食い倒れるのか遭難か【陣場山⇒高尾山縦走】

階段

15:19
もみじ台の階段。

まっすぐ、容赦なく登っていっている。

うーん、これは巻き道でいこう。僕は北側まき道を選択した。

上り坂

15:19
北側のまき道に入る。

僕同様、まき道を選ぶ人は結構いる。そりゃそうだ、あの階段を見てしまうと、除けたくなる。

右手側の丘の上に、階段を使った道が伸びている。

まき道は、特に景色が良いわけでもないけど、歩きやすい道だ。さすがに平坦というわけにはいかず、こちらも登り傾斜はある。

緑の森

15:29
ううーーーん。

しまったなあ、と自分の選択を先ほどから後悔している。

というのも、右手の丘の上、つまりもみじ台直登階段ルートの方から、キャッキャと歓声が上がっているのが聞こえるからだ。

日当たりの良い丘の上ではモミジが生息してよく色づいているようで、秋の写真を撮ることができて嬉しくて仕方がない人たちの嬌声がひっきりなしだ。

しかも若い女性の声ほどよく響くので、もう悔しさ倍増ですよ。一体あの丘の上で、若い女性が何をやっているんだ!?と。嫉妬の鬼ですよ。ウソだけど。

教訓。この縦走路を歩くときは、もみじ台だけは面倒がらずに直登せよ。

そんな悔しさをバネに歩いていたら、そろそろ分岐していたルートの合流地点が近づいてきた。

すると、目の前に車が駐車してあったのでびっくり。えっ、どうやってここまで車でやってきたの?ヘリコプターで宙づり?まさか。4WDで登山道を走り抜けてきたわけでもなさそうだ、だって軽自動車だもの。

高尾にやってきた

「ここから先は奥高尾です」という看板があった。

高尾山から下ってきた人が見るための看板だ。つまり、僕は今、奥高尾からやってきたことになる。

ここまでは車が入ることができるのだな。びっくりだ。もちろん、許可車両限定だけど。

でも何故こんなところに車が?と思って、その根拠を探すために地図を見てびびった。

あっ、この分岐を示す地図に、もみじ台の途中に「茶店」の文字が。マジで?

しまった、やらかした。よりによって茶店を一店舗素通りしてしまった。まさか、山頂でもないところに茶店があるとは想定していなかったし、事前情報では把握できていなかった。

うわあ・・・どうしようかなあ。

分岐を見やると、ここから茶店までは登り道だった。つまり、もみじ台というのは小仏城山からも、高尾山側からも、登らないとたどりつけない場所だ。もちろん、大した登りじゃないのだけど、もう面倒くさいったらありゃしない。

「昔茶店があったけど、今は営業していないんじゃないかな」

と、勝手に「閉店してしまった」と決めつけ、この茶店はなかったことにした。ええい黙れ黙れ、Uターンをする気力はもうないんだ。どうせ戻ったところで、なめこ汁だろ?もう味噌はうんざりなんだ。

帰宅後調べてみたら、本当に茶店はあった。「奥高尾 細田屋」というお店だそうだ。

そんなわけで、僕は今回の縦走ツアーで「小仏城山の春美茶屋」に気付かず、さらには「もみじ台の細田屋を素通り」してしまった。なので、全茶店制覇としてはコンプリートできなかったことになる。あー。

最後の登り

15:31
気を取り直して先に向かおう。

石段が目の前にある。そして、今度も両側に分岐。

もうここは高尾山重力圏

両側の分岐は、「5号路」と呼ばれる山頂直下を周回する遊歩道らしい。

山頂を目指すなら、真ん中の、ちょっと傾斜が急な石段を登らなければならない。いいか、今度こそうっかりまき道を選ぶなよ?目的を見失うぞ。

高尾山には、主要なものとして1号路~6号路、そして稲荷山ルートと呼ばれる合計7本の登山道がある。それだけ愛されている山だ、ということだ。ただし僕は、1号、6号、稲荷山の3ルートしか利用したことはない。

それ以外のルートは微妙な派生形の登山道で、山頂を目指すのが目的の人が使うルートではないからだ。

登る

15:34
山頂への石段。

最後の登りというだけあって、足に負担がかかる。それなりにしんどい。

モミジ

でも、真上を見上げるとこれだもの。すごいよな自然って。

そんなことを、東京都に居ながらにして感じさせてくれる、それが高尾山。

高尾山といえば観光客だらけで、もう人を見に来てるんだか自然を楽しみに来ているんだかわからない、という状況だ。しかし、こうやって一歩奥に入れば、心地よい自然が待っている。完全に見くびっていたぜ、侮っていたぜ高尾山。お前最高じゃねーか。

高尾山山頂

15:34
石段キッツいなあ、と思っていたら、わずか3分で山頂に着いてしまった。あれ?いや、楽なのはありがたいんですが、すごく拍子抜けなんスけど。もう少し「がんばれがんばれ、後もう少しでこの登山も終わりだ」と自分を励ますつもりだったのに。

長旅だった縦走は、ひとまずここがゴール。高尾山山頂、標高599メートル。そこは驚きを通り越して呆れさせられる、とんでもない数の観光客の巣窟だった。

カタルシス、という点ではほぼ皆無だ。登山というのは、俗からの離脱という側面もあるものだが、山頂に到着してみたら俗まみれなのだから。今日一日を通じて、最大の俗。俗、というか、もう下界と同じくらい。

そんな人たちが、山頂広場のスレスレまでやってきて奥高尾方面を眺めている。やーいお前ら、僕はここまで歩いてきたんだぞ、と思って観光客どもを見やったら、どうもこの人たちは奥高尾を見ているわけではない。もっと目線が遠い。

振り向くと、そこには・・・

富士山が顔を覗かせていた。夕暮れに染まりながら。

(つづく)

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