登山のシメは温泉とラーメン【大山】

2017年は「ハッと我に返った」かのように山登りを再開した一年となった。

やっぱり、焼岳や仙丈ヶ岳といった「山小屋一泊で、ガッツリと登山を満喫する」体験というのはビシッと気持ちが引き締まる。「よし、来年もこの調子で山と遊ぼう」という意欲が湧いてくる。

ただ、いきなりスイスイと山に登れないのは、百も承知だ。ステップバイステップで、まずは春先から低い山に登っておきたい。そこから、夏に向けて標高を上げていこう。

体力の衰えを実感しているわけではないのだけれど、段々と「いきなり高い山に登れる気がしない」ようになってきた。それは多分、「自分の日常生活とは違う、肉体的な負荷」に対する正しい恐れと警戒だと思う。昔なら、何のウオーミングアップ登山もなく、いきなり3,000メートルの山に登っていたものだ。

しかし今なら、それはやらない。「事故りそう」というよりも、「しんどそう」という感覚だ。

あと、春先から登山に馴染んでおけば、標高が高い山の雪解けとともに山頂を狙える意欲を盛っていられるに違いない、という期待がある。「あー、だりー。めんどくせー」とか言っているうちにシーズン終盤、というのはよくないので、寒さが和らぐ季節から山に分け入りたい。

そこで今回の山歩きですよ。

百名山ピークハントばっかり興味を持っている僕は、関東周辺の低山はここ最近まったく眼中になかった。しかし、改めて今回、「日帰りで行ける関東近郊の山」を探し、いくつか候補を見繕ってみた。なるほど、へえ・・・と今更驚かされる。知らない山がまだまだあるものだ。

東京の東側に住んでいる僕にとって、「関東近郊の山」といっても手頃な山が近くに全然ない。筑波山か、房総半島のダラッとした標高の低い里山ぐらいだ。

ちなみに房総半島の山は、最高峰の「愛宕山」で標高408メートル。というわけで山が多い半島ではあるものの総じて標高は低い。しかし遭難事故が起きるような山域で、実は侮れない。というのも、里山ゆえに登山道・獣道・作業道が入り組んでいて、しかもメジャーな登山ルートでないと道標が整備されていない。読図術と、事前情報収集がちゃんとできる人でないと安易に立ち入らないほうが良い山もある。

それはともかく、関東近郊の日帰り登山となると、やっぱり西だ。奥多摩・奥武蔵・奥秩父、または丹沢山系といったところが目的地になる。

今回、そういった山を吟味した結果、神奈川県の「大山(おおやま)」を登ることにした。

丹沢山系の東端を形成する山で、標高は1,252メートル。まずまずの高さがある。関東平野からそびえていて、美しいシルエットが東京からもよく見える。ピラミッドのようだ、というと大げさかもしれないけれど。その美しさゆえ、山岳宗教の対象にもなっている。

2018年03月19日(月)

09:23
この日家を出発したのは、ずいぶんとゆっくりした時間だった。

「ああそうか、近郊の日帰り登山ってこういう時間でもいいのか」と今更のように感じる。

山に登るということを、ものすごく面倒で大変なことだと思いこんでいたけど、実はそんなに力まなくってもいいんだな。

とはいえ、丹沢に行く、というのは僕にとっては気分的に遠い。小田急線に乗って西に向かうこと自体が、滅多にないことだからだ。JRを乗り継いで奥多摩に行くのよりも、私鉄の小田急線に乗って丹沢を目指すほうが遥かに遠く感じる錯覚。

春のうちから意識的に山に登る、ということは、この腰の重さを解消することでもある。ほら、案外簡単に山には行けるんだよ、と自覚させる。

まずは新宿駅で小田急線に乗り換え。

今日はお昼ごはんを山頂で食べる予定なので、新宿駅の駅弁売り場で駅弁を買っておく。有名な山だけど、山頂でご飯を食べられる茶店はなさそうだった。

10:35
大山登山の玄関口、伊勢原駅にやってきた。新宿駅からだと、1時間ちょっと。厚木より先、秦野より手前。

駅構内には、大きく大山観光の看板が出ている。

「大山、ふたたび。」というキャッチコピーが大きく書かれているが、すまん、僕は初めてだ。

コマと、冷や奴の絵がキャッチコピーの横に描かれている。そう、大山の山麓には豆腐を食べさせるお店が軒を連ねているそうだ。大山名物というのは豆腐だ、と。コマ?コマは知らなかった。

コマは欲しくないけど、豆腐は食べたい。登山前に食べるのは時間的に微妙、下山時に食べるのもお店が営業しているか微妙なスケジュール感だけど、ワンチャン可能性に期待する。

駅の階段脇に、観光案内所がある。もちろん、大山推しだ。

10:37
伊勢原駅の北口。ここにバスターミナルがある。

さすがに空が広い。でも、常磐線などの千葉・茨城方面に伸びる路線と違って、「ああ、地方にやってきたな」感はさほど感じない。新宿-小田原という、大きな都市同士を結ぶ路線だからだろうか。

10:37
駅の階段を下りてすぐのところは交番が衛兵さんの機能を果たしていて、通行人をチェックしているかのようだ。バス停はその先にある。雨の日は傘が必要。濡れずにバス停からバスに乗る、なんてのは考えが甘い。

おっと、「大山ケーブル行きのりば」の看板を発見。

ここから乗車だ。

産業能率大学行きのバス停も兼ねている。

今日は月曜日、しかも10時過ぎという「誰がこんなタイミングで登山をするんだ?」という時期なので、ハイカーの姿は皆無だった。ザックを背負っている自分が浮いて見えるくらいだ。

バスのりばでバスを待っている間、周囲を見渡す。

すると、駅前目の前に大きな鳥居が建っていることに気がついた。

大山阿夫利神社のもので、とても立派だ。駅前に鳥居が建っているというのは面白い。僕はバスで登山口を目指すけれど、敬虔な信者はここから徒歩で山中の神社を目指せ、ということだろうか。

それにしても、駅前すぎる立地だ。

りそな銀行、もうちょっと鳥居に配慮してビルを建てられなかったのか?と思ってしまうくらいだ。いや、駅前一等地だからりそな銀行だってこれくらいの自社ビルを建てたいだろう。これはしかたがない事案。

バス時刻表をチェック。平日だとだいたい1時間に3本程度。土日になると、午前中は1時間4本になるといった感じ。

10:43
バスがやってきたー。

テンションが上がるよな。電車が入線するよりも、バスの方がもっとテンションが上がる。

電車って、都心に住んでいるせいもあって「これを逃しても後続がある」という舐めた油断がある。でも、バスって「自分の知らないところに連れて行かれる」という誘拐される感覚と、「これを逃すと次の便までしばらく待つかも」という怖さがある。だからこそ、やってきたバスを見るとすごく嬉しくなるものだ。

さあ、ここからが旅だ!という感じ。

10:52
バスは大山を目指す。正面右の、美しい斜面の山が大山だ。山頂あたりは雲に覆われているようだ。

バスに座る時は、小学生の気分そのままに、左側最前列に座るのがボクのジャスティス。

(つづく)

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