「小田原場外市場」と呼ばれている「小田原水産会館」は、ほとんど営業していなかった。先ほど見た「4種類の御飯食べ放題」をやっている「なみ」はこの建物の二階で営業中。
場外市場なので、プロ向けのお店が入居しているのだろうか?
建物の入り口に「準備中」の札を掲げているお店がある。見てみると、昼の部の営業は終わりました、夜の部は17:30からですよ、と書いてあった。
ああ、そうか。
観光なので浮かれていたけど、当然飲食店は中休みがあるよな。
観光地の飲食店って、昼夜ぶっ続けの通し営業スタイルのところが結構あるので、当たり前のことをすっかり忘れていた。
今回の大本命、「小田原さかなセンター」に行ってみた。この界隈では大きい建物だ。
ここは観光客を意識した作りになっていて、大絶賛営業中。
ただ、僕がこれまで完全にこの地を見落としていたように、まだまだ穴場スポットのようだ。お客さんの数はそれほど多くはなかった。
店頭の冷蔵棚には、小田原の名産であるかまぼこがびっしりと並ぶ。あと、伊豆半島の名物であるわさび漬け。
うーん、「食事無しの宿で食べる夕食」としては選べないぞ。
「夕飯自己解決宿」に泊まる経験がほとんどないので、今頃になって「あ、そういうことか」と気づくことが多い。
かまぼこなんて、「メインディッシュにはならないけど、食事に華を添える役としてはいいよね、買っていこうか」とつい思ってしまう。小田原名物だし。しかし、包丁がないとこのかまぼこは切れないし、醤油も別途買わないといけない。
あー。
「すでに一口サイズに切ってあるかまぼこ」なんて当然売っていない。
これがキャンプなら、調理器具一式を持っているのでどうにでもなる。しかし、着替え+α程度しか持参していない観光一泊旅行なので何もない。
わざわざこのために包丁かナイフを買う、というのも馬鹿馬鹿しい。
いったん、パス。
恵方巻きみたいにかまぼこを丸かじりすればいい、って?いや、さすがにそれは食感が悪すぎる。「豪快!」というよりも、むしろ見栄えが悲惨なことになりそうな気がする。
そうなってくると、鮮魚コーナーというのも当然、指をくわえて見るしかないのだった。
「獲れたて地魚コーナー」などと僕らを煽っているお店だけど、どうにもならない。
場所柄、あじの干物がたくさん売れていたけど、これは炙らない限り食べようがないし。
うーん・・・。
お土産に買って帰るとしたって、明日の夜まで常温保存というのは感心しない。
テラス席では、海鮮バーベキューをやっている人たちがいた。いいなー。
いっそのこと、コンロを買って宿に持ち込んで、焼き魚でも・・・と頭をよぎったが、火災報知器が鳴るからやめとけ。あと、そこまでするくらいなら、おとなしく包丁を買って刺身を作ったほうがまだましだ。
何も買えるものがなく、すごすごとさかなセンターを後にする。
スーパーがこの先、箱根湯本に行く途中にあるのでそこで買い物をすることにしよう。
本当なら、そこでは飲み物やお菓子を買う程度でしか考えていなかったのだけど、食事関係の全てを見繕うことになった。
車を停めているところへの帰り道、「ひもの屋」という建物があった。
ボイルイカは火がすでに通っているから食べられる!と立て看板を見て一瞬思ったけど、まさかそれだけで夕食を済ませるわけにはいくまい。5枚で1,080円というのはありがたい値段設定だけど、そんなにはいらないし。
「骨とりさばみそ煮」も火が通っている!・・・けど、袋を湯煎せよ、と書いてある。ああ、温めないとおいしくないよね、やっぱり。
よく考えてみれば、漁港近くのこの手の鮮魚屋さんで、「刺身盛り合わせ」なんてものが売っているのはあんまり見ない。大抵、バーンとまるごと一匹だし、そうでなけりゃ練り物や干物といった加工品だ。
事前の認識が甘かったようだ。
最後、西湘バイパスの橋桁すぐ下にある「小田原早川漁村」というお店に入ってみる。
一階は売店、二階は海鮮レストラン。
うーん、レストランで食事じゃないんだよなあ。
箱根の玄関口でもある早川だけど、さすがに「夜になって、宿から車でビューンとここまで夕食を食べにやってくる」にしては遠い。
「かつおサラミ」という加工品を発見した。250円。
かつおサラミには二種類あります、と語られている。
雄節:歯ごたえが有り 旨みが濃い
雌節:柔らかめ 芳醇な美味しさ
へえ、雄と雌で味が違うのか。面白いなそれは。
宿での食事には向かないけど、何か買わないと気持ちが収まらないので、買っちゃった。
本当は雄雌両方買って、食べ比べをしてみるべきなんだろう。しかし、晩酌の趣味がないため、この手の「酒のつまみに最適」系の料理はあまり量を食べられない。今回は「雌節」を買った。やっぱりレディーファースト、ってことで。
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