10:09
陣馬山山頂の景色。
うわー、これはすごいな、想像していたものとは全然違う。
想像もなにも、陣馬山山頂の写真ってあの白馬の像ばっかりで、「白い馬がある。以上おしまい。」という印象しかなかった。しかしみなさん、陣馬山は白馬だけじゃないんですよー、景色がすごいんですよー。
このあたりは「陣馬高原」とも呼ばれる場所だけど、なるほど納得だ。あまり高い山がないので、標高857メートルに過ぎないのにものすごく景色が良い。
この景色が、登山口から1時間、バス停からの時間もあわせて90分のトレイルで見られるというのは嬉しい。
来た甲斐があったというものだ!
10:10
山側とは逆を見やると、延々と広がる関東平野。見ろ、まるで北海道の原野みたいじゃないか。
それはさすがに言い過ぎだな。
最近の僕は、極力事前情報収集をしないで旅をしようと思っている。
なので、「陣馬山山頂には茶店がある」ということは知っていたけど、まさかそれが複数あるというのは知らなかった。まじか。これは想定外だった。
この陣馬山には、3軒の茶店があった。さすが陣馬山だ。えーと、自分で設定した今回のルールでは、「全部の茶店で何らかの飲食をする」ということになっている。ということは、まだ縦走すら始めていないこの段階で、3軒ハシゴすることになる。
こりゃあ、「食い倒れ」する可能性は十分にあるぞ。冗談めいて「食い倒れるのか?行き倒れるのか?」と自らを煽っていたけど、案外しゃれにならん。
もし僕が酒飲みだったら、この山頂でお酒を飲んじゃって、もうどうでもよくなって、そのまま下山したと思う。危ないところだった。
西の方向を見ると、雪をまとった嶺々が姿を見せている。おそらく南アルプスだろう。鳳凰三山かな?
もちろん、富士山だって見える。
豪快だよな、富士山のシルエット。
都心からでも、冬になると毎日富士山を眺めることができる。しかし、ビルの背景にそびえる富士よりも、こうやって山に取り囲まれつつ、悠然とそそり立つ富士の方が美しい。
・・・のだけど、このアングルも目の前に茶店があって、ちょっと視界が妨げられているのだけれど。
あの茶店、山の斜面からせり出しているぞ。よくぞ作ったな、あんな空中に。
10:17
白馬像がある山頂から一段下りたところにある、「信玄茶屋」にまずは訪れた。
道中の階段は、日陰の部分に霜柱ができていた。もうそんな季節。
信玄茶屋は、3枚前の写真に写っている茶店なのだけど、かなりデカい。まるで宿泊も可能であるかのようだ。
いや、この程度でデカいと思う人はあんまりいないかもしれないけど、この年、僕は焼岳小屋というとても小さな小屋に泊まったので感覚が麻痺しているんだと思う。
さすがにレストラン的なメニューはないものの、「えっ、山の上の茶店なのに!?」という品揃えにはなっている。
「KEYコーヒー」というのが400円である。UCCではなく、KEYですよ、と宣言しているのだけど、なんでだろうか。
このKEYコーヒー、驚くべきことにオーダーごとに一杯ずつドリップするのだという。インスタントコーヒーじゃないのか!
しかも、500円を払えば、1.5倍に濃いKEYコーヒーになるらしい。
10:19
食べ歩き企画、いよいよ始動。
気をつけなければならないのは、これから先の茶店毎に、オリジナリティあふれるメニューが用意されているわけではない、ということだ。当たり前だけど、山にある茶店ならではの定番メニューが基本だ。そば、うどん、おでん、田楽・・・。なので、食べる順番とか種類、そういうのに気を配っておかないと、立て続けに似たような料理を食べることになる。
この縦走路上の茶店は、きのこが入った味噌汁を売りにしているところが多いようだ。それはおいおい食べるとして、最初の一軒目できのこはちょっと待とう。
そんなわけで、けんちん汁500円を選んでみた。
番号札を貰い、しばらくベンチで待つ。
10:20
軒先には、温かい麦茶が用意されていた。信玄茶屋利用者限定。そりゃそうだ。
「陣馬山の湧水で淹れたお茶です」というわけではなく、下界から運んできた水を使っている。
このあたりの茶店は、人力で資材を運び上げているのだろうか?それとも、ヘリコプターだろうか?
お客さんがたくさんやってくる場所なので、ボッカさんが下界から運び上げるとなると、相当大変だけどどうしているのだろう。
10:21
けんちん汁500円到着。
味噌けんちんだった。根野菜がごろごろ入っていて、食べ応えがある。てっぺんにゆずの皮を刻んだものがのっていて、その心遣いが嬉しい。
初冬ということもあってあまり汗はかいていないけど、山での塩分補給は大事だ。水分と塩分、同時に摂取して大満足の一杯。
屋根付きのベンチ席で、けんちん汁の食事。
悲しいかな、カメラは手前のザックにフォーカスをあわせ、肝心のご主人様である僕をピンボケに処しやがった。
(つづく)
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