テンション上がるゥ!激安温泉宿に溺れてみる【塩原温泉ホテルおおるり】

ホテルおおるりを眼下から見上げる

13:08
スープ入り焼きそばのこばや食堂を後にする。

見上げると、すぐそこには本日のお宿・ホテルおおるりがデーンと構えている。まるで城砦だ。改めて、デカい。

建物が二つに分かれているのが、はっきりとわかる。高度経済成長期のたまものなのか、えいやっ!と増床したのだろう。えらく思い切ったものだ。ちびちびと建て増ししていったわけじゃない。昔はそれだけ、「部屋数を増やしたら増やした分だけ、お客さんがやってくる」時代だったのだろう。

それに比べて今はどうだ?僕の職場とその周囲を見渡す限り、「社員旅行」をやっている組織・部署は皆無だ。どこかに旅行に行くことがあっても、せいぜい気の合う仲間数名で、10名以上がぞろぞろ動く旅行なんて滅多になくなった。そりゃあ・・・こういう規模の大きな宿は、辛いわけだ。

で、今後団体旅行が復権する時代がくることはまずないだろうから、もう、格安宿に鞍替えするなりなんなり、手を打っていくしかないな。外国からのインバウンドツアー客が団体旅行客として期待できるかもしれないけど、かなり水ものなのであまり期待はしないほうが良さそうだ。円高になったり、政情不安になったらすぐに客足が遠のく。

読めない・・・

うおっ。なんだこれは。思わず目を疑ってしまった。疑った、というか「これは冗談なのか?」と真意をはかりかねた。そんな名前の旅館が、これ。

「復興御宿 富双江葉大馬」

すまん、どう読むのかわからん。それはこの文章を書いている今でも、わかっていない。キラキラネームの世界が、温泉旅館にまで普及きたとは。

そもそも、「復興御宿」という概念が意味不明だ。「復興」といえば、2011年の東日本大震災からの復興をイメージさせるが、どちらかというと沿岸部・・・福島県、宮城県、岩手県あたりのイメージが強い。ええと、栃木?塩原?この辺りも、放射能被害で山菜とかジビエの出荷に支障が出たとは聞いているけれど。

それとも、ここもおおるりグループ同様、経営が傾いた宿を買い取って再興しているのかもしれない。そういう意味での「復興」?いや、だとしても敢えて宿名として名乗らなくても。謎だ。

相変わらず読めない宿の名前

宿名そのものは難しい漢字を何一つ使っていないものの、読み方がこれっぽっちもわからない。夜露死苦、みたいな感じなのだろうか。

あと、もっとわからないのが「塩原 秘極の湯葵」というサブタイトルだ。「秘極」という日本語を初めて知ったし、「湯葵」というのがますますわからん。とにかく、この看板一つで謎が多すぎて、びびる。こんなスゲー名前の宿は人生初めて見た。完全に脱帽だ。

橋

13:23
「塩原もの語り館」の脇に、箒橋を渡るつり橋がある。「紅の橋」という名前が付いているのだけど、えーと、別に赤くないような。いや、色あせた赤色・・・なのか?

箒川の対岸には、釣り堀と、誰でも利用できる露天風呂がある。

露天風呂の名前は「もみじの湯」と言い、混浴風呂だ。

塩原温泉には何カ所か、無料もしくは寸志で入浴できる、混浴露天風呂が点在している。いや、「していた」というのが正しいのか?その時々の状況によって、混浴露天風呂の存続は変わるので、最新状況は地元の観光協会とか、温泉好きのブロガーの記事を参照してほしい。

昔は、24時間いつでも混浴で入浴ができたものだ。しかし、その結果風呂場でカップルがけしからんことをおっぱじめたり、盗撮があったり盗難が起きたり。治安上良くない、ということで一般公開の範囲が狭くなっている。たぶん、今だと24時間いつでもどうぞ、という混浴露天はなくなったんじゃないか?夜間は入浴禁止になっていると思う。たぶん。

