実りの大地【北海道ハタケ仕事3】

カフエマメヒコが北海道千歳市で営む、「ハタケマメヒコ」。そのハタケにマメヒコの客が隔月で手伝いに行くという「マメヒコの北海道遠足」が2014年に開催された。第一回目は5月に「種まき」が行われ、第二回目は7月に「せん定、防獣ネット張りなど」を行った。そして第三回目となる今回は、いよいよ「収穫」となる。なんだかあっという間だ。実質4ヶ月、つまり1年の1/3程度で植物はぐんぐんと成長し、実を付け、そして次世代に託す。それにくらべて齢40に至っているおかでんのふがいなさといったら・・・いまだに子孫なんていないわけだし。

でも安心してください、北海道遠足に集う人の圧倒的多くが独身女性です。・・・待て、お前今何を考えてる?不穏な考えはよせ。

カフエマメヒコという、喫茶店の中でも特に変わった磁場を持つこのお店に集う人はそれなりのくせ者だ。一見「意識高い系」の人のようだが、実際はそういうわけではない。もう少し良い意味での垢抜けなさがあり、むしろ取っつきやすい人種だ。そして、高学歴でそこそこの年収を稼いでいて好奇心旺盛なアクティブな人がマメヒコの各種イベントには集まってきている印象を受ける。遠足や味噌会で知り合った人たちはみんなテキパキしゃべるし、理路整然としていて心地よい人ばかりだ。・・・さすがにおかでんごときが太刀打ちできる相手ではない。謙遜込みで、そう思っている。

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そもそも、「北海道まで農作業だけのためにわざわざ時間とお金をかけてお出かけする」というこの企画自体が随分と酔狂だ。新しい体験と知識を望んでいる人でないと、そんなことはしない。しかも、毎回参加するだなんて。

僕自身がまさに「毎回参加」しているわけだが、それは自分がスノッブな人になりたいからではない。植物を育てるというのは都会暮らしの生活の中ではとても貴重なことで、一度乗りかかった舟は最後まで乗り切りたいと思ったからだ。5月、何もない更地に種をまいて、7月、その大地が緑に覆いつくされているのを見て驚愕した。では今回9月、何が待っているのか?それはもう、きっと強い充実感があるに違いない。収穫を見ずして、農作業を満喫したとはいえまい。

もっとも、ほんの時たまハタケに顔をだしてさえいれば植物がすくすくと育つ、なんて甘い話はない。ずっと一人でハタケに常駐し、あるときは雑草むしり、あるときは害獣とのバトルを四六時中行っているスタッフさんのおかげである。それから、肥沃な大地を作り上げてくれた、過去長い間この地を耕した地主さんのおかげでもある。さらに言うと、そういう「ビジネスとしては大して儲けにもならない場」を維持しているマメヒコのおかげだ。すべてがありがたく、拝みたい気持ちにさせられる。ナムナム。仏教なのかどうかよくわからないけど。

5月の遠足時は、マメヒコ側のあんまりな「放任主義」に愕然とさせられたものだ。「大人ですから。」の言葉だけで、ハタケ以外のことは勝手にやって勝手に解決しろ、という潔さにシビレた。物見遊山の観光客気分だった僕ら参加者は、冷や水を浴びせられた気になり、慌てて参加者同士で団結力を高めたものだ。

7月の遠足時は、遠足参加者用の掲示板やFacebookグループを作るなどして「放任主義対策」を実施した。おかげで、現地までの足の確保など足並みがそろい、随分楽だった。また、マメヒコ側も5月はさすがにやりすぎたと思ったらしく、す気を遣ってくれるようになり放任主義は緩和された。

さて今回の9月。過去2回とも参加し、今回も参加するぜ!という人が数名いるし、5月または7月に1回参加したことがある、という人もいる。参加者の心の準備や宿や飛行機の準備など、地場固めができつつあった。ようやく、参加者同士の人間関係も実りを迎えつつあるといった感じ。

そんな中僕は相変わらず、「数少ない車が運転できる人」として参加者の取りまとめなどを行っていた。みんなバラバラに新千歳入りしてくる飛行機の到着時間、ホテルの場所をいちいち参加者に確認をとり、リスト化していた。んー、今回は遠足3部作の最終章ということだけあって、いつもより参加者が多い。レンタカーは大きなワンボックスカーを借りないといけないっぽい。慣れない大きな車だけど、大丈夫だろうか。大勢の人を乗せて、万が一事故を起こしたら僕自身の社会的ダメージがものすごく大きくなるんだよな。

一抹の不安を感じつつも、出発の準備を進める。今回は、前回使ってみて値段・サービスともに満足がいったLCC、「バニラエア」を往路・復路ともに使うことにした。成田空港から新千歳空港まで、片道で6,500円だったような気がする。なんだよこのお値段。いくら早期予約したからとはいえ、どうやって儲けているのかまったくわからない。きっと慈善活動として航空会社を運営しているに違いない。

