
09:41
登山開始。
まずは、赤い鳥居をくぐっていく。どうやらここから神域に入るらしい。鳥居には、「二荒山神社」と書かれていた。あれ、男体山の神社と一緒なのか。
昨日、戦場ヶ原トレイルをやった際、伝説として「男体山と日光白根山がケンカをして争ってできたのが戦場ヶ原」という話を聞いたんだけど、今や同じ御神体を祀っているのだな。
それにしても山同士が闘うって、すごい迫力だ。三国志で、百万人の軍勢が戦うのよりももっとすごい・・・と思う。たぶん。

09:42
紫の花が咲いているな、と思ったらシラネアオイだった。
なんだなんだ、山に登らなくても、ロープウェイ山頂駅付近で花見し放題じゃないか。おい、酒もってこい。ここで花見ができる。
シラネアオイ、たんなる草のように見えるけどこれも立派な多年草。うっかり踏み潰したりしたら数年間は花を咲かせられなくなる。なので、花見で酔っ払って千鳥足でうっかり茎を折る、なんてことは絶対にしちゃダメ。

09:43
真っ赤な鳥居と、本殿がある二荒山神社。まだ比較的あたらしい。
古くは1400年くらいに神社が建立されたけれど、朽ち果てていたので最近再建したのだという。石のほこらを作る、なんてものじゃなくてとんでもなく立派な神社だ。日本製紙が作ったのだという。へえー、日本製紙はこんなこともやるのか。
財務会計上ではどういう勘定になっているのだろう?広告宣伝費じゃないだろうし、「厄災から守っていただく」ことから保険扱いというわけでもないだろうし。
神社本庁かどこか宗教法人に寄付する、という形にしたのかもしれない。そうでないと、「神社の建物は固定資産税の対象になります」なんて税務署から言われたらせつなすぎる。

09:44
ここから先は鉄柵で遮られている。鹿よけの柵だ。
「この先猛獣注意」なのではなく、「シカが入ってこられるのはここまで。ここから先はシカが入ってはいけない」という場所だ。つまり、今いるこの場所の方が危険、というわけだ。ちょっと不思議な感覚。

09:45
「森のマメ知識」という看板が登山道脇に掲げられていた。ここでは「フィトンチッドって何?」という解説が書かれていた。
どこがこの看板を用意したのかというと、日本製紙。へー、日本製紙、やるなぁ。このあたりの地主さんなのか。
地主、といってもこの界隈は日光国立公園だ。むやみに木の伐採はできないし、そもそもこの標高2,000メートルで木を切って外界に運び下ろすのは非効率だ。なので、完全にボランティア的にこの看板やさっきの神社を立てているのだろう。ありがとう日本製紙。たぶん。
実はこの裏に、地球をも揺るがす陰謀が・・・!
なんてことはないと思う。

フィトンチッドが感じられるかどうかはともかく、気持ちの良い森林を歩く。これは楽しい。
以前、木曽桧の産地にアワレみ隊で訪れたことがあり、そこで嫌というほどフィトンチッドを満喫した。

あれはいい体験だった。ここもまた、種類はちがうけどいい体験だ。

09:50
森だけでなく、登山道も大変によく整備されている。
そして、登山道の途中に、丁寧な道案内板が掲示されているのもありがたい。番号が振られていて、今いるのは地図上のここですよ、とわかりやすく解説してくれている。
特にこの山の場合、「縄ばしご状に、登山道が構成されている」というちょっと変わった作りだ。あみだくじのように移動できるので、この現在地表示は助かる。

09:56
さて、気持ちの良い平地歩きはそろそろここまで。
だんだん標高を上げ始めたようだ。

10:02
ぬかるみやすい場所は木道が設置されていて、とても歩きやすい。

10:06
最初の心肺トレーニング。階段でぐぐぐっと標高を上げる。
今回の登山は、「どうせ標高差580メートル弱」というのがわかっているので、気分がラクだ。しかも、火山による、富士山のようなきれいなお椀型の山だ。道中、無駄にアップダウンがない。
なので、今ここでしんどい思いをすれば、そのあとラクだということだ。稼いだ標高は、裏切らない。
(つづく)
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