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そろそろお昼ご飯を決めておきたい。昼過ぎになると混雑するからだ。
山奥の観光地だけあって、観光客の出足はやや鈍いようだ。時間とともに増えてきている感じはするが、まだこの時点でも若干我々の方が早めに着いた印象がある。
怖いのが、こういう場所は観光バスがどばーっとやってくるということだ。人が少ないな、と油断していたら、あっという間に数十名単位で人が押し寄せる。油断大敵。
ねぎそばを写真入りで紹介している「大黒屋」は、10年近く前に訪れた時からこの看板を掲げていた。まだ食べたことはないけど。
こっちも蕎麦屋。
祝言そばを扱っているお店だった。
祝言そばというのは、南会津地方で食べられる、お祝いの時に振る舞われる蕎麦のことで、僕の認識だと鶏肉とごぼうが入っている温かい蕎麦だ。以前「日光そばまつり」で食べた記憶がある。
しかし、写真を見ると、どうもぶっかけそばの具として山菜と揚げ玉が載っているもののようだ。いろいろな「祝言そば」が存在するのだろう。
「大内宿といえば ねぎそば」
だって。
ねぎのサンプルがお椀の上に載せてある。そのネギにはご丁寧に根っこがついているけど、さすがに実際に食べる際はこの根っこは切り落とされているのでご安心を。
結局、いろいろなお店があってよくわからなくなってしまったので、「大黒屋」に入ることにした。カツからは、
「おかでんさんがこれまでの経験を踏まえて選べば大丈夫だと思います」
と言われ、責任重大。といっても、外観では全然わからないので、10年来気になっていたお店をチョイスしたに過ぎない。
ねぎ一本そば、1,080円。結構高い。
先ほどの祝言そばのお店は950円なので、概ねこの界隈でねぎそばを食べるとなると、1,000円前後なのだろう。
葱一本を手に、つるつる滑る蕎麦としばし格闘。やあ、楽しかった。
「家でもできるんだけどね、同じことは」
と思ったが、やっぱり旅先でやるから楽しいんだ。流しそうめんと一緒。「そうめんなら家で食べた方が安くて腹一杯食べられますよ」と言っちゃダメなわけで。
ちなみにねぎそば用のねぎは、まっすぐピンとしたものではない。わざわざ「蕎麦を手繰りやすいように」曲がったものを生産している。なので、ご近所のスーパーでネギを買って自宅で再現しようとしても、ますます食べにくいと思う。
食後、ふたたび大内宿を見て回る。
軒先に並べられたお土産を見るが、売られているものは非常に素朴な民芸品主体だ。地味で、正直言って欲しいものは見当たらなかった。
かといって、ハローキティとタイアップしたキーホルダーとかそういうのはいらん。大内宿が大内宿らしくあるためにも、この地味さは今後も続けていってくれると嬉しい。
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