灼熱の台湾

おもちゃ屋店頭

おもちゃ屋もあった。

車や飛行機、電車の模型を子供が愛するのは万国共通のようだ。粗悪品などではなく、立派なおもちゃがたくさん売られていた。「アジア=日本より格下、発展途上」なんて発想はもう通じない。こういうオモチャひとつとっても、作りの精巧さで国のレベルが判る。

台湾新幹線のおもちゃ

そんな中、陳列棚の真ん中で「どうだ!」といたのが台灣新幹線だった。日本ののぞみ(700系新幹線)を改造した700Tという電車だが、あの700系独特のカモノハシ顔が台灣では不人気だったため、顔を変えたという逸話がある。確かにあの面構えは日本人である僕でもかっこ悪いと思う。それに比べて、500系のロケットみたいな面構えのカッチョエエことといったらない。500系がスタンダードにならなかったのが惜しまれる。

あ、いや、おかでんは鉄道好きってわけではないのであんまり詳しくないんですけどね。知らない人よりは知ってる、くらいで。

台灣新幹線の隣には・・・ああ、自強號が!われわれが乗ったタイプではないけど、これは間違いなく自強號だ。日本の電車と違い、プッシュプル型の電車。プッシュプルとは、各車両にモーターがついているのではなく、先頭車両と最後尾車両だけついているタイプのもの。先頭車両は引っ張り、最後尾車両は押すのでプッシュプル型。

何を語ってるんだ、おい。

「それはともかく、新幹線の横にあるバスはクニミツGOではないのか?」

「あっ、どうだったっけ?カラーリングまで覚えていないけど、なんかこんな感じだった気がする」

賴阿婆芋圓

当初、九份に行くことを決めたときは、風情のある茶房でゆっくり台灣の銘茶でもいただこうと考えていた。実際、九份にはそういうお店がいくつもあるし、ガイドブックにも紹介されている。

しかし、事前に教えを請うた台灣人Aさんは、「お茶なんてここじゃなくても飲めるヨ。それよりも、賴阿婆芋圓がお奨め」という。なんだ、その芋圓というのは。「地球の歩き方台北」によると、「タロイモと小麦粉を練って団子にした台湾風ぜんざい」なんだそうだ。甘い物はあまりすきではないおかでんにとっては「ふーん、ぜんざいねえ」という感じだったが、何事も経験者の意見は聞くべきだ。とりあえずの目標地点にしておいた。

その目標地点に到達してみると、あらら、結構な繁盛店じゃないですか。行列ができている。ただでさえ狭い道路に行列ができているので、とても目立つ。この九份一の人気店といって間違いないだろう。

芋圓などのメニュー札

で、何を買えば良いのですか僕らは、ということなんだが、ぶら下がっている札や看板を見ると「芋圓」「地瓜圓」「緑茶圓」「山薬圓」の4種類があるようだった。「じゃ、オレ店名になっている芋圓にするわ」「じゃあ僕は地瓜圓にすっかな?」なんて会話を二人でする。写真は日本語訳がないけど、看板には日本語訳が書いてあった。なんて書いてあったかは忘れたが。

しかし、いざ注文しようとすると、國語だか閩南語だかわからんが、身振り手振りで「それは駄目だ」とおばちゃんに指示された。なんのことだかわからんかったのだが、しばらくしてようやく「今はミックスしかやっていないよ」ということだとわかった。確かに、おばちゃんの前には4種類の団子が整然と並んでいる・・・わけではなく、フルーツポンチ状態にミックスされた団子が氷の中でたぷたぷしている。ならばとそれを注文する。

ああ、4合1、と書かれているのは「4種類をミックスしたものですよ」という意味だったんだな。なるほど。

紙の入れ物

アイスクリームのカップを巨大にしたような紙の入れ物にざくっと4合1の団子が入る。いや、団子を入れているというよりも、氷の方が多いような気がする。でも、これだけ暑いと氷もごちそう。おばちゃん、たくさん入れて。

容器には「純手工制作、香Q好吃」なんて書いてある。台湾でも機械化が進んでいて「手作り」がもてはやされているらしい。で、気になるのは謎の「Q」というアルファベット。唐突に出てくる。これは台北の屋台でもあちこちで目にした。「QQ」とQをご丁寧に二つ並べているところも多い。これ、「もちもちしている」ことを意味している言葉。要するに、上記國語を日本語に訳すと、「一貫した手作りで、香りよしもちもち感良しでおいしいですよ」ということだ。

4合1の台湾風ぜんざい

これが4合1の台湾風ぜんざい。先に食べ始めているジーニアスのものと比べ、右のおかでんのは氷だらけで具が全然見えない。当然並んで買ったので、この時間差はせいぜい30秒くらいなのだが、これだけ氷の溶け具合が違う。要するに、暑いってことですな。具が冷えていないから氷が溶けやすい、というのもあるけど。

味は、すっきりさっぱりとしてとてもおいしかった。氷で甘みが薄まっているので、くどくなくすっと入る。なによりも涼を楽しむことができるのがうれしい。客は、お店の横にある「飲食スペース」で一服の涼を取るわけだが、ここのテーブルが岩の固まりでできていて面白い。当然平らにはなっていないので、容器の置き場所を間違えると内容物をこぼすので注意だ。

壁をふと見上げると、なにやらお上品なお婆さまの肖像写真が。このお方こそ、多分店名の由来になったであろう「賴阿婆」さんなんだろうな。どうもごちそうさまでした。おいしかったですよ。生き返った感じがしましたよ、ええ。

この店、あんなにざっくり氷を入れていたけど冬はどうするんかと思う。しかし、冬は冬で暖かいぜんざいもあるそうで。四季を通じて楽しめるというわけですな。まあ、冬といっても沖縄より緯度が低い国だから、そんなに寒くないけど。

