登山のシメは温泉とラーメン【大山】

11:42
大山ケーブルカー内部。

丸い天井が印象的なデザイン。

先入観だとは思うが、イメージとしてケーブルカーというのはマッチ箱みたいな四角い形をしていて、それが山の斜面に対応するために平行四辺形に変形したものだと考えていた。これはもう少し、モダンなフォルム。

11:45
ゆっくりと標高を上げていく。

ケーブルカーって、「力任せで標高を稼いでいる!」という強い実感を伴うのがいい。車でスイーと水平移動することや、エレベーターでらくらく垂直移動することには、もはや驚きや興奮はない。でも、ゴットンゴットンと重たそうに標高を上げていくケーブルカーって、もっとも「科学技術の勝利だ!」という感覚を覚える。

たぶん、垂直と水平を同時に移動するからだと思う。

じゃあ、町中にあるエスカレーターだってテンション上がるか?と言われると、それはない。スムーズすぎるんだよな。もっと、「揺れ」とか「音」がないと、人間というのは愚鈍な生き物だから肌感覚に落とし込めない。

それはともかく、ちょうど中間点で上りと下りのケーブルカーが行き違う複線区間に、「大山寺駅」があった。よくできているものだ。

大山寺とケーブルカーを比べたら、明らかにケーブルカーの方が後にできている。だから、ちょうど大山寺駅が路線の中間地点になるように、この路線の長さや始発・終着駅の位置は決められたのだろう。

誰も降りる人がいないまま、しばらく停車してから再出発。

11:49
阿夫利神社駅到着。標高678メートル。

ずいぶん標高を稼がせてもらった気がするけれど、大山の山頂は1,252メートル。道半ばだ。

まるでバンジージャンプの飛び降り台のようだ。宙にせり出しているようにも見える、ケーブルカー。

このケーブルカー、先頭部分の形状が「山麓側」と「山頂側」で違うんだな。山麓側は鼻が伸びているようなデザインだけど、山頂側はすっぱり切れ落ちているデザインになっている。

阿夫利神社駅遠景。

シンプルな作りの駅だけど、随分強引な場所に駅を作ったものだ。

山の斜面はランダムだ。谷があったり、急斜面や緩斜面があったり、崖もある。そういうのを乗り越えつつ線路を敷いて、駅を作らないといけないのだからケーブルカーは大変だ。

立派な石柱に囲まれた石畳の参道をあるきながら、大山阿夫利神社に向かう。

途中、大きな茶店がある。「さくらや」という名前らしい。山頂で補給はできないので、水や食料がない場合はここが最終補給地点だ。

「ルーメソ」という赤いのれんが目立つ。

ルーメソってなんだ?逆から読んでも「ソメール」で、意味が不明だ。

・・・と思って調べてみたら、「ラーメン」ののぼりを横にして裏返しにしたら「ルーメソ」になって、それが話題になったのでそれ以降「ルーメソのれん」を掲げているのだという。

ネットを探せば、「ルーメソとは何か?」という記事がたくさん見つかる。ちくしょう、まんまと思うツボだった。あまのじゃくな性格の僕は、悔しい。

11:52
さすがにケーブルカー駅を下りたら目の前に本殿があります、なんてことはない。そんな便利すぎる神社、見たことがない。やっぱり神社仏閣というのは、境内を歩かせてナンボという要素がある。

ここまで苦労して登ってきた方にとって残念なお知らせです、まだ上りがあります。でもこれが最後だから頑張って。

石段脇の石柱は、寄進した人や組織の名前が彫り込まれている。掘った文字を赤く塗っているので、とてもよく目立つ。

石段手前の一番目立つところには、「台湾省」(=中華民国・台湾のこと)の会社による石柱が立っていた。「大山電線電纜股份有限公司」と書いてある。「大山」つながり、ということなのだろう。

まだ台湾が日本統治の時代に作られた会社なのかな?と思って、わざわざこの会社について調べてみたが、1964年創業の会社で日本統治とも、日本とも関係のない会社だった(日本と取引はある)。

LANケーブルやテレビ用の同軸ケーブルなどを作っている会社なんだって。へー。

大山阿夫利神社。

急な斜面をグイグイ登ってきたケーブルカーの先に、こんな開けた場所があったのは驚いた。

立派な拝殿。千木、鰹木がずらりと屋根に並び、まるで八木アンテナのようだ。

なんで阿夫利(あふり)という、謎の名前なのか?と不思議に思ったが、この山が「雨降り山」と呼ばれていたことから転じて「あふり」になったという説がある。

なるほど、丹沢山系の端で、標高が1,200メートル超えてくる山だ。天気の移り変わりは敏感に反応し、ガスったりするだろう。昔の人は、この山を取り巻く雲の様子で天気を占っていたのだろう。

なお、祀られている神様はオオヤマツミ。

11:56
拝殿から今来た道を振り返ったところ。関東平野、そしてその先の相模湾がバーンと開けている。

江ノ島もくっきり見える。

(つづく)

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