灼熱の台湾

WASABI

つらつらと歩いていたら、WASABIというお店を発見した。下にDINING BAR/BUFFET/101と書かれているので、要するにバイキングのお店ということだ。

まあ名前だけ日本風で、置いてあるものは恐らく台灣料理もしくは中華料理なのだろうと思っていたのだが、どうもそうではないようだ。店の外には「アサヒスーパードライ」ののぼりが。どうやら本当に日本食バイキングらしい。へぇー。

ランチで630元

値段は相当に高い。

ランチで630元+10%サービス料(約2,800円)、ディナーになるとこれが約3,300円になる。「24に人以上の来客だと3人分ただにするよー」と言っているが、そんなにたくさん客は来ないってば。

「こんなに高いと、客は来ないだろう」と思って、テラス席からのぞき込んでみたら・・・案外いるんである。満席に近い状態で、千客万来満員御礼だった。驚いたというか、呆れた。どうなってるんだ、一体。

これを見て思ったが、初日で見た「屋台の価格」はあくまでも屋台価格であり、あれが台北市民一般の食事情ではないということだろう。きっちり食べるときはお金を払うし、いいところにも行く。そういうことだと納得した。

とはいっても日本の物価の半分くらいが台灣の相場なんだよなあ・・・。日本人の感覚でいったら、これって6,000円近いバイキングってことになる。うーむ、日本でおかでんが6,000円のバイキングって言ったら躊躇する。というか、多分行かない。不思議だ。

喫飯食堂

不思議がりながらも、われわれも夕食だ。タクシーを使って永康街と呼ばれる地域にやってきた。当然、車の中でやれ老眼鏡だ、やれ字が読めねぇだのなんだのと紛糾しつつ。

永康街は、TAIPEI101から道路をまっすぐ中正紀年堂方面に向かった場所にある。ここもMRTが走っていないので、一般的にはバスで移動ということになる。面倒臭くてやってられんので、われわれはタクシー。最初は「バスの旅もいいもんだよ」と言っていたおかでんだったが、この頃になるとタクシーでもどうでもよくなってきた。

永康街について「地球の歩き方」を読むと、「雰囲気は東京の代官山に少し似ているかもしれない」と書かれている。大げさだが、グルメ・ショッピングエリアとして台北ではステータスのある場所らしい。

そこでわれわれが食べようとしているのは・・・やはり台湾料理。永康街の入口に、「世界十大レストラン」に選ばれたこともある鼎泰豊(でぃんたいふぉん)があるが、そんなものには目も向けない。台灣に来たからには、正調台湾料理を食べないと。昨日が屋台という「庶民の味」だったので、今日はレストランで台湾料理だ。小籠包なんてのは香港でも行って食えば良い。

で、事前の吟味の末決定したのが「喫飯食堂」というお店。地球の歩き方によると、「新しくシックで落ち着きのある店内には、ところどころにレトロな台灣の趣も感じられる。味付けは比較的アッサリ系で値段もリーズナブル。日本語のメニューは写真付きなので注文しやすい。」と書かれてあった。

日本語のメニュー、しかも写真付きであるというのはありがたい。それだけ日本人観光客がくる店、とも言えるのでぬか喜びはできないのだが、とんでもない品を間違って注文するミスがなくなる点、助かる。あの漢字四文字熟語みたいなメニューは、なんだかトランプゲームをやっている気分になる。どれも同じ柄に見えて、さてどのカードを引きますか、という状態。

店の看板には、「台灣美食/好吃・快速・経済」と書かれてあった。要するに、美味くて早くて安い、ということだ。吉野家が昔使っていたキャッチコピーみたいだ。

喫飯食堂メニュー

喫飯食堂に入ると、店内は混雑していた。入口に人がたむろしていて、中に入れない。その間、寿司屋のショウウィンドーみたいなものを見る。

「まさかここで注文して席に着け、っていうんじゃないだろうな。まだ心の準備ができていないし、全然メニューがわからんぞ」

不安がっていたら、しばらくして席に案内してくれた。ただ単に店のメニューはこんなのがありますよ、と入口近辺にて紹介していただけだったようだ。ちょっと安心。

食堂メニュー

メニューは、案内通り写真付き・日本語解説付きで大変に判りやすい。ここも他の場所と同じく、間違ったわけのわからん日本語ではなく正しい日本語を使っているのでますます大変に結構だ。

適当に目に付いたものを数品選ぶ。量が大小どちらかを選べるのもまた良し。

台湾ビール(瓶)

とはいっても、まずはこれがないとはじまらない。「啤酒!」真っ先に啤酒を注文する。今日は一日よく歩いたし、動き回った。一服のご褒美ってことで。ごきゅーぅ。

ビールを飲むおかでん

ぷはあ、良いですな。

冷製・米酒蒸し地雉

最初に出てきたのは、メニューのトップに記されていた「冷製・米酒蒸し地雉」。160元。

慎重な顔つきのジーニアス

ジーニアスが「あ、これはおいしいや。台灣の料理って素朴すぎて日本人の口に合わないのかと思ったけど、案外いけるぞ」と開眼。

豚バラの煮付け150元
魚の山椒煮100元

次に来たのは「豚バラの煮付け150元」「魚の山椒煮100元」。どうでも良いことだが、魚の山椒煮の下のメニューが「豚バラの味噌焼」だったのだが、漢字名が「味噌松阪肉」だった。勘違いしそうな名前だ。

豚バラ肉の煮付け、即ち角煮なんだが、食べてみて二人とも「ふーむ・・・」と一瞬黙ってしまった。

「なるほど。うまいね」

「うまいけど、台湾風だね」

「すごくさっぱりしている。あっさりしている」

「それが台湾風」

もう少しこってり感があっても良さそうな物だが、全然それがない。ヘルシー、なのかもしれないが、物足りないくらいヘルシーだ。長時間蒸して脂を全部落としてしまったのだろうか?謎だ。

