島流し御赦免ツアー

公園の中を歩く

キョンがいるところまで散歩しながら、園内を見て回ることにした。

キョンは園内でも奥まったところで飼育されている。これは、「キョンだけ見て帰られたらすげー悲しいので、キョンを見るためには植物をいっぱい見て貰うぞ」という施設の意気込みを激しく感じるのであった。

それにしても変わった植物がいっぱいだ。植物については疎いわれわれだが、「へぇー」「面白いねえ」という言葉が口を突いて出てくるくらいだ。

サボテンの一種

サボテンの一種なんだろうが、何だか無駄に頑張っちゃって5m近くまで育ってしまったものまである。

水不足ということは特にないので、「だったら大きくなっちゃえ」と思ったのだろう。でも、そこまで大きくなって君は何がしたいのだ?光合成?

南の島っぽい木

こんな木もある。

南の島っぽい。

トックリラン

この植物、名前を「トックリラン」と言うらしい。えっ、ランの仲間なの?

ランって、花だと思っていたのだが、これは立派な木だ。へぇ、いろいろあるもんだ。

それにしてもこのトックリ部分、なんとも無駄というかなんというか。こうやって膨らむには相当な体力を使っただろうに、なぜにこんなになっちゃったんだろう。こうでもしないと、強風でなぎ倒されるからだろうか?

おっと、そういえばこのトックリラン、途中でぼきっと折れてしまっている。じゃ、あんまりトックリの意味を成していないような。

キョンの飼育小屋

広い敷地内をてくてくと歩いた先に、ようやくキョンの飼育小屋を発見。

おお、これがキョンか。

一言で言ってしまえば、「小さい、ぶさいくな鹿」ということになる。ずんぐりしていて、馬や鹿が持つスラリとした体躯ではない。あまり美しい生き物ではないが、ペットとしてはちょうど良いかもしれない。キョンをペットで飼う人っていないのだろうか?

ぽってりした顔をしているキョン

日が差して暑いからなのか、みんな隅っこの方に固まってあまり動こうとしない。お酒を飲んだ次の日、顔がむくんじゃいましたーという感じのぽってりした顔をしているキョン。そんなキョンがじっとしているので、なんとも暑苦しい。

後に民宿のおばばに聞いたところによると、つい数カ月前に誰かが檻を破壊し、そこからキョンを逃がしてしまったらしい。しばらくの間、八丈島を挙げてのキョン捕獲作戦が敢行されたということだが、逃げ出した二十何匹のうち一匹死亡、それ以外は捕獲成功したんだそうな。

脱走した際に味わった「娑婆の空気」が忘れられず、今こうしてぼーっとしているのかもしれない。

キョンの解説

「・・・まあ、キョンだな」

「キョンでしたな」

という会話をして、おしまい。観光名物ではあるものの、見たからといって何か特別な驚きや興奮がある生き物ではない。ま、でも八丈島でキョンを見ましたー、ということで。とりあえず満足。

キョンは、雄の鳴き声が犬に似ていることからその名前がついたらしい。「キョン!キョン!」と鳴くのだろう。鳴き声を聞いてみたかったが、既に蒸し暑い4月末のこの空の下では「かったるぅ~」とぼやいている風情で、決して鳴こうとはしなかった。

八丈富士が見えてきた

おや。八丈富士が見えてきた。さっきまでは雲で隠れていたのだが、空が晴れてきたようだ。

急きょ、今日八丈富士に登頂することに決めた。このGW中、いつ天気が悪くなるかわからない。行けるうちに行っておかないと。

「八丈富士登って、島を上から見下ろしちゃったら何だか全てが終わっちゃうような気がするんだけどね」

「最後にとっておくべきなのかもしれないが・・・」

という話もあったが、お天気重視だ。雨が降って登頂できず、では泣くに泣けない。

石組みの上で記念撮影

というわけで、ちょっとゆっくりとしました、八丈植物公園これにて終了。

八丈島をかたどった石組みの上で記念撮影。

しぶちょおが八丈富士の上、僕が三原山の上にて。

[番外編:島寿司 2005年04月30日 12:50]

みつ橋

八丈島の美食といえば、あしたば料理、くさやが有名。ただこれは八丈島に限った話ではなく、伊豆七島全体の名物だ。では、八丈島限定の名物って何があるのか?というと、どうやら島寿司というのが有名らしい。

八丈島行きが決まってから出発までの僅かな間に調べたのが「八丈島グルメ」。観光地よりもとにかく、美味いものが食べたいからだ。そうしたら、この島寿司というキーワードがひっかかった。

もともとは漁師が船の上で食べることを前提に作られた料理らしい。魚はメダイ、トビウオなどの白身魚で、醤油だれでヅケにする。そしてシャリは甘めで、わさびの代わりにからしを使うんだそうな。八丈島ではわさびの生産は難しいだろうから、そのかわりにからしというわけだ。なかなか面白い。

島寿司を出すお店として有名なのは「あそこ寿司」というお店だ。しかし、ネットで事前調査したところによると、このお店は予約がないと島寿司は提供していないらしい。それよりも、「みつ橋」というお店が、予約なしで食べられるしおいしいらしい。

われわれは、そのみつ橋に向かった。空港の観光案内カウンターで貰った「八丈島観光MAP」という地図には、お店の一覧と地図が記載されていたので助かった。

みつ橋メニュー

みつ橋のお座敷に上がり込んで、島寿司をオーダーする。

上寿司1,700円、特上寿司2,000円、島寿司2,000円。

島寿司は特上寿司と同じ「偉さ」になるらしい。

このお店、上と特上はあっても並が無い。並の寿司なんてうちじゃ握ってねぇよ、という職人さんのプライドだろうか。

おや、カッパ巻が1,000円もしますか。こりゃ相当なプライドだ。・・・ホントか?

