森林限界突破の恍惚【日光白根山】

15:56
鴨の親子がバチャバチャと水遊びをやっている姿が見える。微笑ましい。

「水遊びじゃないぞ、生きるのに必死なんだ」

と鴨から言われそうだけど、人間は勝手ないきものだ。「ああ、良い景色だ」と勝手にほっこりする。

ただ、その勝手な解釈に対する抗議のつもりか、カメラを向けたらバタバタと羽音を立てて向こうに行ってしまった。あああ、待って待って。せめて写真を撮らせて。

16:11
そのあとも湿原の写真を何枚か撮っているのだけど、歩きながらの適当な撮影だと間延びしたものにしかならなかった。なので割愛。

ちょっとすっ飛ばして、戦場ヶ原の湿原はこれにて終了。また車道に戻ってきた。

出てきたところは、赤沼茶屋。

ここも、スタート地点の三本松茶屋と同様、ぽつんと駐車場と茶店がある。戦場ヶ原トレッキングの拠点の一つとして、ここに車を駐めて出撃する人が多いようだ。

はるか昔、20年以上前だったと思うが、僕は兄弟でこの駐車場にテントを張って一泊したことがある。今だと多分ダメだろうな。

16:28
15分ちょっと車道を歩いて、スタート地点の三本松茶屋に戻ってきた。うん、2時間くらいでぐるっと一周。変化に富んでいて存分に楽しめた。こいつァいい。明日の天気はまだどうなるかわからないけれど、筋肉痛にならない程度に登山に向けたウォーミングアップができた。満足。

さて、頃合いもよろしいことですし、そろそろ宿に向かおう。目指すは、日光湯元。

16:47
日光湯元に到着。

日光湯元は、戦場ヶ原の上流&日光白根山の山麓に位置する温泉地で、「湯ノ湖」の湖畔に位置している。すごいよな、「湯ノ湖」という名前だぞ?それだけこの温泉がスゲー、ということだ。きっと温泉ドバドバだぞ、湯が溢れかえってるぞ。たぶん。希望的観測で。

ちなみに湯ノ湖と戦場ヶ原の間は急な崖があって標高が違う。その差を埋めるべく、湯ノ湖から「湯滝」という滝がバシャーっと落ちている。そこから、戦場ヶ原を蛇行する川・「湯川」になり、中禅寺湖に注がれていく。

いちいちすごい。なにしろ、「湯元」「湯ノ湖」「湯滝」「湯川」と続くのだから。

日光湯元に到着すると、何やら別荘地か、高級住宅が連なる団地かのように道路が区画整備されていてびびった。思わず道に迷ってしまったくらいだ。

じゃっかん迷いつつ、到着した本日のお宿はこちら。

奥日光小西ホテル。お世話になります。

昔の名残なんだと思うが、宿の玄関にたくさんの旅行代理店の看板が掲示されている。

これを掲げることで何かメリットあるのだろうか?と常に思っている。

面白いことに、ここでもSuica・Pasmoが使えるということだ。へえ、こんな山奥の温泉宿でも!?と驚かされる。でも考えてみると、ここまで公共交通機関でやってこようとすると、東武バスを利用することになる。バスはPasmoが使えるので、その流れでここでもICカード決済が使えるのは不思議じゃないのだろう。

16:49
チェックイン。

フロントに白いポストが設置されていてちょっとびっくり。ここから郵便を出す人、いるのだろうか。「しまった、年賀状を出し忘れていた」とか?

僕ら世代はすでに文化として廃れてしまった感があるけれど、ご年配の方々ならば「旅先で絵葉書を買って、そこから知人に手紙を送る」ということをやる人がまだいるのかもしれない。

白いピアノが飾られているロビー。

おの奥に、昭和レトロな感じがするソファがならぶ。

ウェルカムドリンク、ということでこのソファでゆずジュースだったかレモンジュースだったか忘れたが、飲み物をいたただいた。ありがたい。喉が癒やされます。

ホテルや旅館に泊まるたびに、廊下の写真を撮っている自分のことが不思議だ。

これを撮ってなんの意味があるのか、と。

いまんとこ、意味があったためしがない。「松之山温泉凌雲閣」に泊まったときなんか、廊下そのものが味わい深かったけど。

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たぶん、部屋にたどり着くまでの「たかぶる自分の気持ち」をカメラに込めたいんだと思う。

でも、カメラで撮影できるのは、普通の廊下。

部屋に到着。

4人1部屋で宿泊することにしている。男2名女2名だけど、僕ら腐れ縁なので同じ部屋でぜんぜん問題ない。

奥に畳の間、手前にシングルベッド2つ。和洋のハイブリッド部屋になっている。

シングルベッド。

都会のビジネスホテルと違って、ギッチギチに詰まっていることなく、ゆったりした感覚が空いているのがすばらしい。

ベッドがあるけれど、あくまでもここは温泉だ。宿の名前も「ホテル」だけど、温泉である以上「浴衣と、丹前」が基本形となる。ここでスーパー銭湯ばりの館内着を着ると、若干風情が落ちるもんな。ものごとには「様式美」がある。というか、「そうそう、こういう格好をしたかったんだよ」という納得感が欲しい。浴衣を着ると、温泉地に来た!ということをつくづく実感し、深く満足する。少なくとも僕は。

(つづく)

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