魚すり身入り団子スープ30元
なすのXO醤(香港の調味料)むし。150元。

魚すり身入り団子スープ30元。うすーい味付けに対して警戒していたが、ちゃんと塩味が効いていてこれはおいしかった。

なすのXO醤(香港の調味料)むし。150元。

XO醤という言葉がまだ台灣ではなじみがないようだ。食べてみたが・・・味が無いような、あるような。ううーむ。やっぱりここは台灣でしたか。

豚の香り油ご飯

豚の香り油ご飯。ご飯に油ギッシュなたれをかけただけやん、という一品だ。白米でいいじゃん、と思うのだが、台灣の人は白米を食べつつおかずを食べるという風習がないのだろうか?とっても不思議だ。魯肉飯を小椀で食べたり、どうもご飯そのものをおかずとしてとらえているような節がある。気のせいか?

ぶた肉の芝麻油いため。180元。

ぶた肉の芝麻油いため。180元。ちなみにこれも「山芋松阪肉」と書かれており、大変に紛らわしい。台灣において「松阪肉」という言葉に何か意味があるのか、それとも「高級な肉ですよ」ということを主張したいときに勝手に使う言葉なのかは不明だ。

濃厚なスープを期待したけど・・・台灣だねえ、やっぱり。この味覚に馴染むまでは数カ月かかりそうだ。それまでにホームシックになりそうだな。

麵線

麵線。台灣素麺を胡麻の香りで、と日本語で書かれている。確かに台灣素麺というだけあって、見た目はまんま素麺だ。これも味付けは先ほどのナントカ松阪肉と一緒で、見た目の色の濃さとは異なる薄さだった。

まあでも、台灣に行ったらぜひ麵線を、と思っていたのでこれにて少し満足したのであった。

店を後にする

お会計を済ませ、店を後にする。

腹ごなしに永康街を少々散歩してみることにした。ところどころ日式のお店があるのが面白い。日本の影響力は相当なものだ。おっと、目の前に赤提灯がぶら下がっているぞ。「和田屋」と書いてある。現地じゃなんて発音するんだろう。

和田屋のメニュー

その和田屋のメニュー。全部紹介はできないので上から二つだけピックアップすると、

(1)日式炒麵130 定食168
(2)炸豚排飯(勝丼)130 定食168

といった感じ。カツ丼のことを「勝丼」と称するんだな。確かに、カツって日本語のようで日本語でない言葉なので、漢字ではあてはまらない言葉だ。

赤とんぼ

こちらは「赤とんぼ」というお店。結構繁盛している。というか、どの店も等しく繁盛しているので日式料理店が人気なのか、それともたまたまなのかはさっぱりわからない。おーい、あんたら明日は月曜日だぞ、仕事があるから早く帰れーと思うが、考えてみれば日本と違って酒を飲んで酔っ払うって事がないんだった。普段の夕食、という感覚で外食をしているから日曜日夜でも無問題なのだった。

さてこの「赤とんぼ」、の提灯、「おでん」と書かれているのはよいのだが、もう一つの提灯には「たこ焼き」と書かれているのであった。なんだかがくーっとくる組合せであったよ。

「冰館」というお店では、上からミストが降り注ぐようになっていた。テラス席の人に一服の涼を楽しんでもらおう、という配慮なのだろう。台灣は夜でも暑い。

台湾人Aさんにこの写真を見せたら、「わー、このお店行ったんだ。どうだった?」と聞かれた。「「いや、通り過ぎただけ」といったら「なぜなのか」と問い詰められてしまった。どうやら、このお店、マンゴーかき氷の元祖でとても有名なお店だったらしい。要するに、われわれは永康街で有名なお店である「鼎泰豊」と「冰館」両方を無視してしまったというわけだった。

飲食店の写真

これも飲食店の写真。写真だと細かい字でメニューが膨大に書かれているように見える。しかし、実際のメニューは左端と中央の短い字の部分(わかるかな?)。あとの、長々と書かれているのは実は日本語の解説なのだった。

全体的に日本語がこの永康街で多いように感じるが、それは単に「あっ、日本語があった!」と日本語探しをしているわれわれの視線の問題なのかもしれない。だとしても、やっぱり多いと思うなあ。日本で、英語のメニューを探すよりもはるかに多い。

回転寿司屋

日本文化もここまで来たか、というものを発見した。

回転寿司屋。

生魚を食べるようになったか、とか回転寿司という日本発祥の文化がここにも、という感慨もあるのだが・・・それだけではない。このお店の看板が・・・

ギャルだらけの看板

これ。

なんじゃこりゃあ。

女性板前さんの周囲を取り囲む、制服っぽい服装をした可愛いギャル多数。ロリータファッションだ。もちろんミニスカ。これはマニアにはどすんとツボにはまるではないか(おかでんも少しこの蟻地獄にはまりかかった)。

「左の女の子のお尻の突き出し方が、もう」

「知らないよ、そんなの。それよりおかでんが好きなのはどれだ?これか?」

「いや、違う。これ」

「あー、なんとなくそんな感じするわ」

お店そっちのけで、看板に夢中になる二人だった。

ちなみにこのお店、「回転寿司」という表現がされていた。別の店では「鮨」という表記があったことから、日本同様どちらでも通用するようだ。

テレビに映る日本人政治家

今日は移動しまくったので夜猫子にはならず早くホテルに戻った。早くといっても22時くらいだが。「案外疲れたねぇ」といいながらテレビをつけたら、福島瑞穂社民党党首の姿が。余計疲れが出てしまった。そうか、台灣はNHK-BS電波が入るのか。

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