10:13
仙石原を経由して、箱根湯本方面に戻っていくことにする。
仙石原は一面のすすき野原で有名な場所だけど、まだ新緑の季節なので青々とした草原が広がっている。まるで牧場だ。
「ここはね、エヴァンゲリオンで『第三新東京市』として描かれた場所なんだよ」
とエヴァを知る僕はつい説明してしまうが、全くエヴァに詳しくない連れは
「ふーん」
としか反応しない。これは僕らに限った話ではなく、よくあるシチュエーションだろう。いわゆる「聖地」に行ってみて、方や大興奮する人、方や全く興奮しない人。その温度差。
10:25
強羅エリアに戻ってきた。
もともと箱根界隈にはさほど詳しくない僕だったけど、特に強羅周辺については全くといっていいほど知らなかった。今朝だって、強羅は経由しないで早雲山、芦ノ湖と移動していったし。
車で移動する人は、強羅エリアには立ち入らないことが多い。国道138号は強羅から少し離れたところを走っているからだ。
なので、少しこの界隈を車で移動してみることにした。
地図で強羅近辺の宿を見てみると、やたらと高級そうなネーミングが多い気がするが、気のせいだろうか。
本当はウロチョロしてみたかったのだけど、慣れない土地で、広くない道路で、観光客気分でキョロキョロしながらハンドルを握っていたら事故を起こしそうだ。危なっかしいのでやめておいた。
そのかわり、ちょうどケーブルカーの公園下駅に突き当たったので、せっかくなので駅のホームを見せてもらうことにした。
無人駅なので、ホームにお邪魔するのは自由だ。
線路は一本で、登りホームと下りホームに挟まれているのがちょっと珍しい。ホーム一つじゃ駄目なんだろうか。
急な傾斜の山を登っていくケーブルカーなので、駅のホームもその傾斜にあわせて急勾配。
そしてその坂の先には早雲山。早雲山の向こうからは、大涌谷の煙がここからでも見える。
あ、ケーブルカーが上から下りてきた。
坂の下方面を見ると、ちょいと先に行ったところに突き当たり。あれが強羅駅。
さすがケーブルカー、見事なまでにまっすぐな線路だ。
そういえば、ケーブルカーということは、井戸のつるべのようにワイヤーで車体が引っ張られて動くものだ。登りケーブルカーと入れ替わりに、下りケーブルカーが動く。
ということは、ケーブルカーに途中駅がある、ということは、駅間隔が等しくないといけないことになる。そうでないと、片方のケーブルカーが駅で停車している間、もう片方のケーブルカーは何もないところで立ち往生しなければならないからだ。
道理で、駅数が多いわけだ。途中駅が4つあるけど、本当にそれだけの駅数が必要なのかどうかはともかく、登りと下りの距離バランスを取らないといけないのだろう。
ケーブルカーが駅にやってきた。
我々は乗車しないので、ホームから一歩退いて、「乗らないですよ」という意思表示を運転手さんにしておく。
下りケーブルカーがこの「公園下」駅に停車している、ということは、上りケーブルカーは「上強羅駅」に停車しているのだな、ということがわかる。
10:30
しばらく停車ののち、乗客一人も乗り降りがないままケーブルカーは出発していった。するすると滑り降りていくのが、見ていて面白い。
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