そんなわけで、僕は「すでにもぎ取ったあと」のきのこの株の方に興味が向いた。ごっそりビニール袋に入れられて売っている、というのはそれだけでテンションが上がる。別に自分で収穫体験しなくてもこれでいいや。こっちのほうがちょっと安いし。
きのこ詰め合わせ800グラムで700円。よし、これにしよう。
「鮮度が違う!香りが違う!」って強調されているし。
中身はこんな感じ。舞茸、えりんぎ、しめじが入っている。
施設内のモニタではニュースが流れていたのだけれど、なにやらただごとではないことが報じられていた。
「首都圏JR在来線 午後8時以降運転取りやめ」
おっとぉ。これはやばい。「鹿児島方面の台風だね」と他人事みたいに振る舞っていたけれど、あっという間に首都圏を脅かすところまで迫ってきた。
午後8時以降運転取りやめ、というのは穏やかじゃない。じゃあそれまでに僕らも帰宅していなくちゃ。逆算すると、新潟に滞在できる時間はもうあまり残されていないようだ。なにせ、8時に新幹線で東京駅に到着したらセーフ、というわけじゃないから。それじゃもうアウトだから。
じゃあ次が最後の目的地だ、ということで清酒・八海山の蔵元がある「魚沼の里」を目指す。
僕をはじめとする仲間たちが「のっとれ!松代城」に参戦する都度、魚沼の里を訪れているのをまゆみさん・相方さんは知っていて、ぜひ一度行ってみたいと思っていたのだそうだ。
「それだったらレース(のっとれ!松代城のこと)に出ればいいのに。楽しいですよ」
と何度も水を向けているのだけれど、まゆみさんは
「いや、いいわ。あたしらはそういうの苦手だから」
と笑ってお断りする。なので今回ようやく、初訪問。
いろいろな施設が広い敷地内に点在し、しかもまだ拡大を続けている。なのでこういう「敷地内マップ」が用意されているくらいだ。ありがたい。以前はこういうのがなかったので、どこに何があるのかわかりづらかった。
もともとは醸造・貯蔵施設とか業務用の建物がメインで、観光施設はそれに付随するような感じだったのかもしれない。そのせいで、どの建物が一般人が入ってよくて、どれがダメなのかわかりにくかった。どの建物もクールなデザインだからそのせいでわかりにくい、という理由もある。
しかし、この地図のおかげですごくわかりやすくなった。
最近だと、「猿倉山ビール醸造所」が新設され、「RYDEEN BEER」というブランドのクラフトビールを醸している。
まずはお昼ごはんを。
「八海山みんなの社員食堂」に向かう。
醸造所で働いている社員さんも、一般のお客さんも、みんなで使える社員食堂だ。
ただし、ガチ社員と一般客とは献立が違う。
観光客向けのほうが豪華だ。毎日食べるなら、豪華じゃないほうがむしろ食べ飽きないだろう。
今日の日替定食800円は
「もち豚チーズカツレツ(デミソース)&さばのみそ煮。
八海定食1,000円は2種類あって、
・豚ロース塩麹焼き
・カラスカレイのあまさけ煮
日替定食は売り切れていることが多いので遅い時間に訪れる際は注意。というか、最近はこの施設は人気になって、食事メニュー全部が売り切れていることもある。食べたいと思ったら早めの時間の到着が望ましい。
客席と、カウンター。
お味噌汁とご飯、お茶や水はセルフでよそう。いかん、つい多めによそってしまう。
日替定食が今日は幸いまだ残っていたので、選択。
ご飯は白米ではなくきのこの炊き込みご飯が選択できたので、そちらを選ぶ。
やー、いかんな、こういう料理が社員食堂にあったら、毎日食べてどんどん太るしかない。これは明らかに観光客向けメニューですわ。社員向けにこのボリュームだったら、産業医さんから指導が入る。
豚ロース塩麹焼き。
塩麹で豚肉を漬け込んでいるので、びっくりするくらい柔らかいのですよこれが。
僕が選んだメニューじゃないけど、一口食べて驚いた。いやあ、これはうまい。
まゆみさん、
「すごいわー。わざわざ食べに来た甲斐があったわー」
としきりに激賞。
新潟にやってきてさばの味噌煮?豚ロース?と思うかもしれないが、どの料理も丁寧に作られていて、それがひしひしと伝わってくる。こういうクオリティだと、本業の清酒作りもきっと素晴らしいんだろう、とブランド力が上がる。
あいにく僕はお酒が飲めないので、八海山の味を今となっては覚えていないのだけれど。でもこのブランドは好きです。だって毎年この「魚沼の里」で素敵な時間を過ごしてるから。
(つづく)
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