
13:25
大砂走りを高速で下っていく。
前につんのめらないよう、注意が必要だ。
あと僕の場合、こういうところで無駄に写真撮影をしないほうがいい。砂ぼこりがカメラの表面や隙間にはさまって、傷や故障の原因になる。

13:27
大砂走りを下から上に向けて見上げたところ。
なんなのこの絶壁。
その砂の上に、僕が歩いた足跡が黒くついているのが見える。一歩足を踏み出すだけで、どれだけズルズルと足がすべっているかがよくわかる。

13:29
宝永山が見えてきた。
宝永山の右側が、宝永の大噴火でごっそり富士山の東山肌をふっとばした宝永火口になる。
僕らはその宝永火口を横切って、往路と同じ富士宮口五合目を目指すことになる。
ズサーズサーと大砂走りを疾走していたら分岐を素通りしてしまった!ということを恐れていたけど、とってもわかりやすい分岐だった。少なくとも天気が良い今なら。

13:34
宝永山と大砂走りとの分岐。標識が出ている。
ガスっていたらうっかり見失う可能性もあるので注意。

宝永火口の火口縁にやってきた。
火口がデカすぎて、いまいちピンとこないけどここが噴火した場所っす。
大砂走り分岐からここまで登り返しがあって、「せっかく標高を下げていたのにー」という気持ちがある。そしてこのあと、火口の底まで下って、そこからまた火口の縁まで登らなくてはいけない。結構たいへんだ。

13:37
火口縁はこれまで自分の体験では一度もないくらいの強風が吹き抜けていた。まともに歩けないレベル。

13:38
しばらく風の方に身体を向け、耐風姿勢もどきをしてみる。しかし、一向に風が収まらないので、諦めて一歩ずつ歩き始めた。立っているだけでも姿勢が崩れるレベルで、風が強い。
しかも風の中に細かい砂が混じる。うっかり目や口を大きく見開いていると、痛い思いをする。

13:42
宝永山に向かう。
砂の山。そして周囲は空しかない。距離感覚を見失いそうだ。
それにしても風が強すぎて、一歩前に足を進めるだけでも相当に体力が奪われる。

13:46
宝永山の山頂には、小さな標識が立っていた。
いや、立っているというか、乗っかっているというか。地面に突き刺しても倒れそうなので、分厚い板を敷いてその上に山頂標識を乗せているように見える。
「ように見える」というのは、実際に僕らはこの標識までたどり着かなかったからだ。あまりに風が強すぎて、これ以上前進するのがはばかられたので、遠方から記念写真だけ撮って退却した。
山頂から見下ろせば、麓の景色が広がっていたのかもしれない。でも、そういうのを見たいと思えるだけの余裕が全然なかった。これだけの強風は体験したことがない。

13:47
火口だ、火口に降りれば風を遮ってくれるぞ。
そう思いながら、強風の中宝永火山の火口に向けて歩いて行く。
富士山山頂方面の火口は山肌が絶壁になっていてすごい迫力だ。
圧巻なのだけど、写真で撮影すると今ひとつ迫力に欠けてしまうのが惜しい。
(つづく)
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