灼熱の台湾

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エレベーター解説

このビルを建造する際、竹をイメージしたかったらしく形状は特殊だ。「逆台形を積み上げた形」と先ほどは形容したが、まさに鉄骨の作りを見るとその通り。ばらばらばらーっと外側に崩壊しないのだろうか、と心配になるが、まさにそれが技術の見せ所、どーだお前ら真似できねーだろ、という自慢ポイントなんだろう。

「フレキシブル立体鉄骨構造システム」という技術を採用し、36本の柱を垂直の支えとし、そのうち8本の巨大鉄骨に高強度コンクリートが充填してあるのだ。どうだまいったか。このおかげで、ビル全体を盤石のように硬く、竹のようにしなやかなものとしているのだ。ひれ伏せ、お前ら。

・・・なんでこんなに詳しいのかというと、詳細な日本語訳がちゃんとどの掲示物にもついているんですね。なんと日本人ユーザーフレンドリーっぷり。しかも、怪しい日本語ではなく、美しい日本語で書かれてあるから感心する。「盤石のように固く」なんて表現、日本語学科在籍中の台灣人レベルじゃ、書けないぞ。

TAIPEI101グッズ

グッズも多種多様売られているようだ。あのタコ野郎のグッズはさすがに売られていなかったのが残念。あったら、タコ殴りにしてやろうと思っていたのだが。

ジーニアスがこのビルを紹介している絵本をじっと見ていたので、「よしジーニアス、君が憧れていたTAIPEI101にやってきたんだぞ。この絵本、欲しいー、買ってーって顔してカメラに写れ」「なんだよ、それ」

TAPIEI101の姿が勇ましいが、その背景に日本の裏山みたいなのが写っているあたりが台北の狭さというか、人口の少なさをあらわしている。高層ビル群が林立していない上に、ビルのすぐ向こうに低い山がある。

立体絵本

「見てみ、この絵本」

ジーニアスがぱかりと最初のページを開くと、そこにはあら不思議、立体的に飛び出すTAIPEI101が。
「もうね、世界一達成がうれしくてしょうがないって感じがぷんぷんするじゃん?いいよね、こういう無邪気さって」

と本人も喜びつつも、なにげに冷徹なコメントを出すジーニアス。

TAIPEI101の模型

TAIPEI101の模型もあった。

「よしジーニアス、今度はこの模型が欲しいーって顔して写れ」

「またか」

巨大な球

展望台からは巨大な球を見ることができると聞いていた。建物の中心部向かう通路があったので入ってみたら・・・うわ、本当にでかい金の玉がぶら下がっているではないか。

文句なしにでかいし、相当重そうだ。ぎっちり中身が詰まってますよ感が漂っている。あれが何かのミスで落っこちたら、ビル全体が崩壊すること間違いない。

天井からワイヤーでぶら下がる

この金球、展望フロアである89階よりさらに上からつり下げられていた。かなり太いワイヤーで固定されている。なぜこのようなものがあるのかというと、地震対策なのだという。揺れた時、揺れと逆方向に球が振れるので、ビル全体の揺れを抑えるのだとか。

揺れを抑えようと思ったら、普通の発想だと「揺れ=地面からくるもの=地面に何らかの対策を打とう」となるものだ。しかし、このビルは逆で「地面が揺れるのはしゃーない。だったら上から逆の力で押さえつけたれ」というわけだ。

惜しいことに、あまりにでかいので球+ワイヤーといった全体像を撮影するのは無理。なんのことかわからん写真になってしまったが、まあ、そういうことです。ご理解を。

※後注:実際は地震対策よりも、横風対策のために作られたものだそうです(出展:Wikipedia)

91階に上がることができるチケット

ジーニアスが

「おい、ここからさらに上にいけるらしいぞ」

と興奮気味にやってきた。91階にもあがれるらしい。

「そりゃもう、ここまで来て行かないわけにはいかんでしょう。行くぞ」

受付で100元(=400円)払ってチケットを購入する。

チケットには、「どうだ、その他世界のビルやタワーよりもウチのビルの方が高いぞ」と自慢げに比較された絵が描かれているのが素敵。特に、前日ドバイに抜かれてしまったというだけに、さらに素敵。

非常用階段

チケットを買って受付を通過すると、そこは非常用階段と間違うような階段だった。

足を痛めているジーニアスが「おい!」と叫ぶ。

「歩かせるんかい」

しかも2フロア分、ね。

「考えてみれば100元って高いよな。展望台までの往復エレベーター代で350元だぜ?歩いて2フロア登るだけで100元も取るのかよ」

「確かにそう言われてみればそうだな、高いな」

ちなみにここは382m。戸外観景台までいけば約400mだ。頑張れ。

91楼観景台室外気象資料

91階の出口に、液晶で「91楼観景台室外気象資料」という表示があった(もう、繁体字は面倒なのでやめた。実際はもっと難しい漢字)。

それを見ると、温度は24.5度!

