10:49
羊蹄山の東側を走る。それにしても素晴らしい山容だ。周囲に別の山がなく、いきなりポコンとプッチンプリンのようにそびえている山。そしてあれやこれやと開発されていないので、その美しさが際立つ。
この山を見て、一瞬香川県にある讃岐富士を思い出した。あの山も、ポコンと存在する、美しい山だ。ただし、山の一部に住宅地が入り込んでしまい、せっかくの山の美しさが若干損なわれているのが惜しい。
その点この山は見れば見るほど美しい。登れなかったのはとても残念だけど、また次の機会があるとも言える。遠くないうちに、再チャレンジしたい。
ただ、登山としてこの山が楽しいのかどうかはちょっと怪しい。こういう美しいコニーデ式の山というのは、ひたすら単調な登りが続いてウンザリさせられるものだ。そして、山の麓から生真面目にえいやえいやと登ることになるので、それもまたしんどい。「山の7合目付近にある峠から、ひょこっと登山を始めることができるんです」といった横着ができない。
コニーデ式火山といえば、鹿児島県の開聞岳も美しい。あの山の場合、なんと蚊取り線香のように登山道がグルグルと回っていて、山を周回しながら山頂を目指すことになる。この山も、遠くから眺めた美しさの割には登るのは結構面倒だと聞く。
10:50
前方に、またもやポコンと盛り上がった山が見える。
今いるところが平地で、しかも周囲にあまりものがなく、そして真っ直ぐな道。その果てに、山がポコンと。この光景はワクワクするねえ、本州じゃあこういう景色は見ることがむつかしい。地図を見ると、「尻別岳(しりべつだけ)」という名前の山らしい。
少なくともこっちから見た限りだと、お椀をひっくり返したような形をした山だ。標高はさほど高くないようだけど(後で調べたら1,107m)、登るのは結構しんどそうだ。
こういう「いきなりな山」がポッコンポッコンあちこちにあるのだから、この界隈が火山地帯だということがわかる。ということは、今走っているこの盆地部分は巨大なカルデラということか?
走っていると、カーナビに
目的地までのルートに回避できない通行止めが発生している可能性があります
という表示が出てきた。おいちょっと待て、それはどこだよ。あと、「可能性」ってなんだよ。
今日は新千歳空港までずいぶんな距離を走破するので、通行止めはやばい。そして「可能性」とか曖昧な表現は頼むからやめてー。
しょうがないから走っていくしかない。どこが通行止めなのか、今のところ不明。高速道路じゃなければよいのだけれど。
10:58
喜茂別から北上する国道230号に入り、札幌を目指す。
札幌に用はないのだけれど、その途中の道の駅に用がある。
途中、車を停めて振り返ってみれば、雄大な羊蹄山。雲に隠れてはいるけれど、ほんまどこから見てもいい山やで。
11:01
くねくねした山岳ルートを走る。とはいっても片道一車線とはいえ道幅は広く、快適なドライブだ。
中山峠到着。
この峠を境にして、札幌市だ。
でも僕は札幌市の手前にある「道の駅 望羊中山」に用事がある。札幌市に足は踏み入れず、そのままUターンだ。
11:24
道の駅 望羊中山。
大して大きな道の駅ではない。しかし、ここにはとても有名な名物があるという。
それは「あげいも」。
具体的にどのようなものかは、よくわからない。「名物があるぞ」という情報だけチラ見して、あとはもうそれ以上調べなかった。最近の僕のやり方だ。現地に行って、webや雑誌で見たまんまのものをそのまんま体験するというのは面白くないからだ。敢えてあれこれ情報は仕入れない。
で、だ。道の駅入り口に到着してみて、「なんだこれは」と困惑している自分がいる。
フライドポテトではないのだろう、と思っていた。そして、おそらく新じゃがのような小粒なじゃがいもを油で揚げたもので、塩を振って食べるのだろう、と想像した。しかし、目の前にいるのは・・・だんご三兄弟?いや、山形名物の玉こんにゃく?
どうやら僕が目指しているヤツは、串に刺さっているっぽい。
すげえな、札幌界隈の人たちは、わざわざ車を走らせてこの中山峠までやってきて、あげいもだけを食べて帰ることもあると聞いていた。そんな大人気商品なだけあって、バーンとあげいもコーナーが建物内に作られていた。ちゃんと行列をさばくための対応までしてある。
そんなあげいもゾーンの入り口には、「あげいもマイ・キッチン」というスペースがあった。お持ち帰り用のスチロール容器や箸と、調味料が並んでいる。
なるほどー、いろいろ置いてあるな。
マヨネーズとケチャップは想像の範囲だけど、他にもいろいろあるぞ。パルメザンチーズとか、バーベキュー味の粉末とか、クレイジーソルトとか。カスタマイズしほうだいやんけ!
そんなあなたにカスタマイズのサンプルまでご丁寧に伝授されていた。
「スタッフ1押し」といのがBBQ味で、マヨネーズ1:BBQパウダー少々、という割合なのだそうで。へー。
他にも「カルボナーラ」としてマヨネーズ1:パルメザンペッパー少々、とか。
つまり、毎回ここを訪れるたびに新しいチャレンジが生まれる、といことだ。リピーター狙いか!たまらんな、おい。
で、並んでゲットしたあげいも。ほーう、予想していたものと違うぞ。
これは、アメリカンドックみたいな食べ物だな?さては。けしからん食べ物だなー。じゃがいもを揚げるとかふかすだけでも十分にうまいのに、小麦粉で衣をつけて揚げおったか。そりゃあ、マヨでもケチャップでもなんでも合うに決まってるわ。
断面はこんな感じ。
さすがにアメリカンドックばりに分厚い衣ではないけれど、この衣があるおかげで旨さ倍増。お腹もいっぱい。おやつにしてはドスンときすぎる、食べごたえのある間食だった。自宅でも真似できる食べ物だけど、これはここで食べてこそ、なんか嬉しい。
大人気商品ということで、平日だというのに在庫がドサドサと積み上がっているのが見える。いくら作っても作り足りない、ということか。
フライヤーでは、次々と揚げているのが見える。フル稼働だ。
あげいもを食べた後は、甘いものを食べて口をリセットしたくなる。
森の抹茶♪ソフトクリーム、350円だって。食べたいな、と思ったけれど、さすがにお腹いっぱいだ。やめておこう。
「最大限に引き出した抹茶の苦味と風味」というセリフがスゲー気になるのだけれど。いつかまたここを訪れる機会はあるのだろうか?そのときには、ぜひあげいもとともにこれも試したい。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2件)
「内海湾」ではなく「内浦湾」ですね。
つまらない指摘でごめんなさい。実は10年以上前から愛読してます。
米こうじさん、間違いの指摘ありがとうございます!こういうアドバイス、地味にありがたいことです。これからも愛読をよろしくお願いします!