負傷しながらの下山【苗場山】

それにしても驚かされるのが本日のお宿、「高半」の空間の豪華さだ。

エスカレーターを登ったところがフロント前とは別のロビーになっていて、そこには大きな本棚と応接セットがしつらえてあった。

これをもって「まるでハリーポッターの世界みたい」と形容するのはちょっと安直というか、スケールが違いすぎるのだけれど、とにかく驚いた。

宿に一泊している間に、どれか本を選んで読もうなんて出来ないっすよ。ここで一ヶ月くらい巣ごもりする覚悟で、ようやく「じゃあこの中からまずは一冊選ぼう」という気になる。

卓球台がロビーの片隅にしれっと置いてあるのも、なにげにすごいことだ。

それだけの空間がロビーにあるということだ。

なんだ、ここで卓球選手は強化合宿ができるじゃないか。外界から隔離された環境で、風呂と部屋と食堂と卓球台をひたすら行き来する。充実した合宿だ。

ただし、床がカーペットなので、ガチな卓球は難しく、あくまでも浴衣にサンダル姿の「温泉卓球」になってしまうけれど。

明日の天気予報は雨。

今日の天気がいまいちだから、登山は明日に回そう・・・としなくてよかった。結局、今日のほうがまだマシだった、ということだ。

部屋に向かう廊下。

ここにも、本棚。そして棚には替えの浴衣も。

僕、毎回宿に行くたびに、浴衣のサイズが合わなくてスネ丸出しになる。だから、こうやって自由に浴衣のサイズを交換できるのはありがたい。宿の人が僕の体型を一瞥して、「LLにしておきますね」なんて持ってきてくれることもあるけれど、そういうサービスは全然セルフで構わない。

部屋に入る。

おお、この部屋は前室があるのか。

毎回、「この部屋は勿体ないなぁ。別の人に格安で貸し出したいなぁ」と思う。荷物置き場にするにしても、微妙なんだよな。荷物は細かく出し入れしたいので、居室内に置いておきたいし。

「失礼いたします」と仲居さんがガラッと入ってきた時、のっぴきならない状態を見られたくない・・・という人向けなのだろうか。でも、今どきそうやってずかずか仲居さんが中に入ってくることなんてないしなぁ。

笹雪、という名前のお菓子がお茶請けで置いてあった。

こういう写真を撮って、あとでどうするんだろう。毎回そう思う。こうやってwebに掲載するくらいしか、使いみちがない。

いや、ひょっとすると「あのとき食べたお菓子はうまかったなぁ。忘れられない味だったなぁ」ということがあるかもしれない。そのときのためにも、念の為に備忘録として。・・・いやおかしいって。「忘れられない味」だったらなんでお菓子の名前を忘れているんだと。

まずはともかく温泉だ。

足を捻挫したのだから、温めるなんてやっちゃいけないことなのに・・・。つい、「温泉に来たからには入らないと!」と、今回宿泊中に3回も入っちゃった。足首をかばうこともなく。だって、さほど痛くないから。

でも、和田小屋からタクシーに乗ってレンタカー会社に到着したとき、下車しようとしたら右足首が動かなくなってびっくりした。動かし続けていればなんとかなるけれど、少し休むと、うっ血してしまうらしい。

源泉名は「湯沢温泉湯元」、泉質は「単純硫黄温泉(アルカリ性低張性高温泉)」、源泉温度44.3度。

硫黄泉について後日調べてみたら、「末梢毛細血管を拡張させる効果がある」と書いてあった。おーい、捻挫で炎症を起こしつつある足首に最悪じゃないか。温めながら、さらに末梢血管を拡張だなんて。なにやってるんだ、自滅行為だ。

(つづく)

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