12:27
おや。木の階段、というより木道といえる道に切り替わった。
木道・・・ということは、標高差が少なくなってきたというわけで、それすなわち山頂が近いということだ。いいよね?信じていいよね?ここまで随分辛い思いしてきたんで、そろそろゴールしてもいいよね?
誰に聞いているのかわからないけれど、そんな気持ち。
12:29
でたー。
池塘、でたー。
池塘がある、ということはここは単なる草むらなのではなく、湿原であるということだ。
苗場山といえば、山頂周囲に広がる広大な湿原が珍しく、そして美しい景色として知られる。いよいよ僕らはその山頂エリアに差し掛かったといって過言ではない。というか、断言しちゃっていい。
それにしても、天気が悪いのであまり何も見えないんだけど・・・。せっかくの池塘が、単なる「雨による水たまり」に見えてしまう。
12:30
おっ。あっちにも池塘。
このあたりは池塘密集地だ。
池塘があるということは、なだらかな場所ということになる。だって、斜面だったら溜まった水が全部流れてしまう。
なので、これまでのキツい登りが嘘のように、快適な歩きになる。なんだこの急な変化は。
山のてっぺんだけ、ごっそり削り取ったかのようだ。
12:32
木道の分岐があった。まるで鉄道の線路みたいだ。
右が苗場山頂、左が赤湯方面と書いてある。
赤湯温泉、行ってみたい場所だったけれどここから4時間半のコースタイムだ。つまり、始発の新幹線+タクシーを使って登頂という「公共交通機関最速ルート」で東京からやってきても、山頂で一切休憩をとらないでようやく17時着となる。
たぶん僕の実力だと、この日のうちに赤湯温泉泊という行動計画は無理だったんだろう。「山中の秘湯」ということに気を取られて無謀なルート設定にしなくてよかった。
12:33
湿原の地面はこんな感じ。アスファルトみたいな感じ。
12:35
山頂に向けて歩いていく。木道は歩きやすいけれど、これはこれで気を抜くと雨で滑るので、油断ならない。あと、フラフラ歩いていると足を踏み外す。
12:36
あれっ?
さりげなく、山頂はそこにあった。
これが山頂なのか。
ちょっとした広場みたいになっているけれど、公園の丘の上みたいな場所にすぎない。そんな場所に、「苗場山山頂」と書かれた棒が突き刺さっていた。お、おう。
もっと奥の茂みの方が高さがあるんじゃないか?とか思えてしまうけれど、ちゃんと三角点だってここにある。どうやら山頂で間違いないらしい。
12:37
というわけで三人揃って苗場山山頂で記念撮影。標高2,145.3メートル。
所要時間は4時間10分弱。「山と渓谷」の標準コースタイムだと3時間50分程度なので、標準よりは時間をかけてしまったことになる。雨のせいでかなり疲れたせいだ。なんなんだこの疲労感。
12:38
山頂周辺の様子。
学校遠足でお昼ごはん休憩用の場所として使えるように・・・というわけではないが、広い空間になっている。
12:39
さて、山頂直下に山小屋があるのでそこで休憩にしよう。
疲れたし、雨で濡れている体をどうにかしたい。
山頂から伸びる木道・・・というか、板を地面に敷いただけの道、の先にうっすらとトンガリ屋根が見える。どうやらあれが山小屋らしい。
12:40
おっ、見えてきた。あれが目指す山小屋だ。
本日の登山、前編<おわり>
(つづく)
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