テンション上がるゥ!激安温泉宿に溺れてみる【塩原温泉ホテルおおるり】

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湯けむり号

08:25
コンビニコーヒーを買っている間に、青いバスがやってきた。これが「湯けむり号」。

慌てて、バス乗り場に走る。なにしろ格安な乗り物だ、点呼をとった時点でそこにいなければ、情け容赦なしで切り捨てられそうだ(勝手な偏見。実際どうなのかは知らない)。

「どうぞご自由にお座りください」とはなっておらず、完全座席指定になっていた。スタッフの方から、席を指示される。バラバラに座られたら、グループ同士で座れなくなったりする。なので、この辺はキッチリ管理されている。

こういう座席指定って、地味に面倒なことだ。デフラグをやっているようなものだからだ。

・・・ああ、もう「デフラグ」という言葉も、遠からず死語になるんだろうな。

08:33
今日は平日の金曜日。客席が完全に埋まっているというわけではないけど、それなりに混んでいた。年齢層は圧倒的に高い。旦那がお仕事リタイア後の夫婦、という風情の方が多い印象。これが週末になると、子連れの家族などが増えるのかもしれない。なにせ、子供がいる家族こそ、安いは正義だ。

さすがマダムたちは慣れたもので、席に座るやいなやガサガサと音を立て、家から持ってきた果物やらお菓子を広げて食べはじめていた。

SA

09:46
出発して1時間15分ほど。東北道の佐野SAにバスは立ち寄った。

トイレ休憩かなと思わせておいて、ここでバスの乗り換えがあるのだという。これには驚いた。乗り換え!そんなものがあるのか。

鉄道ならともかく、モータリゼーションというのはドアtoドアで人や荷物を運ぶものだと思っていた。そうじゃないんだな。宅配便や郵便の集配みたいなものか。

バス乗り換え

佐野SAの駐車場は壮観だった。水色と白がトレードマークの「こまどり交通」の湯けむり号がずらりと並んでいたからだ。なんだなんだ、これからデモ行進でもするのか、という様相。こんなの、見たことないぞ?

そして僕ら乗客一人一人に、乗務員さんから「●番のバスに乗ってくれ」と指示がある。それに乗り換えることになる。バス駐車場界隈では人が右往左往。なにせ、観光バスのように、フロントガラス右上部に「●●ツアーご一行様」といった表示があるわけではない。目印になるのは、車体に描かれている無機質な3桁の番号だけ。

どうやら、ここで「都心各方面から集まってきた客を、関東北部方面の各方面に向けて振り分ける」ということをやっているらしい。

つまり、

横浜駅、千葉駅、池袋駅、新越谷駅・さいたま新都心駅、西船橋駅・松戸駅

の5方面からやってきた客を、ここで

鬼怒川温泉、湯西川温泉、中禅寺温泉、奥日光湯元温泉、塩原温泉、那須高雄温泉

の6カ所に割り振りするというわけだ。いやー、面倒くせー。こまどり交通、かなり大変な作業をやっていることになる。一大物流作戦だ、これは。頭が下がる。

各地から各温泉地への直行便を運行しないのは、それをやるとコストがかかるからだ。運転手の確保、バスの保有という大きな費用負担を簡素化できれば、かなりのコストカットができる。少々手間暇かけて、パズルのような客の割り振りを決めたほうがまだ安くつく、という考えなのだろう。

しかも、バスには大きいやつとマイクロバス程度のサイズのやつがある。その日の客数に応じて、どこにどのサイズのバスを当てはめるのか、というのも決めているのだろう。ご苦労様です、そのお陰で、往復540円という格安の送迎が実現・・・

いや、いくらそんなコストカットをやったからといって、往復540円じゃ完全に赤字だ。それもこれも、「こまどり交通」がおおるりグループの一員だからできることだ。バス運行を外注していたら、とてもじゃないがこの値段では無理だ。

途中立ち寄り

11:24
乗客のメンツががらりと変わったバスで、塩原温泉に向かう。

まず最初に、我々が泊まる宿とは別のところに立ち寄った。玄関には、「花鳥風月」「一期一会」と書かれた大きなちょうちんがぶら下がっている。

塩原温泉ホテル、という宿だった。

ニュー八汐

塩原温泉ホテルの次に、「ホテルニュー八汐」という宿に立ち寄った。ここも、おおるりグループ。

おおるりグループの宿は、「おおるり」を名乗る宿も多い一方で、買収した宿の元の名前をそのまま使うことも多いようだ。旅館一覧を見ると、おおるりとはわからないネーミングの宿がいくつもある。

建物

11:30
宿のロビーには、所在なげに立ち尽くすお客さんの姿が見えた。

帰りの送迎バスまでひたすら待っているのか、それとも別のバスで早めに到着してしまい、やることがないのか。

「バスの都合」というのと、「宿の都合」というのは全くリンクしていない。同じグループ会社であっても、そこは知ったこっちゃないらしい。なので、チェックイン時間よりも遙か前に宿に到着するし、チェックイン時間からはるか後に宿を出発することになる。数少ないバスを効率的に運行させるためには、仕方がないことだ。

なお、おおるりの定番として、チェックアウトしてから帰りのバスが出発するまでの間、大衆演劇を観ることができるらしい。しかも無料で。お芝居を観て、バスまでの時間をお過ごしください、というわけだ。信じられない。

バス乗り場

ホテルニュー八汐の駐車場傍らには、お湯が湧き出ていた。余った温泉をここに捨てているのだろうか。贅沢な話だ。

湯けむり号

我々のバスの他にも、湯けむり号が停まっていた。どこからやってきたバスなのだろう。

塩原の光景

ホテルニュー八汐の駐車場から、これから我々が宿泊する「ホテルおおるり」が見えた。ゴールまであともう少し。

ホテルおおるり

11:37
そんなわけで、ホテルおおるり到着。

でかい。

ここはそのものずばり、「おおるり」を名乗っている宿だ。だから、元々おおるりグループがやっていた宿なのかもしれない。うっかり、「こんなに巨大な宿だから、時代の流れに合わなくなって経営不振になったんだよ」なんてことを口走ってはいけない。買収された宿ではないのかもしれない。

それにしても、デカい。

これだけの客室を埋めて、運営していこうとすると大変だ。そりゃあ、湯けむり号を運行してお客さんを集めてこなくちゃ。

(つづく)

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