
19:00
怒濤のディナーバイキングを終え、一旦部屋に戻る。
いやー、すごいのを見た。これまで数多く温泉旅館に泊まってきたけど、ここまで印象的な夕食は初めてだ。今後語り継げる、そんな食事だったと思う。
皮肉を込めて言っているんじゃないぞ?大真面目に、「こりゃあすごい」と思っている。コスト削減をどのように実現させるか、という考えが徹底していて、既製品を使いまくっていることを隠していないのが潔い。しかし、少しでも見栄えをよくしようと、彩りの野菜を加えたりしているという工夫が涙ぐましい。
とにかく、創意工夫というのはこういうことを言うんだああああ!という感があって、いい。
「安い宿泊代なんだから文句を言うなこの野郎」とばかりに、もっと食事の種類を減らすことだってできたはずだ。なんなら、芋煮とか豚汁を大鍋に入れておいて、それをおかずにご飯を食え、あとはひじきやきんぴらの小鉢料理、漬けもの程度でよろしく、ということだってできたはずだ。
それがあの品数だ。素晴らしいとしかいいようがない。アルコールが飲み放題だし。これは何か?善意の炊き出しか何かか?
そんな感想を連れと語らいながら引き上げていたら、「ナイトダンスのご案内」という張り紙が目に付いた。
19時から22時、湯けむり会館で踊ることができるそうだ。もちろん、DJがいてガンガン重低音が響いているような場所ではないだろう。社交ダンスだと思われる。お年寄りすげーな、夕食後も踊りまくるのか。昼間でも、このホテル内で踊ることができるのに。
その湯けむり会館は明日朝、大衆演芸を見る場所だ。夜はダンスホール、昼間はお芝居というのだから多機能だな。で、この湯けむり会館のナイトダンスに向かうための送迎バスが無料で出ているというのだから、呆れるしかない。サービスしすぎだろう、おおるりグループは。
しかも、週末は生バンドによる演奏もあるのだというから、善意のチキンレースをやっているようなものだ。

19:04
部屋から見下ろした塩原温泉街の夜景。特に撮影するほどのことはなかったか。

20:59
そうだ、気になっていた「卓球場」に行ってみないと。
大浴場の奥に、「卓球場入口」という張り紙があるドアがあるんだった。ここを探検して、あわよくば卓球をしないと今晩寝るわけにはいかない。

扉を開けてみてびっくりしたのが、屋外に出てしまったということだ。なんだなんだ。
そして、軒先に明かりが灯っている建物がある。えーと、これが卓球場・・・か?
入口が二つあるんだけど、2部屋ある、ということだろうか。

中に入ってみる。真っ暗だったので、手探りで明かりをつける。
ちょっとぎょっとする。小上がりがあって、まるで玄関のようだからだ。卓球場というから、てっきり体育館のような場所だと思っていたのだけど。

しかも、玄関のすぐ先に扉があって、その奥が卓球場らしい。
なんだろう、この作りはまるで銭湯のようだ。
そういえば、さっき、入口は二つあったな。しかも、のれんをぶら下げられる作りになっていた。ひょっとすると、ここは元々風呂場だった?

中に入ると、本当に卓球台がおいてあった。
ああ、看板に偽りなし、ここは卓球場だわ。
思ったより卓球台というのは大きなものなのだな。これ一台を据えるためだけに、かなり広いスペースを確保しないといけない。

卓球場全景。
二つあった建物入り口は、そのまま両方ともこの卓球場に繋がっていた。
床も壁も板張りだ。元々がどうなっていたのか、知るよしもない。ただ、この入口の作りからして、やっぱり風呂があったっぽい。
大浴場の隣にあるので、ひょっとしたらここが貸し切り風呂だったのだろうか?それとも、宿がまだ小規模だった頃は、ここが大浴場だったのか?
いずれにせよ、不思議なところでの卓球は楽しかった。今日は温泉ビリヤードをやって温泉卓球。満喫してるな、我ながら。しかも貸し切り風呂にも入って、夕食はお腹いっぱいのバイキングだ。
一言でいえば、最高!ということだよ、この宿は。
ただし、明日の予定とか、詳細スケジュールがよくわからないというのが不安感を憶える。二度三度と通って、この宿の流儀というのを憶えれば、心ゆくまで快適に楽しめるのだろう、きっと。
(つづく)
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