結婚決定で天にも昇る気持ち、じゃなくて富士山に登る【富士山登山(富士宮口)】

08:05
記念撮影。

自分たちの背後に何もない、ただひたすら空しか見えない場所というのは貴重だ。

とはいっても、まだここは山頂じゃない。なんだかもう、すっかり達成感を感じてしまっているけれど、これが富士山の怖いところだ。

僕自身、初めての富士登山のときは、ここで登るのをやめてしまった。そのときのリーダーから「山頂はあともうちょっと先だよ」と言われたけど、これ以上気力体力が続かなかったからだ。高山病で頭が痛かったし。

08:07
これまで登ってきた登山道を見下ろしたところ。急降下しているのがよくわかる。

酸素が薄くなってきている中、この急斜面をはあはあ言いながら登ってきたんだ。その苦行から開放されたら、そりゃあ「もういいや」という気持ちになるのは当然だ。

08:09
でも大丈夫、「まだあともう少し先がある」ということはふたりとも知っている。剣ヶ峰と呼ばれるこの山のてっぺんに登る闘志は十分だ。

とはいえ、ついついここで長居をしてしまう。

剣ヶ峰は写真撮影をするには狭いので、あれこれ記念写真を撮るならばここで済ませておいたほうがいい。

神社の前には、「頂上富士館」という山小屋がある。

半分シャッターが閉まっていて、休業中なのかと思わせる外観。でもこれがデフォルトの姿格好らしい。

調べてみたら、この宿、チェックインが16時、チェックアウトが朝4時半だった。チェックアウト4時半!日本最速の時間だと思う、これは。ご来光目当てが当然のお客さんばかりだろうから、この時間で問題ないのだろう。

08:29
頂上富士館の軒先を拝借してコーヒーを沸かす。

持参EPIのガスカートリッジはいわゆる「赤缶」。「EPIgas」というロゴが赤色のものだ。これはレギュラータイプのもので、標高が低い山や気温が比較的暖かい場所でで使う。本来、現在いるような標高3,700メートルだと、もっとパワーの強い金色ロゴの「パワープラス」や「エクスペディション」と呼ばれるものを使ったほうがいい。僕はケチなので、値段が高いその手のものは持っていないけど。

一応ガスに火はついた。でも、火力は若干物足りない。気温が低いうえに酸素が薄いからだ。

08:32
お湯が沸くのを待っている間に、あれだけ天気がよかったのに周囲にガスが立ち込め始めた。本当に山の天気は移り変わりが早い。特に富士山はそうだ。

朝ごはんパート2として、持参した非常食の缶詰パンを食べる。

08:35
標高が高いと、お湯は100℃で沸騰しない。そんなお湯でドリップしたコーヒーは、ぬるい出来となった。山頂でコーヒーを淹れる、というのは見た目の優雅さの割に味はちょっと微妙。

09:07
日本一標高が高いところにある自動販売機。ペットボトルの飲み物は500円だった。

はるか昔に富士登山をやったときも、山頂に飲み物は500円だったような気がする。下界でドリンクは値上がりしても、山頂ではお値段据え置きなのかもしれない。

コカ・コーラが売られているが、プシッと蓋を開けたらどうなるんだろう?気圧が低いので、一気に炭酸が溢れそうな気がするけど大丈夫だろうか?

09:11
ガスは一過性で晴れるというわけにはいかず、雨が降ってきはじめた。これ以上のんびりピクニックというわけにはいかなくなってきたので、慌てて山頂を目指す。

頂上富士館の裏手に、環境省が設置した公衆トイレがあった。日本最高峰の公衆トイレだ。

お賽銭箱のような箱が入り口に設置されていて、利用料金300円ですよ、と書かれていた。トイレ1回300円!と思うかもしれないが、これはもう仕方がない。手間暇がとてもかかる場所にあるのだから。

「せめて大きい方300円、小さい方100円と値段差をつけてほしい」なんてけちくさいことを言っちゃいけない。そんなの、どうやって申告するんだ?

それにしても300円というのは財布に入っているかどうか微妙な金額だ。小銭がないので払わないよ、という人がでかねない。いずれはQRコード決済対応トイレになるかもしれない。

(つづく)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください