14:52
貸し切り風呂を楽しんだあと、鍵を返却するために引き上げる。
貸し切り風呂の隣に、「紅葉の湯」という風呂に通じる道があるのだけど、階段を下っていった先にあるようだ。ここはエレベーターも何もないので、高齢者の方は頑張っていただくしかない。
どうしても温泉というのは、その性質上「地面が削られた川沿い」に湧いていることが多い。いきなり崖の上からお湯が噴き出ている、なんていうことはまずない。そのため、崖の上にあるこの宿は、浴室が全て「極力川沿いに近い場所、近い高さ」のところに作られている。
紅葉の湯に通じる道のところに、「散策道/市街地」という看板も出ていた。もしここから宿を出ることができれば、スープ入り焼きそばの「こばや食堂」脇に出るのだろう。でも、たぶん塞がっていると思う。勝手に出入りされたら、通りすがりの人がお風呂使い放題になってしまう。
フロントに引き上げていく最中、夕食・朝食会場となる部屋の入口の横を通り過ぎた。
まだ15時前だと、真っ暗だ。この扉の奥が、バイキングの戦場となるはずだ。さあて、今晩は何が出てくるのだろう?なにせ、宿泊料金が驚愕の価格だ。おにぎりとみそ汁、それにお漬物程度だとしても文句は言えないレベルなんだけど、さすがにそれはないだろう。じゃあ一体どこまでのものが出るのか?ワクワクが止まらない。
非常に事務的な扉が廊下の突き当たりにあるのだけど、「弁天」という看板が出ていた。何だろう?近づいてみる。
ほう、クラブ弁天?
「営業中」と描いてあるけど、その下に営業時間は「19:00-22:00」という張り紙が貼ってある。どっちやねん。まあ、19時オープンというのが正解なんだろう。
テーブルチャージ500円で、カラオケ一曲200円。テーブルチャージが取られるとはいえ、烏龍茶かオレンジジュースが1杯ついてくるので非常に良心的だ。
お酒を飲むならともかく、僕みたいに飲まない人ならばトマトジュースなどが350円なので「喫茶店と思えば」安い。宿泊料金が安いから、こういうところでガッチリと儲けるのかと思ったが、何もかもが良心的な価格だ。
もっとも、飲まない人がクラブに行く理由なんてないのだけれど。
お酒は飲まないけど歌は歌いたいよ、とか、赤の他人の熱唱を聞きたいとは思わない、という人向けに、カラオケボックスもあった。さすが大型旅館だ。
カラオケボックスの名前が「布袋」というのが渋すぎる。ターゲットとしている年齢層がすごく高いというのがよくわかる。
その「布袋」をガラス越しに覗き込んでみたところ。
クラブから流用したと思われる紫のソファが並ぶ。元々カラオケボックス用の部屋ではなかったのだろう、がらんとした作りで、むしろ斬新だ。なんならここで踊り狂ってもいいくらいのスペースがある。
格子戸の先にあるのは、麻雀ルームだそうだ。
元々は何があったのだろう。法事の後に親族が会食をするなどに利用する、ちょっとしたお座敷だったのかもしれない。
あ。ゲームコーナーにワニワニパニックがあった。
ダンスホールがあるのにはびっくりだ。「LAVIE EN ROSE」という名前らしい。
社交ダンス用のきらびやかな衣装が飾られている。
ハハハ、まさか本当にダンスをする人なんて・・・と思ったら、踊りまくって上気した顔のマダムや紳士が頻繁に部屋を出入りしている。驚いた、ダンスをやっている人が大勢いるぞ。
どうも、おおるりグループはあちこちの宿でダンスホールを持っていて、無料で朝から晩まで楽しめるようにしているらしい。なのでおそらく、社交ダンス好きの間では知られているのだろう。踊りまくって、汗をかいたら温泉。そして宿メシ。疲れたらそのまま部屋で爆睡。そりゃ楽しいだろうな。
フロント脇のロビーはかなり広い。送迎バスの到着待ちのための待機所として機能しているためだが、その奥にはビリヤード台も置いてあった。
フロントにお願いすれば、ビリヤードの球とかキューは無料で貸してくれるそうだ。そりゃあいい、ぜひやらせてもらおう。
というわけで、浴衣姿でビリヤードを楽しむ。
浴衣で卓球、というのは経験があるけれど、浴衣でビリヤードというのは人生初だ。楽しかった。
ビリヤードなんて滅多にやらないので、こういう機会だからこそできる。とてもいい。
16:03
ビリヤードをやった後、もう一カ所の風呂に入る。なにせ、14時過ぎに貸し切り風呂に入っちゃって、今や浴衣姿だ。これからどこかに外出する気も起きない。館内でダラダラと過ごす。贅沢な時間の過ごし方だ。
ビールの自販機、発見。
350mlのスーパードライが300円だった。「1ml=1円の法則」はここでは適用されておらず、少し安い。
そして、この自販機のみごとなことよ。ずらりと安酒が並ぶ。
酒のつまみがずらりと並ぶ自販機もある。
ピスタチオや柿ピーのほかに、メロンパンやクリームパンも売っている。
マルちゃんのカップ麺自販機、すっごく久し振りに見た。190円~200円。
夕食がバイキングなのに、まだ小腹が空くのか!?と思うが、お酒を飲んだら最後深夜にシメたくなるのかもしれない。コストを切り詰めた宿のはずなので、商売にならないものをわざわざ置くとは思えない。そんな余裕など殆どないことは、一泊のお値段を見ればよくわかる。
ロビー脇に、本棚があって漫画本がずらりと並ぶ。
1巻から揃っているわけではなかったりするので、読みたくても読めない漫画もある。
ひとまず、久し振りに「頭文字D」を読んでみた。塩原界隈は、漫画の中で登場する「東堂塾」が拠点としていた峠がいくつもある。
(つづく)
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