階段道路

賴阿婆芋圓を過ぎたら、垂直に階段道路がぶつかってきた。これが九份の名を知らしめた有名な階段なのだな。本当はしたから見上げつつ歩きたかったが、連れのジーニアスが「足満足で足を不満足にさせられた」状況を考えたらこの階段を昇らなくて正解だったのかもしれない。

上から見た階段は、ただ単に狭くて提灯がぶら下がっているだけで、特にみるべきものはないような印象。

下から階段の上を見上げる

しかし、下から階段の上を見上げると、建物が包み込んでくるような感じになっていて、提灯もいい雰囲気を醸し出している。

昇平戯院

昇平戯院という演劇を見る場所?が古い建物として残されていた。600席を超える客席数があって、ゴールドラッシュに湧いていた頃は炭坑夫たちがここで娯楽を楽しんだのだろう。中には入れないので、外から見るだけ。

二人で記念撮影

二人で記念撮影。

ツアーパンフで九份が紹介されるとき、大抵この場所、このアングルで紹介写真が撮影されている。ここがベストショットなのかと思ったが、いやいや、そうじゃなくて「ここしかカッチョ良く撮影できる場所がない」のが実情。

石段街に期待していたらがっかりすること請け合いだ。商店街を見て回る楽しさとセットで、ようやく九份は楽しい観光地として成立する。

超巨大ほ乳瓶

なにやら超巨大ほ乳瓶に、子供に飲ませるわけじゃないよな、これ・・・という色をした怪しい液体が詰められていた。なんだ、これ。

あ、でも手前には乳児用のほ乳瓶も売られているので、やっぱりこれ赤ん坊に飲ませるジュースだわ。

まあ、確かに大人が汗だくになるこの気候。体温調整がまだ不得手な赤ん坊にはこまめな水分補給を意識してやらないと、脱水症状で倒れる。

とはいっても、売られているのは・・・

「酸梅湯」「百香果汁」「金桔檸檬」「冬瓜茶」など。と、とうがん茶?夏の野菜だから体を冷ます働きはあるけど、一体どんな味がするんだ。冬瓜そのものに味はないぞ。でもその「お茶」は茶色をしている。うーむ、謎だ。

石頭猫

Henry、と猫の絵が描かれたお店があった。なんか九份らしくない英語がでてきてちょっと意外、というか風情壊してますが。それはともかく、気になったのが「石頭猫」と書かれていること。なんだそれは。

にゃんこグッズ

店を覗いてみると、にゃんこグッズがいっぱい売られていた。石頭の猫は発見できなかったが、恐らく置物の猫が売られているのだろう。

階段街終わり

「あれ?もう終わり?」

あっけなく階段街は終わってしまった。

もう少しゆっくりしようと思えば、九份金鉱博物館があったり、茶房でくつろぐといった時間の過ごし方もあろう。しかし、「とりあえずざーっと見るべえ」という程度のわれわれからしたら「あれっ」と声を出してしまうくらいのあっけなさだったのは事実。商店街をわざわざ台北から片道1時間かけて観に来たようなもんだった。

帰り、ちょうど瑞芳行きのバスが来ていたので乗るかどうするか一瞬悩んだが、これでも食らえ的乗客の多さに見ただけでギブ。帰りも150元払ってタクシーで帰ることにした。ああタクシーは楽でええわ。

瑞芳駅に戻る

さて瑞芳駅からまた台北市街に戻る訳だが、駅の改札がなぜ変な位置にあるのかようやく今頃になってわかった。駅、工事中なのだった。

でも工事中だからといって、ホームの島ごとに改札と券売機を作ることはないだろ、と思うのだが、その方が効率良しと判断する何か材料があったんだろうな。

工事頑張ってください。

紙の切符を買う

地下通路からの上り線ホームへの階段を上ったところに、臨時自動券売機と改札があった。ただ、こちらは大きなお金しか持ち合わせていなかったのでチケットを買えない。駅員とかけあうが、話が通じているような通じていないような。

「えっと、オレら松山駅に行くんだよな。松山って國語でなんていうんだ・・・・?」と慌てて口走ったら、「マツヤマ?マツヤマ、OK」だって。通じちゃったよこのおじさんに。

なんかその後もよくわからんまま話を聞いていたら、どうも次に来る「莒光號」に乗れ、と言っているらしい。自強號ではないんですね。

莒光號は座席指定がないため、チケットも自強號と比べてシンプル。日本の一般的な乗車券と同じサイズだ。松山站は台北車站より一駅手前なので単純比較はできないのだが、自強號80元に対して莒光號は51元。結構安い。200円ちょっとかよ。2人が1時間近くも電車にゆられるのに、さっきのタクシーよりも安いってどういうこと?儲かってるんか、台湾鐵路局。ああ、国鉄だから別に儲からなくていいのかな?

電光掲示

電光掲示を見ると、こちらもまた遅延発生中。

ジーニアスが愚痴る。

「どうなってんのよこの国の鉄道は。時間通りに走らせようという気がないのか」

電車遅延が偶然だったのか、必然だったのかはわからない。ほんと、どうなってるんだろう。

松山站まで移動
台鉄の車両

「もっとねえ、遅れを取り返すぞーっていう気合いの入った加速とかやって欲しいんだけどね、やってくれないんだなこれが」

と愚痴りながら、ずっと立ちっぱなしで松山車站まで移動。約1時間。客席は人でいっぱい。この国の人口ってそんなに多くないはずなのに、一体どこからこの人たちは湧いてくるというのか。

松山站

松山站は、駅というよりも学校か村役場といった風情の建物だった。ここからTAIPEI101を目指す。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください