[No.14 宗福寺 2005年05月03日 13:40]
このあたりは、島酒之碑、赦免花、宗福寺と3つ観光名所が並んでいる。
・・・と、地図には記されているんだけどなあ。おかしいなあ、赦免花らしきものは見つからず、宗福寺に到着してしまった。
「お寺。以上」
「??何がどう観光地なのか?」
さっぱりわからない。
通り過ぎてしまった「赦免花と慈運法印墓」を探す。
島酒之碑から、道路脇にそって進んでみるが、どうもそれらしきものがない。
赦免花とは、ソテツの花のことで、数年に一度だけ咲くんだそうな。慈運法印のお墓に植えられたソテツに花が咲くと、江戸から赦免状が不思議と届くことから、この花のことを「赦免花」と呼ぶようになったんだとか。
ってことは、お墓と、ソテツがセットで存在するはずだが・・・。
がさごそと道路脇の石垣を歩いていたら、何か人口建造物があったっぽいコンクリートの土台を発見した。
こ、これだろうか?
いかにも怪しい。
階段があるけど、その先には何もない。
まさかここにお墓があったけど、壊れて無くなってしまったのだろうか。
ソテツ、ソテツは?
・・・見あたらない。朽ち果てたのかもしれない。
「うーん?」
首をひねってしまう。
[No.15 赦免花と慈運法印墓 2005年05月03日 14:17]
結局、近くで作業をしている人に赦免花の在処を聞いてみたら、宗福寺の境内にあるという事が判明した。何だ、そういうことか。さっき、何の意味もない茂みの写真を撮影しちゃったじゃないか。
あらためて宗福寺奥深くに侵入してみると、おおお、あったぞ。玉石垣の上に、お墓とも石碑ともつかないような石と、その周囲にはソテツが。これだったのか。
「お願いです、赦免してくださぃ~」
「明日の飛行機、欠航しないでくださいぃ~」
と懇願してみる。
でも、お願いしたあとに気づいたが、赦免花が咲いていない以上ダメじゃん。お願いするだけ無駄だった。
「ソテツにも花が咲くのですか、と驚いたり誉めたり。」
「八丈島定番のキャッチコピーだな、それ」
[No.20 石山留五郎墓 2005年05月03日 14:39]
さあ、八丈島観光名所完全制覇の旅も大詰めだ。まだ入っていない温泉「ザ・ブーン」と、もう一つ残されている。・・・それが、先ほどギブアップしてしまった「石山留五郎墓」だ。
「もうコスモ石油に潰されてしまったってことでいいんじゃないか?」という議論もあったのだが、先ほどの赦免花の時のように地元の人に聞けば一発逆転があり得るということが判った。
「でも、見つけてもどうせ誰か知らない人のお墓なんでしょ?」
と言ってしまっては身も蓋もない。とはいえ、未発見のまま放置されるのは何とも居心地が悪いので、再度現地に舞い戻ってみた。
宇喜多秀家の墓がある墓地脇に車を停め、ひょこひょこ道路を歩いていたおじいさんに聞いてみることにした。こんなマニアックな墓、いくら地元の人でも知らないだろう・・・とダメもとで聞いてみたのだが、驚いたことにこの人、知っていた!あれれ。
案内されたのは、やはり宇喜多秀家の墓地だった。何だ、コスモ石油じゃなかったのか。
「これが石山留五郎の墓だよ」
と指さされたのは、何とも年期が入っているものだった。ああ、こりゃあわからないわ。二人がかりで、石山留五郎という字を探そうとしたのだが、結局よくわからなかった。
「で、この人は何をやった人なんですか?」
墓をわざわざ探しに来たのに、何をやった人かわからないというんだから、相手してくれたおじいちゃんは驚いただろう。アンタら何しにきたの、と。でも、親切にいろいろ教えてくれた。何でもこの人は八丈島に島流しにあった大工の棟梁らしい。島の建築物のレベルアップに大きく貢献したのだとか。
このあと、おじいちゃんとはなぜか島酒談義になった。
おじいちゃん曰く、芋100%の焼酎の方が美味い、八丈島の焼酎は芋焼酎と、芋と麦をブレンドした焼酎があるが、芋100%の方がお薦めだ、なんだそうな。しかも、「同じ銘柄でも度数が違うのがあれば、度数が高い方が美味い」だとか、「○○酒造のお酒が良い。なぜならば使っている水が良いからだ」なんてことをあれこれ教えてもらった。