しかも一番端には手書きで「消費税は含まれていません」だそうで。結構高いなあ。まあ、島物価ってやつなんだろうか。

瓶ビール一本

とりあえず、車のキーをしぶちょおにじゃらり、と差し出す。

「午後は任せた。あ、すいませーん、瓶ビール一本ください」

「やっぱりそうきたか」

「こういうこともあるんでね、今後僕は午前中運転する。午後はしぶちょおに任せた」

今回、車は交代で運転することになっていたのだが、「お昼にビールを飲みたい人がいる」ために、午前中おかでん、午後しぶちょおという役割分担となった。

お酒が飲めないしぶちょおを眺めつつ、まずは一人でぐいーっと。

「ひゃー。何だか八丈島だねえ。すごいね、まだお昼だぜ?お昼で八丈島にいて、レンタカー借りて、いろいろ見て回って、そうして今ビールを」

「おかでんはそうかもしれんが、僕ぁ前泊してるんだからな、東京で」

「ああそうだった。でも僕は早起きして、それから半日足らずで当たり前のようにこうして南の島に降り立っていて、ビール呑んどる。何だか不思議だね」

一人悦に入る。

島寿司

出てきました、島寿司。

刺身をヅケにするといえばマグロの赤身、という印象が強いので、白身魚がヅケになっていてもあまりピンとこない。ただ、言われてみれば身の表面が飴色に光っている。表面にツメを塗っただけのものとは違う。

「ほぅ?」

思わず箸で魚をめくってみる。中には、緑色したわさびではなく、黄色いからしが。

「おおぅ」

さっきから感嘆符ばかりだ。

この日の魚はなんだったっけ、覚えていないのだが、黒ムツ、金目鯛だったかな?

早速食べてみる。シャリは砂糖が入っていて甘いのが特徴、と聞いていたので、べたべたした甘さを想像していたのだがそこまで甘くはなかった。関西風の蒸し寿司でこういうの食べたことがある。からしは・・・あ、なるほどね。わさびと違った感じはする。これはこれで有りだ。

絶品の美味さ、というわけではないが、島に来たらぜひ食べたい味だろう。A級グルメとB級グルメの間、みたいな感じのお寿司だ。値段はA級だけど。

お吸い物

一緒に頼んだお吸い物。

ちらし寿司

こちら、しぶちょおが頼んだちらし寿司。なかなか豪勢だ。

ただ、いくらや穴子が載っているし、マグロも乗っているところをみると、地物比率はあまり高くない。

この寿司にはからしではなくわさびが乗っていたというのがちょっと面白かった。さすがにからしがのるのは島寿司だけなのだろう。

しかしこのわさび、のっぺりと緑色。粉わさびを練ったものだろうか。消しゴムみたいな大きさで、結構インパクトがある。これを食事中に使い切ったら大したもんだ。

[No.13 八丈富士/八丈八景8 西山暮雪 2005年04月30日 13:37]

八丈富士登山口へ

軽自動車はうなりを上げて八丈富士登山口へと登っていった。寿司で炭水化物を摂取したことだし、天気は晴れだし、絶好の登山コンディションだ。ビール飲んじゃったのは余計だけど。

ぐいぐいと登っていったところに、登山口があった。

登山口から山頂がはっきりと見える。距離はごく近く、これくらいだったら僕にとっては楽勝の部類だ。

時間を見てあらためて驚く。先ほどみつ橋に入店したのが12:50。そして、ビールも飲みながらお昼ご飯を満喫し、車で登山口に移動して只今の時刻が13:37。50分弱しか経っていない。僕らがよっぽど早飯食らいだったというのもあるのかもしれないが、このあたりが八丈島のコンパクトさを物語っている。次の目的地にぱぱぱっと到着できる。このこじんまりとまとまっているあたりが楽しい。

八丈富士登山口看板

八丈富士登山口

八丈富士は標高854mで伊豆諸島の最高峰。此処から頂上の稜線まではゆっくり歩いても約1時間。其処からは眼下に八丈島の全ぼう、好天の日は北方水平線上に御蔵島、三宅島が眺められる。

頂上内側には地下森林や中央火口丘が見られる。また浅間神社があるが、祭神は木花開耶姫(このはなさくやひめ)。神社横や至る所に小穴があり、危険なので立ち入らないこと。外輪を一周するには約1時間を要する。

石の標識

登山口入り口に、石の標識があった。

「富士山頂への路」と書かれている。

そうか、これから富士山頂に登るのか。

よく整備されている道

気持ちの良い階段路を登っていく。よく整備されている道だ。

周囲は絶景

10分も歩けば、もう周囲は絶景。

前を見るよりも、休みがてら後ろを振り向くのが楽しい。底土あたりの島の海岸線がよく見える。

これは観光ですね、確実に。先ほどの西山なんちゃらとは大違い。なんだったんだ、あれは。

まだ根に持っている。