ハタケ仕事と山登り【羊蹄山】

14:01
火山博物館裏の堰堤のようなところに行ってみた。

すると、そこは川が流れているわけでもなく、砂防ダムのようなわけでもなく、低木と草が生えた公園のような場所だった。

ただ、尋常じゃない雰囲気はある。無駄に今いる堰堤の位置が高い。ここからあちら側に行こうとすると、一旦堰堤を下りて、公園のようで公園ではない、なんにもないところを歩くことになる。

火山による溶岩や土砂崩れを防いで、温泉街がダメージを受けないようにしているのだとは思うが、穏やかな今は不穏な空気は特にない・・・いや、なにもない虚無な空間、それそのものが不穏ではある。

「洞爺湖温泉市街地の防災施設」という看板があった。

くもりガラスなのか?と思うくらい、文字も図も何もかも、くすんでしまっている。でも、フォントを見る限り、そんなに古いものではないことがわかる(フォントというのは、さりげなく時代感を色濃く表すものだ)。

つまり、火山性ガスの影響で、この看板が変質してしまったということなのだろう。さっき火山博物館で火山の凄さを五感で体感したばかりなので、ちょっとびびる。

これを見ると、まさに今いるところは「砂防えん堤」というところで、火山による泥流を食い止めるための場所だった。この手のえん堤はあちこちにあり、また、導流堤という、泥流をえん堤の手前にある遊砂地に導くための堤防も何か所かにある。

14:02
なるほど、高さのあるえん堤が作られているのは、やっぱりここに泥流を溜めて食い止めるためなのだな。噴火時のダムとしての役目がある。

そんな遊砂地の底にプレハブ小屋があり、ここから奥に入るためのゲートの役割を果たしている。広い場所だけど、出入り口は、ここしかない。

えん堤を下から見上げたところ。

まあ、こうやって見るとそこまで高さがあるというわけではない。でも、上から見た時はすごく驚いた。なにもない場所に、なんでこんな堤防が?と思ったからだ。そして、大自然を相手にしているだけあって、幅がかなりある。ここで食い止めらなかったら、大変だ。

プレハブ小屋の小屋番さんに挨拶をし、パンフレットを受け取る。英語のトレイルマップだ。

日本語のトレイルガイドの方は、より細かく情報が載っている。英語をはじめとする外国語版は情報が簡略化されているのは、あれこれスポットを掲載して、迷子になってもらってもこまるからだろうか。

トレイルルートは、今いる「金毘羅火口災害遺構散策路」と、少し離れたところに「西山山麓火口散策路」の2つあるようだった。僕は西山の方まで目がいかなかった。せっかくだから、西山にも行っておけばよかった、と思ったけど後の祭り。

金比羅火口災害遺構散策路、というのは、その名の通り有珠山山系のひとつ金毘羅山と西山の噴火でやられた建造物がところどころ残っていて、それを見つつ噴火口まで見に行くルートになっている。周遊でだいたい30分。

ちなみに噴火したのははるか昔の話なんかじゃなく、2000年のこと。まだ四半世紀すら経っていない、つい最近のことだ。

遊歩道に沿って歩いていくと、とんがり屋根が特徴的な遺構にたどり着いた。

ぽつんと建っていて、異様だ。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 「内海湾」ではなく「内浦湾」ですね。
    つまらない指摘でごめんなさい。実は10年以上前から愛読してます。

  • 米こうじさん、間違いの指摘ありがとうございます!こういうアドバイス、地味にありがたいことです。これからも愛読をよろしくお願いします!

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