
09:38
チェックアウトを済ませ、カプセルホテルを出る。
ホテルの外は大雨。土砂降り、といっていいくらいの雨だった。
ああ、これはもう完璧に登山はムリですね、いや、できなかぁないけれどやるだけ無駄ですね、という納得感満載の雨。むしろこれくらい降ってくれると清々しくて諦めがつく。今日明日はしょうがないので、気持ちを切り替えて楽しく過ごすことにしよう。
・・・いや、登山が楽しくないみたいな言い方だけど、決してそんなことはない。
ただ、ストイックに肉体を酷使する登山の楽しさと、「平地で欲望の赴くままに過ごす時間の楽しさ」とは質も量も違うものだ。僕は今回、雨によって後者を選択したことになる。

09:40
立体駐車場に行き、車を受け取る。24時間預けて300円、のように一瞬見えるけれど、よく看板を見ると「24H/300台」と書いてある。さすがに300円なわけないよな。

10:01
立体駐車場から立体駐車場へ。わずか10分ほどのドライブで、すぐ次の立体駐車場に車を停めた。
目指すは、六花亭札幌本店。
六花亭は北海道を代表するお菓子メーカーだが、本店は帯広にある。しかし、札幌にも本店扱いのお店があって、それがこれ。札幌駅の近くにある。
なんか、六花亭好きの人たちに言わせると、六花亭の直営店に行くというのはずいぶんとステータスの高いことのようだ。誇りとして語るし、それを聞く人たちも「いいなあ、羨ましいなあ」と言っている。そんなものなのか。
この当時の僕は六花亭なんて大して好きでもなかった。でも、ハタケでお世話になったマメヒコの井川さんが、六花亭を食べながら「どれを食べてもうまいんだからやになっちゃうよな」と飲食業者として最高の褒め言葉を言っていたのが印象的だ。実際、そう言われてみれば美味しい気がする。
僕が甘いものを食べるようになったのは2013年にお酒をやめてからで、それまでは貰い物でも賞味期限が切れても食べようとしなかったくらいだ。だから、この手のお菓子というのはまったく疎い。
今回、どうせ暇なんだし、まずは六花亭に行ってみよう、というわけだ。
10時の開店を待つお客さんが店頭に多数いる。女性が多く、外国の方もいらっしゃる。月曜日の朝だというのに、みなさんお疲れさまです。

六花亭開店。
大きな「亭」ののれんがお出迎え。

六花亭店内。これだけの敷地を持っているというのもすごいが、そこにびっしりと様々なお菓子が並んでいるというのもすごい。どれだけの品数があるんだ。
お土産物の有名どころとしては「マルセイバターサンド」とか「ストロベリーチョコ」がある。でもその他に、知られざる美味しいものがいっぱいあるってことだ。

ちなみにどうでもいい話だけど、僕のママンはリキュールが中に入った小さな球状の砂糖菓子「六花のつゆ」が好きだ。僕はお酒入りということで、まったく食べることができないけれど、美味しいらしい。

六花亭といえば、独特な花の絵が描かれた包装だけど、それを使ったクッションなども売られていた。六花亭好きの人はこういうグッズも買うのか!

六花亭初心者の僕でも、「これは買わずにいられない」と思っているのがこれ。「○△□」。「まるさんかくしかく」と読む。
これ、新千歳空港などのお土産物屋さんでは売られておらず、六花亭の直営店にだけ置いてある商品だ。9品の焼き菓子詰め合わせなのだけど、単品で売られていないお菓子も中には含まれている。缶に入っていて(2017年当時。今は紙箱に変わった)、お値段2,200円。高い?いや、これだけのクオリティのものがこれだけ入ってれば、ぜんぜん高いとは思わない。ちびちび食べていればそれなりに食べきるまで時間がかかるんだし、買って損はない。
今日六花亭を訪れたのも、これを買うのが目当てだと言って過言ではない。というか、それだけが目当てだ。売っていてシメシメとほくそ笑む。もちろん即買いだ。
ただ残念なことに、一人暮らしでこれを1箱買ってしまうと、あとはもうほかの六花亭銘菓を買う余裕がなくなってしまうということだ。金銭面でもそうだけど、自分で消費しきることができない。人にあげればいいじゃない、って?バカをいうな、うまいかどうかまず僕が食べてから決めないと。人にプレゼントするのはそれからだ。
ということで、本日のお買い物はまるさんかくしかく、だけ。
ちあんみにこの「○△□」という文字は、六花亭創業家が三代にまたがって一文字ずつ書いている。祖父、父、本人、と。味わい深い。

あと、六花亭の直営店では、お土産として買って帰れないお菓子も売られているのでにくい。
この建物の二階にカフェがあるのだけれど、そこでのんびりするのはちょっと時間が惜しいので、今回は手軽にその場で食べられるお菓子をチョイス。
「雪こんチーズ」200円と、「サクサクパイ」180円があった。サクサクパイは注文が入ってからパイ生地の中にカスタードクリームを詰めてくれる。消費期限は3時間。サクサクしなくなったら言葉に偽りありじゃねーか、ということで。

そんなわけで、詰めたてサクサクパイをいただく。
うん、うまい。
人間って、「うまい」と感じるその多くの部分を「サクサク」とか「とろとろ」といった食感に頼っているんじゃないかという気がする。その点、こいつは味+食感で最高ってことだよ!
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2件)
「内海湾」ではなく「内浦湾」ですね。
つまらない指摘でごめんなさい。実は10年以上前から愛読してます。
米こうじさん、間違いの指摘ありがとうございます!こういうアドバイス、地味にありがたいことです。これからも愛読をよろしくお願いします!