16:14
旧天城トンネルから旧下田街道を歩いていく。
「まさかこんな仕打ちを最後の最後で受けるなんて・・・」とため息がでる。まあ、どうせバスには間に合わなかったんだし、格好の時間つぶしだ。これくらいの遠回りでつべこべ言ってはいかん。むしろ「あざーっす!!」くらい威勢よく言わなくちゃ。
とはいえ、さすが旧道。道は右へ左へとうねる。バキューンとまっすぐ伸びている新道とは違い、地図の見た目以上に大回りさせられる。
砂利道とはいえ、車道に出たのだからこの山行は成功といえるだろう。こんなところで気が抜けて、足をくじくなんて絶対するなよ?末代までの恥だぞ?
しばらく歩いていると、「山火事用心」という警告がでている場所とであった。ハイキング用の地図看板も出ている。
ここが「水生地」。水生地歩道、というのが八丁池からしばらくいったところから分岐したけど、ここに出てくることになる。ここは駐車スペースがあるので、車でやってきた人はここを始発・終着点にするのがよさそうだ。
16:14
川が流れています。
16:19
レリーフがある。なんだろう?
近づいてみると、誰か男性が微妙な顔つきで描かれている。隠れキリシタン弾圧用の踏み絵ではなさそうだ。
あ、この顔は見たことがあるぞ。ああ、川端康成大先生だ。「伊豆の踊り子」を執筆された方なので、ここに記念碑が立てられたらしい。
今となっては、ほとんど往来がない旧道。静かに、伊豆の景色を見下ろしている。
16:19
車道の脇に、石垣がある。
そのままだと見過ごしていたと思うが、なにか看板があるので目に留まった。
「わさび田へ立ち入る事を禁じる」
ああ、これってわさび田なんだ。
むしろ看板ががあるせいで、盗掘されやすくなっている気がするのだけど大丈夫か?
それにしても、こういう看板を立てなくちゃいけないくらい、わさびって貴重で高価なんだな。たとえばキャベツ畑で「キャベツを盗るな」なんて看板は出さない。
おそらく、泥がついた靴でわさび田近辺をうろつかないでくれ、水が汚れる、ということなのだろう。わさびが繊細だからだろう。
16:24
新道と旧道が合流するところが見えてきた。
良い時間つぶしをさせてくれてあざーっす、とは思いつつも、正直しんどい。17キロ山道を歩いたあとだから。
16:27
水生地下バス停まであと100m、と書いてある。
水生地下バス停は、僕が当初目指していた天城峠バス停から1駅修善寺寄りのバス停になる。
へえ、この道は「踊子歩道」という名前がついているのだな。
山歩きは無理だけど里歩きは好き、という人はどうぞ。
というわけで、今来た道を振り返ったところ。踊子歩道。
こうやって今来た道の写真を撮るあたり、「もう終わりだぁぁぁ」感が強い。
16:29
水生地下バス停には、既に数名がバスを待っていた。その列に混ざるのが嫌だったのと、当初目指していたゴール地点に到着したいので、バス停をスルー。トンネル方面に新道を逆戻りして、天城峠バス停を目指した。
なに、さほど距離はない。
旧道だとウネウネして距離が長かったけど、新道ならあっという間にトンネルだ。歩いてわずか数分。
16:31
というわけで、晴れて天城峠バス停。もちろん、誰もいない。
登山道が閉鎖されてしまっている以上、このバス停を使う人なんているわけがない。
天城峠界隈の地図。
「旧天城トンネル北口園地」が下山口。「氷室跡地」と描いてあるところが水生地。ぐうーっと迂回して、新道と合流して水生地下バス停。
ピンが刺してあるのは、天城トンネルの出口にある「天城峠バス停」。僕が今いるところだ。これを見てもわかるとおり、ずいぶん大回りさせられたもんだ。あざーっす。
コメント