ただいま、わが愛しの山小屋泊【焼岳】

新島々駅

15:41
新島々バスターミナルに到着。

バスターミナル、という建物があるけれど、鉄道の駅舎も兼ねている。

団体客がやってくることも想定してか、ひさしが深い建物。

昔からこういう建物だったか、改築されたのか、全く以前の記憶が残っていない。

次の松本行き電車は「16:04」と液晶ディスプレイに表示されている。

上高地に行くときも、上高地から戻る時もそうなのだけど、いつも必ずここで15分から20分くらいの待機時間があって時間を持て余す。なかなか連絡がスムーズにいかない。

新島々でゆっくり過ごして、少しでもここでお金を落として欲しい・・・という願望があるのだろうか?と勘ぐってしまう。

この時間がもったいないので、もう上高地から松本直行のバスをもっと増やしてくれよ、と常々思う。でもそれをやってしまうと、上高地線が廃線の危機になってしまうので多分ダメなのだろう。

新島々駅

「バスターミナル」の名前にふさわしく、ここを起点に何カ所かに向けてバスは発着している。

上高地行き、白骨温泉行き、乗鞍行き、飛騨高山行き、新穂高温泉行き。

路線図の上に大きな板がせり出しているのは、おそらくツバメの巣用なのだろう。

新島々駅

名だたる観光地の玄関口とはいえ、さすがにバスの便数は少ない。

上高地行きはしっかりとあるものの、それ以外は細々とある程度だ。

新島々駅

案の定暇を持てあまし、新島々駅の近くをぶらぶらする。

先ほど書いた「新島々にお金を落としてもらうために、乗り継ぎを悪くしている」という冗談が本当ならば、この界隈にアルピコグループはお土産物屋を作るはずだ。しかしそんな商業施設が一切ないことから、「儲けのため」ではないのだろう。

新島々~上高地間は道幅が狭くシーズン時には渋滞が発生する。その分の余裕を、ここで確保しているのだろう。何しろ、観光客・登山客で用意周到な人は、松本から先の特急列車の指定席を確保してしまっている。「予定していた電車に乗れなかったぞ、どうしてくれるんだ。責任を取れ」なんて面倒くさいことを言われるのはたまらないので、あえて新島々で時間調整をしていると思われる。

アルピコ交通のバス駐車場の向こうに、白い建物が見える。以前、上高地からの帰りにここで日帰り入浴をしたことがある。妙鉱、という旅館だ。

電車の時間待ちにはちょうど良い場所だった。しかし、いつの間にかここは閉館してしまい、今や老人ホームに様変わりしていた。なんてこった。

新島々、もうすこしうまいやり方はないものだろうか。観光客に対して商売っ気がなさ過ぎる。

でも、長い歴史の中で、商売をしなかったはずがない。おそらく、失敗に終わったのだろう。

新島々駅

15:55
野麦街道を挟んで駅の向かい側に、古い建物が見える。以前からあんな建物、あったっけ?記憶にない。

よく見ると、「旧島々駅舎」という看板が出ていた。あ、昔の駅はあんな建物だったんだ。

もともと、島々宿というのが新島々からもう少し上高地寄りの場所にある。今で言う安曇支所があるあたりだ。しかし、平地が少なくてバスターミナルを作る余裕がなかったことから、松本寄りのところに新島々駅を作り、そこをバス路線との結節点にしたのだという。

僕は島々駅が現存していた時代というのを全く知らない。1983年に鉄道運行がストップしたけど、それ以前の1966年には既に新島々駅ができていたという。「学生時代は槍ヶ岳にも登った」という僕の父親でさえ、ギリギリ島々駅を使ったことがあるかどうか、という昔だ。

新島々駅の野菜直売所

新島々駅界隈で数少ない「商売っ気」は、農産物直売所だった。

うーん、良いと思うんだけど、これから東京まで戻らなくちゃいけないことを考えると、重たくてかさばって繊細な野菜を買う気にはならなかった。むしろここでは、ベタベタな長野土産を売ってくれた方がありがたい。松本駅の売店で買おうとすると混雑するので、買うならここがオススメ!という売り文句で。

・・・あー、今気がついた。なんで新島々が商売っ気がないか、ってことに。

結局、お土産物って、既に上高地の売店でみんな買っちゃってるんだな。なので、今更ここで土産物店があっても、「買いそびれ」でもない限り誰も買わない、というわけだ。

不思議なのだけど、ここで桃を買う人って果たしているのだろうか?桃なんて、ちょっとぶつけるだけで傷んでしまう果物だ。持ち運びには向かない。車で訪れる道の駅ならまだしも、公共交通機関の駅で売れるのだろうか?

