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急遽登山を諦めたということもあって、事前に観光ネタを持っているわけじゃない。しかも、雨ともなればインドアで楽しいところを探すことになる。さてどうしたものか。
とっとと札幌を離脱して、遠くへ行ってしまうのも一つの手だった。札幌はいつでも行ける。しかし、それ以外の土地にはなかなかいけないから。
とはいえ、「じゃあどこに行けるか?」と考え出すと、きりがない。なにしろ北海道は広大だから。そして、出てくる情報はというと、屋外の施設だったりして、この雨の下ではちょっと分が悪い。
ひとまず六花亭には行ったけど、次はどうしようか。
作戦会議も兼ねて、2度ほどお邪魔したことがある「菊地珈琲」に行ってみることにした。焙煎工房を兼ね揃えた、ブルーマウンテン館だ。
菊地珈琲は札幌中心にもお店があり、本店はそちらの方なんだけど焙煎工房は郊外の宮の沢にある。渋谷・三軒茶屋にあるカフエマメヒコは、ここで焙煎された珈琲豆を東京で味わえる数少ないお店だ。わざわざ東京まで空輸してもらう価値がある、と評価されるほどの味わいということだ。
以前は大人数でお邪魔して、ワイワイしていたのでゆっくり店内を眺める余裕はなかった。でも今回は一人。うん、雨の中一人で過ごす喫茶店というのも良いものだ。
店員さんは、昔ながらの雰囲気の制服を身にまとい、きびきびと接客してくれる。心地よい。スターバックスの無駄にニコニコフレンドリーなのも元気がもらえて好きだけど、たまにはこういうどっしりと重厚な落ち着きも欲しい。
ホットサンドセットを頼もうと思う。うむ。680円。
「和風ホットサンドセット」というのもあってその違いが気になるけれど、ここはノーマルに。昔ここでホットサンドを食べて、「こんなにホットサンドって美味しかったんだ!?」と驚いた記憶があるからだ。
まだ時間は11時前なので、モーニングセットを頼むことができた。しかし、トーストよりもホットサンドのほうが食べたかったので、お得なモーニングセットはパス。
このお店はオリジナルブレンドコーヒーが450円で、おかわりをすると330円。おかわりで安くなるというのは、嬉しい。ついつい頼んでしまう。
巨大焙煎機で1日200kgの豆を炒るぜ!と語る文面。こういうのがメニューにバーンと書いてあるのがすばらしい。
以前、目の前で焙煎しているところを見せてもらって、エキサイティングな体験をしたものだ。工場みたいなんだもの、規模がデカくて。それでも高品質な豆を焙煎しているのだから、すごい。「大量生産=駄目」ではないのか、と思い知らされたひととき。
で、これがホットサンドのセットですよ。
ここのホットサンドはほれぼれするくらいうまいんだよな。
世のホットサンド事情というのは知らないのだけれど、少なくともこれは美味い。あまりに美味すぎるので、自宅にホットサンドメーカーを買うことを大決定した。家でも作ろう。
このあと、別の喫茶店で「ホットサンド」を頼んでみたら、トーストを使ったサンドイッチが出てきておかでんご機嫌斜め、ということがあった。油断は禁物だ。「ホットサンド」というのは、こうやってパンがプレスされたものでないといかん。
卓上の砂糖は、六花亭だった。へー、こんなものがあるのか!
あと、毎度ここで驚かされるのが、珈琲の美味しさだ。ブレンドコーヒーということで油断して飲んだら、「えっ?」と二度見するくらい美味しかった。なんだこれ。一番安いコーヒーなのに。
卓上には、自家焙煎工房併設のカフェらしく、豆のお持ち帰り用メニューがあってずらりと解説が書いてある。
あまりに感動したので、珈琲豆を二種類買って帰った。
実は前回ここを訪れたときも、感動して豆を買ったものだ。でも、東京で飲んでみても、いまいちおいしくなくて「?」と首をひねったものだ。自分の淹れ方が悪かったのだろうか、と。
今回も東京に戻ってからドリップしてみたけど、やっぱり同じことの繰り返しだった。豆が悪いんじゃない。淹れ方と水が悪いんだ。
菊地珈琲はネルドリップで淹れているので、ペーパードリップと味が違うのは当然なのだけど、そのせいもある。あとは、やっぱり水だなあ。当たり前だけど、珈琲って水が大事だということを思い知らされる。北海道は水がうまい。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2件)
「内海湾」ではなく「内浦湾」ですね。
つまらない指摘でごめんなさい。実は10年以上前から愛読してます。
米こうじさん、間違いの指摘ありがとうございます!こういうアドバイス、地味にありがたいことです。これからも愛読をよろしくお願いします!