実りの大地【北海道ハタケ仕事3】

夕食

18:16
日が暮れる18時頃まで作業を続け、一日目の仕事は終わりとなった。今回も日帰り参加の人がいるので、その人たちはタクシーをわざわざハタケまで呼んで、空港に向かっていった。それにしてもすごいなー、農作業無償労働数時間のためだけに東京から北海道へ。LCCを使っていないのであれば、往復運賃で数万円はするはずなのに。そのガッツに頭が下がる。

さすが北海道、9月末ともなれば日が暮れれば結構寒い。家の中に入っても、暖房はまだ大げさとはいえ何かぬくもりが欲しくなる室温となっていた。

そんな中、テーブルではお皿や飲み物の準備が始まっていた。おっ、今日は井川さんが料理を振舞ってくれるらしい。今朝、どこかに「仕入れ」に行ってきて、新鮮な魚介を調達してきたのだという。

もちろん、事前に「食事が振舞われます」という話は出てきていなかった。仲間内では、「前回サッポロビール園に行ったから、今度はキリンビール園とか、アサヒビール園に行くのもいいねー」なんて話をしていたのだが、予定変更。こういうこともあろうかと、北海道遠足のときにはあれこれ期待感ばっちりで事前予習とか計画を立てておかないに限る。

ということで、今晩は夕食をご馳走になります。

ブルー

人が集まってきている様子を察知し、自分も「さも当然」とばかりに座布団の上に座り込んでいるブルー。珍しくカメラ目線でこっちを見ているのだが、「なんだオイ」という顔をされた。いや、そこに座ってくださって結構です・・・。

この猫、人に撫でられたりするのはあんまり好きではないくせに、人が集まっているところにはやってくる。この微妙なバランス感が猫の魅力なのだろうが、猫慣れしていない僕は毎度そういうツンデレぶりに悔しい思いをさせられている。まんまと翻弄されるわたくし。

ほたて

5月、第一回目のハタケ遠足のときは井川さんが先頭切ってハタケに繰り出し、自ら積極的に作業を行っていた。しかし、7月9月と回を重ねるうちに、ハタケ運営が軌道に乗ってきたこともあってハタケを離れている時間も出てきた。何をやっているのかというと、参加者に振舞う料理を作るために厨房に立っていたわけだ。

カフエの店主といえば、せいぜいトーストやサンドイッチ、ナポリタンくらい作れます・・・という人のようだがさにあらず。なにしろ井川さんは、うわさによると子供の頃から料理が得意で、自身のお誕生日会を家で開催して友達を招いたときは、自分で料理を作って振舞っていたという(また聞きなので本人には未確認)。

そんな人が用意するメシなのだから、「お店に出すものじゃないから手抜きで、適当に」というわけにはいかなかったようだ。ついつい気合が入りすぎちゃって、「いやこれは贅沢すぎるのでは」と参加者がびびるようなまかないが出てきちゃった。

まずは新鮮なホタテ。殻の上にスライスした貝柱が載っている。

かき

生牡蠣も出てきたー。

9月だけど、もう殻つきの生牡蠣が出回っているんだな北海道って。

よくテレビのニュースで「牡蠣の最大の生産地・広島で今シーズン初となる牡蠣の出荷が行われました」って報道されるが、あれって11月くらいだったと思う。

予想外の生牡蠣との遭遇で、全員がニコニコ顔になってこの冬の味を楽しむ。ホタテもおいしいんだが、やっぱり微笑み指数としては牡蠣のほうが上だと思う。人によって好き嫌いが分かれる食べ物だけど。

料理

ゲソをわたとバターで炒めたもの。

濃厚な味で、酒が進んでかなわん。

・・・とは、お酒が飲める人の談。テーブル上にはワインが置いてあり、飲める人はうまそうに飲んでいた。

包丁を握る井川さん

イカのゲソ部分は炒め物にされたが、胴体部分はお刺身でいただくことになった。
シェフ井川氏自らが食卓に包丁とまな板を持ち込み、イカを刻むパフォーマンス。

いか

で、イカ。これがまたうまいんだ。

「大北海道展」とかいうのにここ数年あっちこっち顔を出し、いい加減もう北海道の海の幸には見飽きた感があった。てんこもりのうにいくら丼とか、かにが山盛りの丼とか。残念ながらお値段はかなり高いので、「食べ飽きた」とはならなかったけど、少なくとも「見飽きた」。

でもこうやってちゃんと北海道の海の幸を食べると、たまらんなオイ。見事にうまい。そりゃそうだ、東京には日本最大の競り市場である築地があるとはいえ、実際に水揚げされるのは東京からはるか彼方の漁港なんだから。その点北海道だと、本当に新鮮な魚が手に入る。

ただ、北海道の人であっても、「マグロは東京に限る」という話を聞いたことがある。羽田空港の売店で、冷凍マグロを買って新千歳便に乗る人が結構いるらしい。何でかというと、マグロは高値で取引したいものだから、いいやつは築地に集結するかららしい。ふぐの場合、全国で獲れたものがいったん山口に集まるのと一緒だ。

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