「これから乗鞍温泉で一泊なのです。宿でお夜食としてデザートが食べたいのです」

という人向け、なのだろうか?いやでも、ナイフがないぞ。

新島々駅

JR松本駅改札に関する注意書きが出ていた。

上高地線の乗車券をそのまま自動改札に入れると詰まって壊れる恐れがあるので、有人改札を通ってくれ、と書いてある。

故障の原因になるのか!単に「読めません」と改札機から突き返されるだけかと思ったけど。何か特殊な加工でもしているのだろうか。JRと実は仲が悪くて、「いいか?自動改札に券を入れるなよ?壊れるからな?絶対に入れるなよ?」と言いつつちらっちらっとこっちを見て、「壊しても、ええんやで」とニッコリしている・・・みたいなシチュエーションを想像した。

ちなみに僕が手にしている乗車券は、上高地から松本までのバス・鉄道通しの券で、コンサートチケットのサイズだ。間違ってうっかり自動改札機に突っ込む、ということは物理的に不可能なので、その点安心。

新島々駅

上高地線のダイヤ。

「1時間に2本」と「1時間に1本」が交互にやってくるダイヤになっている。夏のハイシーズンであっても増発という考えはないらしい。実際、周囲を見渡してみても、増発が必要なほどのお客さんはいないようだ。

上高地はあれだけ大勢の観光客がいるけれど、その多くはマイカーまたは観光バス、ということなのだろう。

北アルプスを縦走したい人向けに、マイカーの回送を請け負っているタクシー会社もある。中房温泉まで車で行って、帰りは沢渡で車を受け取る、ということが可能。

以前僕は、富山県の立山に車を預け、立山黒部アルペンルートを通過したのち長野県の扇沢で車を受け取ったことがある。値段は高いけど、自由度と満足感が非常に高いサービスだと思う。

上高地へようこそ!

上高地線としても、手ぐすね引いてモータリゼーションを見過ごすわけにはいかないらしい。「あれっ!?」と思わず声を出してしまうようなパネルが、駅改札入ったところに置いてあった。

なんだこれ。

・・・ああ、昨日梓川SAでみたやつだ、上高地線イメージキャラクター「渕東(えんどう)なぎさ」だ。

場所柄、登山装備をしている。

登山客、観光客以外にも2次元好きな人にも来てもらいたい、ということなのだろうか。

萌える自販機

自販機にもこの女性の絵が描かれている。

萌え絵らしく目を大きく描いているのは良いのだけど、瞳孔が開いているように見えるのでちょっと怖い。

「渕東」とかいて「えんどう」と読ませるなんて、とっつきにくい名字だな?と思ったら、新島々駅の次の駅が「渕東」だった。そして、「なぎさ」という名前も、松本の2駅手前に「渚駅」があった。名字も名前も、駅名が由来なのだった。

全国の鉄道路線とタイアップした萌えキャラプロジェクト、「鉄道むすめ」の一貫なのかな?と思ったけど、全く関係がなかった。上高地線独自で萌えキャラを作ったらしい。

松本電鉄上高地線

16:04
白いアルピコカラーの上高地線。

一応「松本電鉄上高地線」という愛称は残っているけれど、「アルピコ交通上高地線」が多分正解だと思う。

ここにも萌えキャラ

やや。

ここにもなぎさちゃんがいる。

そして、車内は「FREE Wi-Fi」なのだそうな。わざわざWi-Fiを用意しているのは、やはりこれも2次元好きの人への配慮だろうか?

ギャラリーらしい

隣のホームに停車していた電車は、「ギャラリー上高地線電車」というヘッドマーク?が出ていた。もちろんなぎさちゃんも描かれている。運が良ければこのギャラリー電車に乗れるらしい。

(つづく)



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