森林限界突破の恍惚【日光白根山】

08:14
朝ごはんを食べ終え、奥日光小西ホテルをチェックアウトする。

外は晴天。日光湯元の背後が今日これから目指す日光白根山なんだ、こいつァ1日登山を遅らせた甲斐があった。今日は日焼けを気にしながらのウキウキ登山を楽しめるだろう。

山頂手前から火山特有のガレ場となり、いかにも高山を登っている気分が楽しめるらしい。標高2,500メートルちょっとの山だけど、森林限界を突破し、遮るものがない中の登頂だ。いいじゃないか、やっぱりね、山というのは風光明媚であって欲しいものだね。

もちろん、奥秩父の樹林帯歩きの登山みたいなのもいい。でもね、やっぱり「森林限界突破の恍惚」こそがわかりやすく山歩きの楽しさなんだよな。ああ、これだけ疲れてもその甲斐があったなぁ、と。

僕がいた中学校や高校は、山登りの遠足が多かった。林間学校で、往復20キロの行軍なんてのもあった。途中の食事は、弁当箱に詰めたご飯と、牛肉の大和煮の缶詰だけ。あとは水。で、ひたすら車道と林道を歩き続け、中国山地という「面白みには欠ける山」の一つに登る。当時、これは一体なんの苦行なのか?と思ったものだ。山頂まで、せいぜい1か所か2か所程度だけ見晴らしがよいところがあって、あとは樹林帯。見晴らしが良いと言ったって、中国自動車道の高架が見えるくらいのものだ。で、山頂に着いたといっても、眺望がゼロで、標識がないとここが山頂かどうかさえわからない場所だった。くそったれ、と思ったものだ。

僕が山に目覚めたのは、カメラを初めて手にし、このカメラでいいものを撮影しようと秩父の武甲山に登ったことからはじまる。武甲山は石灰岩でできた山で、セメント用に山そのものが削り取られ、既に半分近くがなくなってしまっている風貌だ。つまり、風光明媚だった。これだ!山というのはこれだ!と思ったものだ。

なので、僕は月並みだけど眺めが良い山と山道が好きだ。「温泉は白濁しているのが好きです」と言うと、温泉通から「ケッ、にわかが」と小馬鹿にされるけれど、それと同じような月並みな発言だけど、眺めが良いのが好きです。そして、そんな場所にラクして行けると、もっと好きです。

その点今回は、ゴンドラで標高2,000メートルまで行けるという。幸せじゃのう。楽しみじゃのぅ。

08:45
で、訪れたのが群馬県の丸沼高原スキー場。

あれれ、金精峠を超えて栃木県から群馬県側に入ったら、一気にガスっちゃったよ。

大丈夫だろうか?登れるか?これ。

とはいえ、雨の予報は出ていないようだし、少なくとも栃木県側の山麓は晴れていた。とりあえず行けるところまで行くことにした。

ゲレンデ脇の売店自販機で、飲み物を買う人々。

08:48
この売店、お弁当販売があるということは事前に知っていた。

山頂で食べるお昼ごはんをどうするかね?ということで、ここでお弁当を買うという選択肢があったのだけど、もし実際に売っていなかったら、もし売っていたけど売り切れたなら、山中で途方に暮れることになってしまう。なので僕は慎重に家から食料を持参していた。

いっぽう残り3名は現地での食料調達を狙っていた。結果としては、お弁当の販売は実際にあった。いなり弁当と、おにぎり弁当。もちろんお買い上げ。

昨日の道の駅以降コンビニとは縁遠い時間を過ごしてきたので、こういうお弁当販売スポットが登山口にあるのはありがたい。

08:48
売店はがらんとしている。スキーシーズンじゃないので、お客さんは少ない。微妙に朝早いし。ただ、9 時前でも営業をやっている。

「高原の駅丸沼」という名前らしい。なんだよ高原の駅、って。

08:49
この売店がある場所と、ゴンドラ乗り場とはちょっと距離が空いている。また車にのり、駐車場内を移動する。

6月だけど、スキー場の駐車場はけっこうな賑わいだ。もちろんこの時期スキーやスノボはできないので、登山の人たちの車だ。

ゴンドラ乗り場がある建物、センターステーション。いやぁ、前方はみっちりとガスがかかってるけど大丈夫かね。

ここにはレストランや売店だけでなく、日帰り入浴施設、グループや家族向けのレンタルスペースもある。

08:58
日光白根山ロープウェイ、くだりの最終時間は16:30。あと7時間半後にはロープウェイ山頂駅に戻ってきている必要がある。まったく問題ない時間だけど、リミットを切られると心配な気持ちになるものだ。

建物の中に入ると、まずは2階に通じるエスカレーター。

そして、チケット売り場。

ロープウェイの利用料金は、往復2,000円片道1,100円。

さすがにこの時期はスキーシーズンではないので、1dayパスは売られていなかった。当たり前だ、何往復するつもりなんだ。

往復券に入浴券がついた「得々パック」というのも売られていて、これは往復料金に400円をプラスしただけでお風呂に入ることができる。いいじゃないか、下山後に風呂だなんて!と思ったが、まゆみさんから「お風呂はいらないんじゃない?」と言われたのでやめておいた。そうか、登山と風呂がセットではないという人もいるのか。

日光白根山登山の様子を写真に撮って貼り出してあった。ちょうど今はコマクサが岩場で花を咲かせているらしい。よっしゃ、探してみよう。

(つづく)

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