宿は、「本当に札幌に泊まる必然性ってあるのか?」と思いつつも、今回も札幌を選んだ。千歳市にあるハタケから1時間以上かかる場所ではあるのだけど。で、これも前回から引き続き、カプセルホテル「ソーレすすきの」を選んだ。回を重ねるうちに、「定番」となる場所とか段取りが増えてきて楽しい。

2014年09月27日(土) 1日目

成田空港

06:33
片道6,500円には訳がある。成田空港発7:15の便に乗るからだ。なんだその時間。もう笑っちゃうしかない。成田なめんなよ、ちょっと前まで「新東京国際空港」って名乗ってはいたけど、都心からかなり遠いからな。千葉県浦安市にある「東京ディズニーランド」の「ギリギリ千葉県でしたー」感とは全然違う、ガチな、リアル千葉県だ。そんなところから出る飛行機に、7:15にはニコヤカに搭乗済みであり定刻出発せよだなんて相当ムチャがある。幸い僕は東京都の東側に住んでいるのでアプローチがかろうじてできたが、東京23区の西側であったら、「7:15の便」は始発電車に乗ってもアウトかもしれん。そんな便。

早起き選手権でもやっている気持ちになる。

電車はもちろん朝5時過ぎのものに乗る。ショボショボした目に、夜明けのお天道様がまぶしい。

時間厳守が特に厳しいLCCなので、ちょっとでも遅刻したら「はいダメー」って言われて搭乗させてくれないかもしれない。かなり余裕を持って空港には到着していないといけない。

バニラエアのカウンター

06:34
2015年にLCC専用の第三ターミナルが完成するとのことだが、まだこの時点では未完成。LCCは第二ターミナルの片隅に、すいませんすいませんと言っているかのような場所にカウンターを設けている。

全回利用したジェットスターのカウンターとはまったく違う場所にバニラエアのカウンターはあった。「LCCをご利用の方はこっち方面にお越し下さい」というわけではない。とにかくLCCというところは「新興勢力。しかも金をケチれるだけケチる会社」なので、成田空港とていい場所を与えることはできない。なので、空港内の隙間にそれぞれの会社を押し込んだような形になっている。

国内線出発口

06:38
チェックイン手続きを済ませ、保安検査場を抜けると、国内線出発口まで延々と歩く。質素な廊下だ。動く歩道?バカ言うな、そんなもの作ったら金かかるやんけ、という潔さがつくづく素晴らしい。

「老後の楽しみは旅行」という方は多いと思う。でも、お金が安いからといってLCCを使ってはいかんぞ。まず、搭乗する前でへこたれる。その結果定時運行に支障が出たりしたら周囲の迷惑だ。体力がない人はLCCに乗ってはいかん、これは大原則だ。あと、体が不自由な方もそう。「社会的弱者に対する差別だ!」とは言いっこなしで。ちゃんとお金を払えば、それなりのサービスを伴った旅行ってできるのだから。

簡素な作り

06:39
つぎはぎで増設しました感ばりばりの歩道を歩く。途中、いよいよ歩道を囲う壁すらなくなり、柵だけになってしまった。冬ともなれば当然寒いし、雨風が吹けば濡れる。機内に搭乗する際、沖止めになった飛行機に向けてバスで移動します・・・なんてのがLCCなわけじゃない。バス乗り場に至るまでが、既に試される大地なのだよ。

待合室

06:41
行き止まりまで歩いたら、そこはバスの待合所になっていた。ここで、お目当ての便のバスが運行されるまで待機だ。

ひたすらガランとしていて、白く光る床が殺風景さを際立たせている。柱は鉄骨むき出し、天井は化粧板なんてものはなく配管や照明、空調が「どうだオラァ」と存在を際立たせている。恥じらいなんてものは100万年も前にかなぐり捨てた風情だ。いや、「捨てる」もなにも、初めっから備わっていなかったか。

「いよう朝からがんばっとるね貧乏人諸君!」

と、早朝から待合室にいる皆様に声高らかにご挨拶したかったが、お前自身がそもそも貧乏人じゃん、というブーメランになるのは必至なのでやめた。

Vstore

06:42
Vstore、というお店がこの待合所にはあった。聞いたことがない名前だ。しかし、そのカラーリングからバニラエアの系列店であるということがすぐにわかった。驚いた、LCCであっても空港内売店っていうのは運営するものなのだな。そりゃ独占販売できる立地なのだから、売店経営のうま味はひとしおだとは思うけど、こういう「本業とは別のこと」もLCCがやっていることに驚き。

バニラエアはANAが100%出資している子会社だけど、ANA FESTAがこのLCCエリアのシマを主張するわけではないのだな。

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