灼熱の台湾

EVA AIR

ジーニアスと別れ、搭乗口に向かっている最中に見かけたエバー航空の飛行機。写真だと少し見にくいが、機体にキティちゃんが描かれているのであった。これには仰天した。キティ、こんなところまで侵食していたのか、と。全日空には「ポケモンジェット」というのが飛ぶが、エバーはキティできたか。多分、あの機体に搭乗できた子供には限定キティグッズなんぞがもらえるんだろう。

日本全国の土産物屋どこに行っても「ご当地キティ」があるが、まさか台湾にまで進出しているとはな。サンリオのキャラクタービジネスの巧さが際だった証拠だろう。

僕なら今、ぜひ「オリゼー」とか「L・ヨグルティ」(出自:「もやしもん」という漫画)を機体に描き、「かもすぞ」と書いてあるのを見たいが、マニアックすぎて意味不明だろうな。まず、「かもすぞ、って何?」っていわれそうだ。(注:「醸すぞ、の意。発酵させるぞ、という菌の脅し文句)

FATという飛行機

そんなことを考えていたら、今度は真っ赤な機体がやってきた。FAT(太っている)と尾翼に書かれている。なんで自らをデブと称するのかわからなかったが、台湾人Aさんにこの疑念をぶつけてみたら、これは先ほどラウンジ前でいらっしゃいませしていた「遠東航空」の事だった。Far eastern Air TransportでFAT。なんか変な略語だ。FETでいいじゃん、と思うが、既にどこかの航空会社に取られていたんだろうか。

ちなみにこの遠東航空、台湾国内便を中心とした路線を持っている。それにしても真っ赤で派手だ。

桃園空港の案内図

乗り場はC9ということで、H型のターミナルとしては随分遠い。乗り場はHの縦部分にあるのだけど、片側に10番までゲートがあり、連絡通路部分はC5に相当する。すなわち、C9は端の方だ。動く歩道でエンヤコラと移動していきますか。

宗教祈祷室

それにしてもいろいろなものがあるもんだ。「宗教祈祷室」なんてものも備えているんだな。成田空港ってこんな設備あったっけ?キリスト教の十字架があるし、イスラム教用と思われる、地面に伏せるための絨毯がある。左のがらんとした施設は不明。

イスラム教は1日5度の礼拝があるから必要なのはわかるが、それ以外は一体何のために祈るんだろう。「墜落しませんように」という祈祷だろうか。

後で考えれば、実際見に行って実際に祈祷しておけば良かった。「モテモテになりますように」くらいのお祈りでもなんでも良いんだから。

原住民景観休憩所

こんなものもあった。原住民景観休憩所だって。台灣にもともと住んでいた、漢民族じゃない原住民の人の暮らしぶりを再現した休憩所なんだろう。よくわからんものを作るなあ。

これもうっかり見そびれた。さあ乗るぞ、という気持ちになっていたので、乗り場に向かう気持ちが強かったんだろうな。お土産も買ったし、ジーニアスとも別れたし、あとは帰国するだけだー、なんて。

飲食店を発見

動く歩道に乗っていると、飲食店を発見した。みんな動く歩道に乗っているし、食事は機内食狙いの僕のような人か、もう既に済ませた人ばかりで客は僅かだ。

それだけだと写真を撮影する価値はないのだが、気になったのは「本場流」と書かれたのぼりが立っていた事だ。本場流、とはなんぞや。

本場流現做壽司

「本場流現做壽司」と書かれていて、小さく寿司、と書かれている。写真を見る限り、少なくとも偽物ではなさそうだ。

しかし、英語訳がうそくさい。「HONBARYU authentic handade snack」だって。

本場流各式麵點

お隣には、「本場流各式麵點」と書かれていて、小さくラーメンと書かれていた。うーむ、これも写真を見る限り本場流っぽい。

しかしこれまた英語がうさんくさい。「HONBARYU authentic asian noodles」とはどういうことか。

そういえば、HONBARYUと日本語のローマ字読みが書かれているということは、このレストランはANA便に乗る日本人向けレストランなのかもしれん。

小籠包

その隣は小籠包だったが、「本場流」とは書かれていなかった。もともとここ台灣が本場だ、書くまでもないだろ?という事か?

搭乗ゲートC9

ようやく搭乗ゲートC9に到着した。飛行機は電車と違って構内移動に時間がかかるのぅ。「搭乗ゲート」のことを國語では「登機門」と書くのだな。なんだか、これから新たなるチャレンジをするような気になって、気が高ぶる。

ANAの飛行機の絵がお出迎えしてくれているのだが、これまた二頭身くらいのデフォルメされた絵。つくづく日本はアニメ大国だと思う。

ちなみに、ANAと書かれたいつものマークの下には「日空航空」と書かれてあった。「空」という字が二つも出てきてなんだか間が抜けている。

機内のモニター

着席したら、それまでの疲れがどっと出て離陸の瞬間すら気づかないくらい熟睡してしまった。故宮博物院で居眠りしたくらいだから、疲れは相当なものだ。目が覚めたら、もう既に周囲では食事がサーブされていて慌てた。

慌てた、というか呆れたのはもう一つあって、機内のモニターに表示された外気温が「-51度」と示していたことだった。高度1万メートルを航行しているから当然なんだが、さっきまで気温36度のところに居たのに、今や壁の厚さ数十センチ向こうは凍死する寒さだというのが面白くて、一人声を出してくすくす笑ってしまった。

機内食

遅れての食事だったので、何が何だかわからんうちに料理が出てきた。Aコースを頼んだんだったか、Bコースを頼んだんだったか、覚えてない。お飲み物は、と聞かれたので「ビールを」と頼んだら、選択肢が与えられず、無条件でプレミアムモルツだった。んー、台灣啤酒も良いけど日本のビールも良いねえと思いつつ、また眠りについたのだった。

目が覚めたら日本。3時間ちょっとのフライトはあっという間だ。こんなに台湾という国が近いことに驚きを感じる。また機会があったら、週末に休みをくっつけてひょっこり訪れてみたいものだ。今度こそ、体調を万全にし、ビールがぬるくならないように保冷バッグを持参し、屋台食べ尽くしだ。

(この項おわり)

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