
14:40
座禅山から先は、うっそうと茂った薄暗い針葉樹林帯を歩いていくことになる。
丸太を地面に埋め込んだ段差があちこちに作られていて、丁寧に登山道が整備されていることがわかる。
ありがたいのだけど、疲れた大腿四頭筋は一歩また一歩と踏み出すたびに、体を支えるために「うう」とうめき声を上げているように感じる。

14:42
ぱっと見は地味な登山道だけど、地味にキツい下りだった。後で地図を確認すると、座禅山から一気に200メートルくらい標高を下げていた。そりゃ疲れるわけだ。

14:48
ひたすら下っていく。

14:59
分岐点が見えてきた。
七色平、避難小屋方面への分岐道になる。
ここを避難小屋方面に向かい、行きに通った大日如来のルートに合流するのがここからロープウェイ駅への最短コースになる。
しかし、このまま西に向かっていくと、「賽の磧(さいのかわら)」という気になる地名に登山道は向かう。気になる。見てみたい。なので、ここはまっすぐ進むことにする。

15:04
みなさんの疲労具合を考えると、これ以上僕の趣味でルートを大回りするのはまずい。
そろそろ怒られるかもしれないので、軌道修正も考えなければ。
ついでに、ロープウェイの最終時刻は16時半。標準コースタイムは50分なので、16時にロープウェイ山頂駅に到着できる見込みだけど、あまり余裕がない時間だ。それも意識しながら、歩いていかないと。

15:08
こういう倒木があると、疲れがどっと出る。
かがんで、くぐり抜けるという動作をやると、太ももに強い負荷がかかるからだ。うう、キツい。
しかもこれが1本だけでなく、まるで障害物競走のように何本も出てきた。
あるところではくぐり抜け、あるところではまたぐ。まさに体力のすべてを搾り取ろうとしているかのようだ。
最短ルートで登山口に戻ろうとしなかった僕は、口にこそ出さないけれど「みんな、すまん!」と謝っていた。

15:09
血の池地獄への分岐もスルーして、西へと進んでいく。
このあたりの道はなだらかで、少し気が休まる。

15:15
また分岐が現れた。ここもスルーする。
地図を見ると、ロープウェイ山頂駅から短距離でぐるっと一周「ちょっとしたトレッキングができるルート」として「自然散策コース」なるものがあるようだ。分岐した道は、そのコースに接続する道となる。
この散策コースは展望台が途中にある。そして今目の前にある分岐ルートも、その展望台まで行くことになる。「展望が良い=登る」ということであり、このルートはとりたくなかった。

15:19
まだ西を目指す。登山道が雨水の通り道になっているのか、周囲と比べてえぐれたように低くなっている。そのため、相変わらずところどころに倒木があって、僕らを苦しめた。

15:20
苔むした倒木。
(つづく)
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