「おい、どうなってるんだ。昨日の今頃、オレら36度くらいでひーひー言ってたのに」

「いや、この建物に入るまでも熱かったぞ」

「標高が高くなったから涼しくなったってことか」

「でも、標高100mにつき気温って0.6度しか下がらないからな、ここが400mだとしても、-2.4度だ」

「じゃあ、どういうことだ?」

よくわからないが、どうも盆地地形の台北という特性に解答があるのかもしれない。盆地なので熱が籠もりやすいわけだが、くぼ地を越えた高いビルの上だと、風通しが良く気温が上がらない・・・と。どうなんだろう。

ちなみに湿度は76.8%。湿度だけは地上とあまり変わらないようだ。しっかし、36度くらいの気温で湿度80%近くって、地獄ですぜ。

「それであのソーセージや唐揚げを食べるんだから凄い!」

妙なところで感心する。

101階を見上げる

屋外に出てみると、確かに涼しい。風はそれほど強くなく、快適な気温だ。ここから飛び降り自殺したらさぞや過酷な地獄に堕ちる事ができるだろうが、そうならないようにフェンスはしっかりと作られていた。

外の風景を写真撮影しようかと思ったが、89階で撮影したのと一緒になるのでやめた。

そのかわり、さらに階上の建物を撮影。数えていないが、多分あのてっぺんで101階になるのだろう。一体何に使われているのかは謎。エレベーターのメンテナンスルームだったり、あの金球のぶらさがりスペースだったり、案外つまらんものしかないと思われる。「世界のVIPが集う隠れ家バー」といった妖しい雰囲気のものはなさそうだ。

記録フィルム

これで100元はあんまりだ、と運営者サイドも思ったのか、このビルができるまでを撮影した記録フィルムを公開していた。一度支柱が折れました(2002年)、ということまではさすがに振れていなかったが。黒歴史扱いになったのだろう。

「あれが折れた支柱だろうか」

とひそひそ声で語るわれわれ。失敬なやつらだ。

ちなみにこのビル、12月31日になると逆台形の「節」の部分に花火をしかけて、盛大な花火大会を開催する。そのシーンが映し出されていてとてもきれいだったが、一番印象に残ったのは91階~101階部分の窓に電気をつけて、「SONY BRAVIA」というスポンサー表示を出していたことだった。これは強烈なスポンサー効果有りとみた。

それにしてもわからんのは、台灣は中国同様旧暦を採用しているということだ。彼らにとってのお正月は1月末~2月中旬(年によってズレる)であって、12月31日は普通の日のはずだ。12月31日に盛り上がっちゃうなら、いっそのこと新暦に切り替えちゃえばいいのに、と思う。その方が外国とのやりとりでも楽だし。

ただ、この話をAさんにしたら、「それをやったら占いができなくなるから駄目」なんだそうで。確かに、旧暦で占いをやってた人からすると死活問題だよなあ。

フードコート

ここTAPEI101は台北最大のフードコートを有しているという。まあ、そりゃそうか、このビルで働いている人の食事をまかなうだけでもものすごい食事量になるし、加えて観光客の数だってものすごい。実はこの辺、再開発中ということもあって周りは工事中、MRTが走っていないので無料送迎バスでの往復、と地の利が非常に悪い。それでも台北最大のフードコートだ。

あちこちに金髪の西洋人を見かける。それは、TAIPEI101は通称名で、正式名が台北国際金融大樓だからということもある。ワールドトレードセンター、というわけだ。台北経済の中心地として、こののっぽビルに各国の金融関係者が集まっているというわけだ。

それはそうと、いきなり「「関東煮」と書かれた赤提灯がぶら下がっているぞ。「momoya 桃屋日本料理」というお店らしい。ちゃんとお客さんがいて、食事をしている。一人一人に「好吃?」と聞いて見たい気持ちになった。

烤鮭魚定食など

お値段はちょっと高め、かな。だいたい250元(=1,000円)くらい。焼鮭定食のことを「烤鮭魚定食」と称しているのが微妙に面白い。日本語の「焼く」は「烤」になるのだな。同様に、「烤鰻魚定食」でうなぎの蒲焼き定食ということになる。蒲焼きにしてるのかどうかは、サンプルからは伺えないけど。

しかし、刺身定食の事を「生魚片定食」と称しているのはちょっとなんだか色気がないのであった。余りの部分を使いました的な雰囲気があるじゃないですか、「片」って言葉には。それであまり印象が良くない。まあ、ここは台灣、台灣人が楽しんで日本料理を食べてくれればそれでいいじゃあないですか。

さかなやの鮨

もちろんこのフードコートには台灣屋台料理系のものも売られているのだが、その他にはどの国の料理が多いですか?となると圧倒的に日式、ということになる。なんだか日本人としてうれしいような、不思議なような、微妙な気持ちだ。

