車は国道120号線をひた走り、群馬県の最果て・丸沼高原スキー場までやってきた。
最果てといえば、以前僕は「国道走破サイコロの旅」を越後湯沢からスタートした際、ここでギブアップした経緯がある。

このときは、越後湯沢を車でスタートし、国道の分岐ごとにサイコロを振って右の国道に行くか・左の国道に行くかを決めて前に進んでいくというルールだった。そして、最終的に東京都内に入ればゴール、というものだった。もし盲腸国道にさまよいこんで、行き止まりになったらゲームオーバー。
で、このときは沼田から国道120号線に入り、栃木県に戦いの場が移る・・・と思いきや、金精峠が冬季通行止めということでここ・丸沼高原で行き止まりゲーム終了、となってしまった。そんな場所。

13:19
ゲレンデのふもとまでやってきて日光白根山方面を見やると、分厚い雲の向こう側に青空が見えた。おや、日光白根山は今日、晴れていたのかもしれない。

標高2,000メートルのゴンドラ山頂駅の様子がモニターで中継されていた。ああ、雲が多いけれど晴れているんだな。
いやー、でも今日あの天気で、「白根山に登るぞ!」という判断は無理だ。
現地に着いてみないとわからないから!→雨でした
ゴンドラに乗って登山口につかないとわからないから! →雨でした
山頂に着かないとわからないから! →やっぱり雨でした
というわけにはいかない。今日は、登りたい!という気持ちをグッとこらえて、明日に備えよう。
なんで僕ら、こうして「今日中に登りたい」という気持ちが強いのかと言うと、全員勤め人として「日曜日に登ると、月曜日のお仕事がしんどい」からだ。土曜日に登ってしまえば、日曜日は体力回復に充てられる・・・そういう気持ちがある。

ゴンドラ山頂駅から日光白根山山頂方面を見たアングル。やっぱり雲が多くて、山頂あたりの視界は開けていないようだった。
いずれにせよ、前日のうちに登山のスタート地点の確認ができたのは、気分的にずいぶんラクになった。翌朝の気持ちの持ちようが違う。

14:01
さて、丸沼高原を抜けてその後どうするの?
まだ宿に入るのは早いので、日光湯元温泉を素通りし、奥日光の戦場ヶ原に行ってみることにした。
一旦車を三本松園地に停める。

三本松園地の地図。日光白根山は、この地図では左上の端からもうちょっと外にある。

戦場ヶ原。
日光、華厳の滝、中禅寺湖を観光する人は多いだろうけど、ここ戦場ヶ原まで足を伸ばす人は少し減るはずだ。でももったいないので、ぜひ訪れたほうがいい。
とはいっても、ご覧の通りの広大な湿原だ。何かあるわけではないので、「歩く」ことが楽しい人限定になる。

でも、これだけ広大な湿地が広がり、周囲が山で囲まれた盆地のような見栄えなのは貴重だ。
尾瀬に行きたい、と思っている人は多くいるけれど、尾瀬湿原はたどり着くまでが大変だ。健脚でないとたどり着けない。しかしここ戦場ヶ原は、車で間近に来られるので、体力がない人でも湿原を楽しめる。

蝶がひらひら飛んでいて、近くの岩場に止まったので思わず写真を撮った。
職場の先輩で蝶が趣味の人がいるからだ。その人に言わせると、蝶は奥が深いのだという。
自宅に蝶がやってくるように、わざわざ庭に蝶が好む植物を植えている、というからこの人すげえ、と思ったものだ。

14:10
どうせ今日は時間があることだし、戦場ヶ原をぐるっとトレッキングしてみよう、ということになった。なにせ、すっかり晴れ上がっちゃったから。

14:12
三本松園地から泉門池(いずみやどいけ)、赤沼茶屋を経由して三本松に戻るという逆時計回りのルートをとることにした。ざっと2時間くらいの所要時間だ。
背後には、日光の象徴ともいえる男体山がそびえている。あそこも百名山の一つなので、いずれ登りたいと思っている。ただし、富士山のようにすっくとそびえる山なのでひたすら登り一辺倒のしんどい山らしい。さらには、二荒山神社の境内にあたるので、入山料を支払うことになる。
月山のように山頂部分だけ神社に寄進が必要なのではなく、登山口からお金を払う必要があるのはちょっと珍しい。富士山と、この男体山、あとは石川県の白山が有名だけど、他にもそういう山はあるだろうか?
(つづく)
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