーシューはラムだと思いたい。
さあ、これはどっちが正解だろう。誰か食べてみて確認してみてください。
さすがに朝ご飯をおなかいっぱい食べてからまだ時間が経っていない。いくら大笹牧場がジンギスカンの聖地(誇張表現)とはいえ、今ここでジンギスカンを食べる気にはなれなかった。
とはいえ、大笹牧場はその立地条件と周囲の風景からして、「いやあ・・・遠くまでやってきたなあ」という達成感と解放感が半端ない場所だ。もうちょっと、何か「爪跡」を残したい気持ちになったのも事実。
そこで、先ほどのヨーグルトの美味さに気をよくしたこともあって、ソフトクリームを買ってみることにした。「大笹牧場人気No.1」ということだし。
日本ではあまり飼育されていない、「ブラウンスイス種」という牛からとれた乳を使って作られたものだという。先ほどのヨーグルトもそう。
そのせいかわからないけど、これもまたうまい。おすすめだ。
ヨーグルトとソフトクリームですっかり気を良くしたので、大笹牧場をご機嫌で見て回る。
そんな様子を、山羊さんたちが「どうしたんです?」と見ている。
羊って、近づくと「羊くさい」よな。ああ、これがあのマトン肉の匂いなんだな、と思うと食欲がわく・・・いや、そんなに食欲はわかないか。
馬のナイスヒップ。
なんで馬ってこんなに毛並みと肌つやが良いんだろう?象も是非馬を見習って欲しい。
このあたりの羊は、立っているのが面倒くさくなったのか、地べたにうずくまっていた。
ジャンボすべり台があったので、ひとまず滑ってみることにした。
今更こういうのを見て「うわあ!ママ、僕あれ滑りたい!」とは思わないようになってしまったが、だからといって薄ら笑いを浮かべて素通り、というわけにはいくまい。
とりあえず滑ってみなくちゃ。
あー
あー
あー
ぁ-
(つづく)
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