天城ィィィごォォォォ(以下自粛)【天城山縦走】

縦走路

11:13
登山途中において、チョコレートを食べるとシャキーン!とするものだ。運動によって下がった血糖値を急激に回復させる効果があるからだ。時と場合によるけれど、本当に「うわ、これまでの自分はなんだったんだ?」と驚くくらいに体力が回復することもある。

・・・なのだけど、今回は全然回復した気がしない。そこまで血糖値が下がっていなかったらしい。もちろん、これまでの登山過程を馬鹿にする気はないけれど、ヘトヘトになるほどの疲労感はなかった。

そもそも、繊維質が多くて消化が悪い、蕎麦を3時間前に食べたばかりだ。肝臓が、膵臓が、「お?栄養が来たぞ!」と喜んでいるうちに山頂に着いちゃいました、という感じ。

ちなみに登山用品店に行けば、ブドウ糖の塊が売られている。コイツを行動中に舐めるのが最強だという噂を聞いたことがあるが、市販のチョコレートよりも高いので買ったことはない。おにぎりのようなでんぷん質を唾液で麦芽糖に変え、その後ブドウ糖に変換させるよりも、ダイレクトに体に吸収できるブドウ糖そのもののほうがスピード感がある、というわけだ。

金がなけりゃ、効果は落ちるけど氷砂糖を舐めるのもありだ。

しかし最近の登山用品店では、ブドウ糖ではなく、「アミノバイタル」みたいな機能性飲料や食料がたくさん売られている。おそらくブドウ糖よりもより効果的なのだろう。今のところ僕には無縁だけど、いずれお世話になるかもしれない。「お金を払ってドーピングして楽になるなら、お金は惜しまない!」って思う可能性は、十分にある。

万三郎岳から移動再開。今回の旅程でもっとも標高が高いところをクリアしたので、あとは下っていく一方だ。とはいえ、縦走路なので細かく山を登ったり下りたりする。山域にもよるけれど、縦走路は地味に疲労を蓄積させる。

看板

11:17
下山開始からわずかで、また標識が出てきた。これまで、頻繁に立派な標識が設置されていて便利だ。しかも、地図付きなのだから至れり尽くせりだ。これだったら、登山とはいえ地図を携行しなくて良いんじゃないか?と誤解してしまいそうだ。

ここは「万三郎岳下分岐点」と呼ばれる場所。ここから北側に下っていくと、シャクナゲの群生地を経てゴルフ場の登山口に戻ることができる。

看板

多くの登山客は、ゴルフ場を起点に、万二郎、万三郎を経て、ここからゴルフ場へと戻っていく。またはその逆ルートだ。逆に言えば、ここから先の縦走ルートは「通好みのコース」ということになる。もちろん、熟練者でないと通っちゃダメ、という険しいルートではないけれど。

縦走は山歩きの醍醐味だ。しかし、なかなかそれが難しいのは、マイカーで登山口までやってくるひとにとって都合が悪いからだ。登山口と下山口が別の場所だと、何かと面倒くさい。

しかし、後で知ったのだけど、この天城山には事前予約制でマイカーの回送サービスがある。ゴルフ場で車を業者さんに預けておけば、天城峠に下山したらそこに自分の車が回送されている、というサービスだ。これなら、下山してからすぐに帰宅することができて便利だ。お値段、8,000円だったかな?

回送してもらうだけで8,000円?高い!と思うかもしれないけど、たとえば東京から公共交通機関でやってきている僕の場合、新幹線代だとかなんやでかなり高い出費をしている。マイカーをすでに持っているなら、利用するだけの価値はあると思う。

登山道

11:18
分岐点を通り過ぎ、縦走路を歩き続ける。

明るい森が続く。やっぱり、植林してうっそうとした杉林は面白みに欠けるけど、こういう自然林は楽しい。そして、木の密度が薄くて明るい森は楽しい。

山歩きをしていて、木々を見て「楽しい」と思ったことはこれまでなかった。フウフウ言いながら斜面を登っていくので必死だからだ。周囲を見渡しながら歩くことができる余裕がある、天城ならではだろう。

「自然を愛でてる俺って、ちょっとかっこいいだろ?」

みたいなつもりはまったくないぞ?念のため。

登山道

11:28
植生はころころ変わる。木々がせめぎ合っているのだろう。

「あっ、お前邪魔するな!そこにあるとおひさまが当たらないだろ!枯れるー!」
「ざまあ。早い者勝ちなんだよ植物の世界は!」
「畜生!まだ空いている場所に撤退だ!」

みたいな、声にならない戦いがこれまで続けられ、そしてこれからも続いていくのだろう。だからこそ、こうもコロコロと場所によって生えている木の種類が違う。「みんな仲良く共生すればいいじゃん」とはいかない。

植物は平和の象徴、的な見え方がするけれど、それは人間の主観だ。植物のレベルでものを見れば、「お隣さんは日照権の侵害をする邪魔者」みたいにいがみ合っているのかもしれない。

登山道

11:30
うーん。

先程の分岐点を過ぎてからは、明らかに登山道の質が変わった。

道が、わかりにくい。

ここから八丁池まで、総じてなだらかな、標高差が少ない水平移動になる。そのこともあって、くっきりとした稜線ではない。「ここを歩けッ!」という細い一本道にはなっていない。

加えて、歩くひとが少ないからだろう、登山道が不明瞭だ。

斜面が穏やか&登山道が不明瞭、このコンボで、みんなが適当に歩く。そうすると、登山道らしき踏み跡がいくつもできてしまい、ますますややこしいことになる。大幅に道を逸れてしまい迷う、ということはないにしろ、ここから先の道は何度も進行方向をロストすることがあった。

ベンチ

11:30
ベンチが見えてきた。また次のチェックポイントだ。オリエンテーリングをやっているような感覚になる。

看板

ここは「片瀬峠」。

本来なら稜線の北と南にエスケープルートがあるようだけど、通行止めになっている。

ベンチがあることだし、ここでお昼にしてもいいかな・・・と思ったけど、予定通りこの先にある戸塚峠まで粘ることにする。あちこちに休憩可能ポイントがあるので、むしろどこで大休止をするか、悩ましい。

ゴルフ場から天城峠まで、水平距離で17キロちょっと。片瀬峠は5キロ地点にあるので、まだ全体の1/3以下しか到達していないことになる。おい、もうお昼近いぞ。間に合うということは計算上わかっているものの、ちょっと心配になる。

登山道

11:31
片瀬峠を通り過ぎてそのまま歩き続ける。

このあたりの道は、苔が生えていてこれはこれで心地よい。

登山道

11:38
木の隙間を右へ左へ避けつつ、道は前へ進んでいく。ここでは人が偉いんじゃない。木が偉いんだ。

写真を見ても分かる通り、やや登山道が不明瞭だ。落ち葉が積もると、ますますわかりにくなるだろう。

ベンチで休憩

11:40
「小岳」に到着。標高1,360m。

今回の縦走で、山らしい山というのはこれで最後。あとは楽させてもらうぜ。

ここにもベンチがあるので、いったん休憩。他の登山客は、1名だけ。土曜日だというのに、こんなに静かな山歩きで良いのだろうか?日本百名山なのに。・・・ああそうか、縦走路は百名山の「おまけ」なので、ピークハンターにとっては興味がない世界か。

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