あれこれ情報を教えたのち、おじいちゃんはまたひょこひょこと去っていった。
「あの人、石山留五郎の生まれ変わりかもしれん」
「なんとも絶妙なタイミングで僕らの前に姿を現したもんな」
後ろ姿を拝みつつ、感謝感謝なのであった。
[番外編 乙千代ヶ浜 2005年05月03日 14:39]
さて、八丈島といえばマリンスポーツのメッカ。われわれはもっぱら陸上で観光地巡りをしこしこと行っており、マリンスポーツには完全に背を向けてきた。しかし、そうはいっても「遊び尽くさないと損した気分になる」おかでんのこと、わざわざ鞄にシュノーケリングのセットを詰め込み八丈島入りしていた。
とりあえず観光名所巡りにどれだけの時間がかかるのか検討がつかなかったので、今までシュノーケルは封印していた。しかし、こうやってちょうど良い塩梅に観光名所はほぼ全部回ることができ、時間の余裕が生じることが判明したので解禁することにした。
島南部に乙千代ヶ浜という場所があるというので、そこに向かう。
なるほど。
確かにここもダイビングのスポットらしい。今まさに、米海兵隊特殊部隊SEALsが極秘任務を帯びて海へと繰り出していくところだった。
また、浜には既に潜りを終えた人たちがウェットスーツを脱いだりしている。
さすがに周囲はダイバーだらけ。おい、シュノーケリングをしようなんていうやつは一人もいないぞ。しかも、ウェットスーツ無しで。
この乙千代ヶ浜、特に砂浜になっていたり遠浅になっているわけではない。ただ、岩の配置の関係で入り江状になっているため、海へのアプローチポイントは波が穏やかだ。
とはいっても、入り江の外はこんな感じ。
いくら八丈島とはいえ、まだ5月初旬で、海水浴ってのはちっと無謀じゃございませんか。
少々ビビる。
とはいっても今更引き下がれないので、渋りつつもスタンバイ。
「うう、見ている方が寒くなってくる」
としぶちょおに言われる。
海に潜るまで、岩の上で数分間の逡巡があったのち、意を決して飛び込む。
「あああ」
声になりそうでならない悲鳴を上げてしまう。寒い。当たり前だが、水が冷たい。寒中水泳やってるようなもんだ、これだと。
慣れてくれば我慢できないほどではないにしろ、それでも相当体温が奪われる。小魚が海中で泳いでいるのを数分間楽しんだ後、「もうこれで許して」とギブ。
そそくさと車の陰で着替えるおかでん。
それをげらげら笑いながら写真撮影するしぶちょお。
「・・・」
その様子を呆れた顔で眺めるカモメ。
「まあ、今年初潜りだったということで。何でも初ものはいいもんです」
意地を張って、強がりを言う。
「ただ、とにかく風邪をひかないように早く温泉で暖まりたいです」
素直な本音が出た。
[No.チ ブルーポート・スパ ザBOON 2005年05月03日 16:23]
観光名所巡り、一番最後に訪れたのはブルーポート・スパ ザBOONという何とも怪しい名前のスパだった。
藍ヶ江港に下っていく道の途中にある施設で、その周囲には裏見ヶ滝温泉、やすらぎの湯といった温泉地もある。そんなに温泉施設を固め打ちしなくてもいいだろうに、と思うのだが、きっと造りたかったんだろう。
鉛筆型のモダン建築。その他の温泉施設とはちょっと違った雰囲気だ。名前のとんがりっぷりからしても、これを作った人は相当変わっている人だと思う。
中は非常にゆったりした作りになっている。
無駄に広い広間には、海の家やリゾートホテルのプールで見かけるような、机とテーブルが並べられていた。
なぜかステージの上に設置されているマッサージチェア。「運転していると肩が凝っちゃって」というしぶちょおに「マッサージチェアを使えばいいいじゃん」とお薦めしたのだが、後になって「で、使ってみたか?」と聞いてみたら「ステージの上だと、人に注目されてしまうので使えなかった」とのことだった。
人に見られながらマッサージ。あまり気持ちの良いものではないな、確かに。
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