14:26
小仏峠から小仏城山への道は、丸太で作った階段を登っていくことになるようだ。
それなりの傾斜なので、これまでの縦走で疲れが溜まっている人は「うわあ・・・」とウンザリするかもしれない。しかし、小仏城山まで近いので、ちょっとのがまんだ。
目の前に、分岐が見える。右に階段、左に階段ではない登山道があるようだ。
分岐のところにある標識。小仏峠から600メートルのところ。
階段を登っていけば小仏城山まで500メートル、左の階段ではない登山道を歩いて行けばまき道。
ここでうっかり「じゃあ、まき道で!」と選ぶと、小仏城山の山頂をスルーしてしまうので注意。
縦走というのは、こういうところでどういうさじ加減をするかが難しい。全てのピークを馬鹿正直に登ったりおりたりする必要はないと思うが、かといって楽して全部まき道で逃げるというのもずるい。やはり、せめて名がついているピークくらいは登っておきたいところだ。
14:33
分岐から500メートル、ということで山頂はあっという間だ。7分ほどで、前方に電波中継塔が見えてきた。
これは、わざわざ山の中腹に作るなんてことはない。山頂にあるというのがお約束の施設だ。だから、あのあたりが山頂なのだろうきっと。
14:33
お。前方の茶店が見えてきた。本当に山頂だった。
14:34
小仏城山山頂付近。
ここも結構広い場所で、茶店の周囲にベンチとテーブルが並んでいた。
まだ14時半だというのに、既に夕暮れの気配を感じさせる太陽光。さすが11月下旬だ。
この小仏城山の次が最終目的地の高尾山。高尾山に着いたころには、本当の夕暮れになっているだろう。これだから、秋から春先までのウィンターシーズン登山というのは怖い。チンタラしていたら、すぐに日が暮れる。里山登山だからといってナメていたら後悔することになる。
とはいっても、やることはやらなくちゃ。この茶店で、何かを食べる、と。
事前情報では、「かき氷、なめこ汁、そして住み着いている猫」が名物だと聞いている。
いやあ・・・なめこ汁ねぇ・・・
もういい加減、味噌系の味はいいや、と思っている。じゃあ何が食べたいのか、と問われても困る。なぜなら、お腹が全然減っていないから。そりゃそうだ、運動量以上に食べているからな。
小仏城山の山頂地図。
茶店の建物が広場の中心にある。
わざわざ地図を作らなくても、と思ったが、この山頂から5方向に道が分岐していて混乱しやすいからだろう。
よく見ると、「高尾山」に行ける道が2本伸びていることがわかる。なんだこりゃ。
実はここから先、高尾山山頂に向けてはよく歩かれている道だからか、いくつものサブルートがある。いや、もうどれがメインなんだか、地図を見てもよくわからないくらいだ。うっかり道を間違えて縦走路から外れてしまう、ということはないはずだけど、一応気をつけないといけない。
14:41
そうだ、山頂標識をまだ確認していなかった。
茶店に気を取られて、山頂の扱いが悪くなっていた。おかげで、山頂のところにいた木彫りの人(?)がスネてむくれている。すまんすまん。
小仏城山は、昔ここに出城があったからそういう名前がついていたようだ。小仏峠は昔、甲州街道が通っていたところなので、その交通の要衝をおさえる意味があったのだろう。
ちなみに甲州街道(国道20号線)は、今はもう少し南の大垂水峠を通っている。小仏峠の傾斜がキツいから、場所が変わったらしい。
さてと、何を食べようか。
茶店ににじり寄る。
後になって気がついたのだけど、この山頂には「城山茶屋」と「春美茶屋」の二つが連なっていた。
てっきり僕は1軒だと思っていて、この場所では1食しか食べなかった。ということは、厳密に言うと「全茶店制覇」ではなかった、ということだ。まあ、いいか。
城山茶屋のほうは、壁がなく柱と屋根だけの、あずまや風の小屋。台風が来たら、売り物が吹っ飛ばされるんじゃないかと若干心配になる。
こういう作りにできるのは、年中営業できる山だからだ。寒すぎない低い山で、東京から近くて大量のお客さんが冬もやってくる。なので、冬季営業はありません、ということがない。営業しないとなると、その間荒らされないように囲いをつけないといけないけれど、ここはそれがいらない。
ここも立派な品路添えだ。瓶ビールを扱っているのは、さすがこの界隈の標準仕様といったところ。しかし、ご丁寧にキリンアサヒサッポロ、と3銘柄揃えているのがすごい。さらに、缶ビールに至っては500mlも350mlも各種揃っている。縁日の屋台でさえ1種類の銘柄しか扱わないのが普通なのに、どうなっているんだここは。
そんな僕が選んだ1品は、「味噌田楽 200円」。
城山茶屋特製のおでんが500円で売られていたけれど、おでんという気分ではなかった。というか、もうあんまりお腹にものを入れたくない。そりゃそうだ、これまで歩き続けて、そしてこれからも歩くんだ。なんでこんなに胃袋に物が詰まっているんだ?おかしいだろう。
かといって、コーヒーとかラムネ、甘酒といった飲み物というのもちょっとねぇ、という気分ではある。登山の最中だから、喉は渇いて当然。だから、「乾いた喉を潤しました!ラッキー!」感がしてしまう。ちがうちがう、僕が今回の企画でやりたかったのは、「わざわざ山頂の茶店で食べ歩きをする」ことだ。給水ポイントとして利用したいわけじゃないんだ。「わざわざ感」が欲しいんだ。
その結果味噌田楽となったわけですが。
「味噌味醤油味は食傷気味」だというのに、ここにきて甘味噌。さすがの僕でも、若干しんどい顔になっている。そりゃそうだ、濃厚だもの。
14:57
食後気がついた。水団(すいとん)もあるようだ。300円、土日祝日のみ。おっと、今日は食べられるぞ。
店の人に「水団ください」と声をかけたら、「もう売り切れました」と言われてしまった。なんでこった。水団が味噌味なのか醤油味なのかわからないけど、これまでになかったアイテムでちょっとワクワクしたのに。
で、これを売っていたのが春美茶屋。なので、結果的に春美茶屋で食べ損なったけど、一応春美茶屋で食べる意志は見せた、ということで。
※今この文章を書いていて、写真を見て気がついた。このお店はカレーライスが売られているようだ。これまでの茶店で初めてだ!
(つづく)
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