あと、一般公開をやめてしまった露天風呂もある。残念なことだけど、まあそうなっちゃうよな、という気はする。そもそも、「混浴」で「外来の方はご自由にどうぞ」という野立ての露天風呂、という時点でこのご時世、難しいと思う。

実際問題、「ワニ」と呼ばれるおっさんたちがたむろしている時期があったようだ。「ワニ」というのは業界用語、というか隠語だけど、若い女性が混浴露天風呂にやってくるのを今か今かと待ちわびて、ずっと湯船に長居しているオッサンのことを指す。水面から目だけを出して、じっと水辺の獲物を狙っているワニと似ていることから、こう呼ばれている。

混浴露天風呂に女性がやってきて、色めき立つオッサンどもの切なさ、というのは以前記事にしたことがある。

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本当なら、混浴文化をよりカジュアルかつエレガントに普及させるためにも、男たちは女性に配慮するべきなんだけど、そうはなっていない。

対岸に露天風呂

で、これが「紅の橋」を渡った先にある、「もみじの湯」。

ガッチリ壁で囲われているので、折角の川沿いというロケーションが無駄になっている。しかし、こうでもしないと対岸から丸見えだ。

露天風呂

試しに川を渡って近づいて見る。

囲いの隙間から、男性が何人か入浴している気配がわかったので、これ以上中はのぞかなかった。

いくら開放的な場所とはいえ、入浴する気がない観光客が中を覗き込むのはマナー違反だ。たとえ入浴しているのがオッサンだったとしても。

それにしても、脱衣場としての掘っ立て小屋と、湯船と、ついたて状の壁。これは女性が入浴するのは難儀だ。夜で暗くなればいいじゃない、と思うかも知れないが、夜は夜で治安が気になるからますますハードモードだ。

塩原の歴史

塩原の歴史、と書かれた解説看板があった。

平安時代に発見された、と書いてある。こういうのって、どこまで本当なんだろう?「そういう伝記があります」というレベルのものなのか、それとも本当なのか。神社の創建された年もそうだけど、「マジすか?」というくらい景気よく古い話がバンバン出てくるのが温泉だ。

行基が見つけたとか、いやこっちは弘法大師が、とか、そういうのが全国にたくさん。

川沿いの宿

紅の橋からみた、川沿いの旅館。

ほぼ全ての部屋にカーテンが閉められている。あれは廃墟・・・だろうか?

いかん、いかんぞ。気をつけろ。うっかり現役の旅館を「廃墟」呼ばわりしたら、宿に迷惑がかかる。確たる証拠がないのに、断定はしないように言葉を選ぼう。

ガラスが割れている部屋は・・・ない。割れたガラスを隠すために、ベニヤ板が打ち付けられている窓も・・・ない。うん、これはセーフ。

何がセーフなんだかわからないけど。

塩原温泉街

同じく、紅の橋から見た光景。箒川の下流方面。

正面奥に、塩原一のデカさだと思われる温泉旅館が見える。「ホテルニュー塩原」と書かれている。

この旅館、昔は関東エリアで頻繁にTVCMを打っていたものだ。CM最後に、節回しをつけて宿名を歌うので、それが非常に印象が残っている。

西日本エリアで、「琵琶湖温泉 ホテル紅葉」のTVCMをよく憶えている人が多い筈だが、それと一緒。ただし、ホテル紅葉は2013年に閉館してしまった。

その点ホテルニュー塩原は頑張っているじゃないか!・・・と思ったが、あれれ、調べてみたら「大江戸温泉物語」グループの傘下に入ってしまったのか。要するに、経営不振に陥ってしまった、というわけだ。そりゃそうだよな、このデカい宿を維持するのは大変だ。

とて焼きの店

13:18
塩原もの語り館で、とて焼きが売られていた。ソフトクリーム屋台のところ。

これもまたとて焼き

ここのとて焼きは、にんじんとソフトクリームを混ぜた「ベジソフトとて」なんだそうだ。

とて焼きは、クレープと似た食べ物。なので、スイーツ系もあればおかず系もある。塩原の温泉街という狭い範囲内でいろいろお店があってそれぞれ個性があるので、食べ歩きをするのにちょうど良いコンテンツだ。

(つづく)

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