負傷しながらの下山【苗場山】

13:16
さて腹をくくって雨の中を下山するぞ、と思った矢先。

ガスがすーっと晴れ、目の前の湿原が一気にその姿を見せてくれた。

おお、これが苗場山山頂の湿原だったのか。

信じられるか?これが山頂すぐそばだぞ?で、ここにくるまでヒイヒイ言いながら登ってきたのに、山頂に至るといきなりこれよ。なんなのこの美しさ。

できることならこの湿原をドローンのように上から見下ろしたいけど、それは無理だ。ここよりも標高が高い場所は山頂以外ないし、山頂は茂みの中だ。

人間は、ただ自分の身長分の高さだけでこの広大な、あまりに広大な湿原をあっけにとられて眺めるしかない。

13:17
秋ということもあって、草が黄金色に色づいている。

晴れていれば「黄金色に輝いている」とでも形容できたかもしれない。でも今日はこの天気だ。いくらガスが晴れたからといって、曇天にはかわりない。「輝いている」だなんて嘘はいわない。

13:17
この視界の果てまで湿原とは。

会津駒ヶ岳に登った時も、山頂直下がずーっと湿原でその美しさに驚いたものだ。

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ただ、この苗場山のほうがスケールが大きく、嘆息がでる。

13:18
せっかくだから今のうちにこの光景を写真で!とたくさん写真を撮ったけど、白い空・黄色い草、という点で殆ど代わり映えがしなかった。間違い探しのネタを撮影しているような感じで、あとになって写真整理をする際、「これは間違って2回シャッターを押したのか、それとも別のアングルなのか」と撮影意図を考え込んでしまった。

13:19
木道に合流。

すまん、改めて写真を並べてみて、あとから見返すとあまり意味のない写真を撮っている気になってきた。

13:22
来た道を戻る。
このまま延々とこの道が続くんじゃないか、と思える雄大さだろ?

でもな、この先、地平線みたいに見えるところからストーンと急降下よ。そりゃあもう、標高さげまくりよ。

まあでも、標高が下がってくれないといつまで経っても下山ができやしねぇ。ガツンと下って、早く温泉宿に行こうぜ。今晩は越後湯沢の温泉宿で打ち上げだ。

池塘っていいよな。

湿原!っていう気がするから。

これがないと、湿原であっても単なる草原に見える。

13:24
いいね、「水たまり」じゃないサイズの池塘。これ、晴れているときに見ることができていたらさぞや美しいだろう。

13:25
でも、ガスが偶然晴れている時に湿原歩きができてよかった。

そろそろ山頂からおさらば、という段階になって、またガスが立ち込めはじめた。ちょうど僕らが通り過ぎるときだけ、ガスが晴れていたわけだ。ありがとう苗場山。

さて、ガスは立ち込めたけど気は晴れた。ここから本格的な下山ルートだ。

(つづく)

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