おおるり直営のドライブインの中をのぞいてみよう。「田子作」という名前だ。
湯けむり号から下車したお客さんは、そのままここに吸い込まれていく。僕らみたいに、「ちょっと足湯浸かりに行ってくるわ-」という客は若干のひねくれ者だ。
確か出発時間は12:45だったと思う。つまり、このドライブインでの休憩時間は一時間。十分過ぎるほど時間に余裕がある。
ドライブインの中は、いかにもな食堂になっている。
これから数時間かけて首都圏に戻る。腹ごしらえをするならここでどうぞ。もっとも、ぼくらはさっき観劇を抜け出してパンを買っておいたので、それを食べるけれど。
田子作の食事メニュー。
そばとうどんが中心のメニューで、カレー、丼3種という構成。あとは、お酒もあるぞー。「旅行お疲れ様でした」という打ち上げ気分を味わいたいなら、一杯飲むのも悪くない選択肢だ。ただし、バス移動なので、トイレが近くなったら困るけど。
バスのドライバーさん用の席もある。こういうのをつい写真撮影してしまうんだよな。
12:27
気がついたら、ずらりと「湯けむり号」のバスが駐車場に並んでいた。大小さまざまだ。
客足に応じて、細かく使い分けているということがわかる。こういうのも、蓄積されたノウハウなのだろう。こりゃあ、配車担当者は大変だ。
これから都心に向かいますバスと、これから那須高雄温泉に向かうバスとが並んでいるのだろう。そして、都心に向かいますバスは、方面別になっているはずだ。
バスの出発時間前にドライブインに戻ってきてしまったので、間が持たない。めろん亭のパンをもう食べちゃうことにした。
これ、コッペパンみたいに見えるだろ?
カレーパンでしたー
これはメロンパンに見えるだろ?
・・・いや、さすがにこれがカレーパンだったらびっくりだわ。それはさすがにない。
チーズが入っているパンって、つい買っちゃうんだよな。キラーコンテンツだよな。ソーセージが入っているやつやベーコンが入っているやつも大好きだけど、チーズ最強。少なくとも僕にとっては。
つい、パン屋に行ったら、チーズ入りの惣菜パンを全種類買ってしまったりする。
12:42
帰りのバスに乗り込む。
松戸で下車する人は、松戸・西船橋行きのバスに乗る。どうやら、佐野SAでの乗り継ぎはないようだ。直行便となる。
相変わらず、観光バスのように行き先表示をフロントガラスのところに掲示していない。車両番号を暗記して、ドア脇に貼りだしてある紙の座席表を確認して、着席することになる。
ありがとう塩原温泉、ありがとうおおるり。
段取りがわからず、過去最も困惑した旅行だったけど、塩原温泉を十分に楽しめたし、未体験な大衆演芸を楽しめたし、ビリヤードも卓球も、さらには貸し切り露天まで楽しめた。しかも温泉は源泉掛け流し。最高じゃないか。
宿メシにクオリティと旅情を求めたい人には向かない宿だ。すがすがしいまでに冷凍食品や既製品を使っている。でも僕はむしろその潔さにワクワクしたし、こういうコストカットもありだよな、と思っている。中途半端に見栄え良くして、大してうまくもないのにコストだけ掛かっている料理、というのはよくない。
はっきり言おう、大満足である、と。
ただし、宿によってサービス内容も段取りもバラバラだろうし、土曜日泊のガチ週末だと客層含めて雰囲気が変わるのだろう。なので、次別のところに別の時期に泊まりにいって、同じようなホスピタリティが得られるかどうかは不明だ。
ただ、おおるりがやっていることの勝手はわかったので、二度目の利用のほうが、状況を把握できずにソワソワしなくて済むと思う。
14:29
羽生PAでトイレ休憩。バスの乗り換えはなし。
ここは「鬼平犯科帳」を意識して作られたPAで、江戸時代っぽい建物になっている。
大江戸温泉物語グループではない、おおるりグループなのにここを使うのか!と思ったが、それは単に考えすぎ。
ここでもずらりと並ぶこまどり交通の「湯けむり号」。大物流作戦だ。
ちなみに往路も復路も、ドライバーさんがマイクで喋る際、客に向かってため口をきいていたのにはびびった。そういうのがオッケーな文化の会社なのだろう。
外環道の三郷南から松戸への道はスゲー渋滞するんだった。ゴール直前で結構時間が取られたけど、15:33到着。
往復がバスというのは非常に楽だ。自由がきかないけれど、そういうものだと割り切れば早く帰着できる。15時半だなんて、個人旅行ならばまだ現地あたりをウロウロしていてもおかしくない時間だ。でももう、今は松戸。翌日に疲れを残さなくて済む、健康的な時間だと思う。
お陰で、松戸駅前の伊勢丹(現在は閉店してしまった)に立ち寄って、この旅はおしまい。
すごい体験をした。
毎回こういう激安旅はちょっと、と思うが、時々こういう旅はむしろ刺激的でワクワクする。宿なんて、贅沢しはじめるときりがない。
「1泊1.5万円以上じゃないと良い宿には出会えない」とかいう人とかいるけれど、僕はその価格帯は無理だ。チェックイン15時チェックアウト10時、そのうち寝ている時間が6,7時間あるという限られた時間に、そんな大金は払いたいと思えない。だからこそ、安い宿こそ楽しみたい。今回は、そのチャレンジとしてとても面白い体験だったと思う。
(この項おわり)
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