「さかなやの鮨」と書かれた看板の店があった。中島水産、というお店が運営しているようだ。台灣の人は、やはり中華系の人が多いので生ものは食べない事が多い。加熱調理が一般的だ。だから鮨なんぞが食べられるようになったのはつい最近だし、鮨は食べられるようになったけど牛さしは駄目(台湾人Aさんがまさにそれ)。なんていう中途半端な人だって多い。頑張れ、中島水産。

蒸し鶏と炙り鶏

チキン様がぶら下がっている。茶色いの、白いの。蒸し鶏と炙り鶏だろう。これをそのまま食べるのか、何かと混ぜるのかはわから・・・ああ、調理台には何もない。お皿と、包丁と、ドレッシング。そうですか、これをそのままかぶりつけと。

一椀拉麵

一椀拉麵、というお店があった。下にひらがなで「らーめんいっちょう」とへたな字で書かれている。下手うま風な字体を狙ったのか、それとも単にへたくそなのかは謎。おっ、解説が日本語で書かれているぞ。

がんこなゲンコツ、新鮮トリガラ、元気な老母鶏
オーガニック野菜・コンブに煮干し
厳選素材を、
コトコト・・・・
コトコト・・・・・・
手間を惜しまず、
真心を込めて。

もうやめとく。これで半分くらい。これ以降は、どこそこ産のメンマだの豚だのという解説が続く。一体この言葉は誰に向けて書かれているんだ。日本人じゃないだろ。

ああ、あれか。イタリア料理店に行ったら、壁にわけのわからんイタリア語が書いてあったりして、なんだか「かっちょえー」って思ったりする、あれと同じだな?さては。雰囲気を出す、というか、よくわからんけど現地語を使ってます、うちは本場ですっていう感じにするためのテクニック。

日式蛋包飯

オムライスの店発見。さすがにここには、西洋人も立ち止まって「この店で食っとく?」みたいな感じ。さすがに西洋人に亜細亜の味は辛かろうて。

それにしてもちょっと待て、西洋人はどうでも良くって、「オムライス」とカタカナで書かれていて、その下に「日式蛋包飯」と書いてあるじゃないか。オムライスって日本料理と認識されているのか?それは意外だったぞ。

もっと意外だったのは、この写真を見た台湾人Aさんが「わー、オムレツだ!こんな字を書くんだ!」と言った事だった。中国語圏はカタカナに相当するものがないので、漢字で当て字をするしかない。だから「わー、こういう字を書くのか」とAさんが感心したのはまあわかる。しかし、オムレツ?オムライスじゃないのか。どうなっとるんだ、一体。

確かに、言われてみれば「列(レツ)」という字があるし、オムライスじゃなくてオムレツだろうな、というのは日本人でも感覚的に判るのだが、いやはや、漢字は難しい。

ちなみにここのオムライス、150元。ちょいとお安くなっとりますぜ、どうですか旦那方。

陳新一

陳新一、だって。

陳健一だったら日本四川料理界の重鎮で料理の鉄人だけど、陳新一って誰だよ。何を商いにしてるのかは、パネルからはよくわからん。だんごスープを中心とした定食屋のように見えるが、不明。

ご丁寧に、「陳新一」の下に、「Chen Xin Ei チエン シン イー」と自分の名前を英語と日本語で解説してくれているんだけど、肝心の何屋なのかがわからんと意味ないじゃん。自己顕示欲が強い人がオーナーの店である、と一方的に決定。

銀だこ発見

あらー、銀だこ発見。成田空港第一ターミナルでお見かけして以来1日ぶりの再開でござんすな。どうもご無沙汰。そこそこ繁盛しているようだった。少なくとも、成田空港の店よりは。

看板下のパネルを見ると、まるでハンバーガーショップのセットメニュー表示みたいだ。ドリンクとセットになっている。日本のお店もこんな感じだったっけ?

カウンターの片隅に、アサヒスーパードライが山積みされて陳列されているところを見ると、ここでは「たこ焼きを食べながら啤酒」という事ができるわけだな。

あ、そういえばこれだけ巨大なフードーコートなのに啤酒売ってるところってあったっけ?気がつかなかっただけだとは思うが、見あたらなかった。やっぱり台灣の人ってお酒飲まないんだねえ。もったいない。

逆に言うと、日本のビールメーカーは各種販促をして市場拡大のチャンスだと思うんだけどね、そううまくいきませんかね。

銀だこのシステム

銀だこのシステム。

まず大か小かを頼んで、ドリンクを頼むなら頼んで、最後にたれをどうするか決めてね、というもの。10粒で140元(560円)だから結構高い。たれは、「原味銀章魚醤」もしくは「照焼醤美乃滋」から選ぶんだという。なんのこっちゃかわからんが、多分醤油味かソース味かってことなんだろう。こういう「漢字を日本語に当てはめる推理ゲーム」をやっていると楽しいのだが、時間がいくらあってもきりがない。適当なところでやめておいた方が吉だ。

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