2015年05月18日(日) 2日目
二日目の夜が明けた。
6時15分に起床。やたらと早い。
というのも、連れが「朝7時ちょうどに朝食会場に行かないと、混雑するらしい」と情報を教えてくれたのと、じゃあその前に朝風呂に入らなくちゃ、という考えがあるからだ。
廊下に出てみると、廊下中にパンが焼ける香ばしい匂いが立ちこめている。あ、パンを焼いているのか。出来合いのやつをゴロゴロと並べるだけなのかと思っていたのに。
食堂がある場所からは離れているのに、これだけ強烈に匂うということは、かなり大規模にパンを焼いているっぽい。ホームベーカリーでこっそりと、というレベルではない。
食堂から見て、こっちの建物は小高い場所にある。なので、煙突のような効果で匂いがこっちまで上がってきたらしい。パンが焼ける匂いで目を覚ます朝。いいじゃないか。
実際は目を覚ました後に匂いに気づいたんだけど、まあそこら辺はどうでもいい。
06:24
大浴場の隣にある、第2食堂に行ってみた。
第1食堂よりは広いけど、長机と椅子が置いてあるだけのシンプルなスペース。学食のような感じだ。冷水機だけ置いてあって、それ以外のものは置いていない。
食べ物や飲み物は、第1食堂から持ってきなさい、ということが徹底されている。
徹底ついでに、「用済みトレイやカップ類は第1食堂に戻してくれ」という注意書きも。
香ばしい匂いがどこからしてくるのかと思ったら、第1食堂の隣にのれんがかかっている場所があった。そこから奥がちらっと見えるのだが、ここが厨房のようだった。
大きなオーブンがあって、今まさにパンが焼かれている真っ最中。
せっかくなので第1食堂の様子を見に行く。
まだ6時25分なのに、気が早いおっちゃんがすでに席を陣取っている。
この宿は安く気軽に泊まれる、ということもあって、中高年男性一人泊、というパターンもちらほら見受けられた。やっぱり、お一人様の場合、泊まる場所に制約ができてしまう。温泉を楽しみつつ一人旅、となると、こういう気軽な宿は本当にありがたい。
第1食堂の壁際には、コーヒーサーバーが設置されていた。あと、レモン色をしたジュースも置いてある(味がなんだったか忘れた)。
「せっかくの朝なんだから、牛乳くらい出してくれたっていいじゃない?」
という我がままなお客様には、こちらをどうぞ。フルーツ牛乳含め、自販機で売っております。有料ですけど。
こういう潔さ、本当にいいよな。「お客様のために」というお題目であれやこれやサービスして、宿がヘトヘトになる必要はない。
宿には、「清潔で、安全であること」が最低限守られていればいいと僕は思っている。で、あとは僕自身のお財布状況によって、プラスアルファのサービスを提供してくれる宿に対してお金を余計に払う。
06:28
この時点でパンがすでに並び始めていた。その数、4種類。
もちろん焼きたてなので、うまそうだ。
これだけ山盛りに置かれているのは、町中にあるベーカリーでもあまり見かけない。テンションがあがる光景だ。この光景だけでメシが3杯食える。・・・いや、メシくってないでパン食べなさいよ。
06:35
朝ご飯までしばらく時間があるので、先日買った「歌舞伎フェイスマスク」で遊んでみることにする。最近人気の商品だ。
いわゆる美容用のパックなのだけど、そのパックに歌舞伎の隈取りを施してある、というもの。
2枚りで1,100円するので、決して安くない。日常使いとしては高いので、プレゼント用といったところか。もちろん僕は人生このかた、この手のパックをしたことがない。
赤い隈取りと青い隈取り、二種類が中に入っていた。
赤の方を使ってみる。ぬめぬめするので一瞬びっくりする。あ、そうか、パックというのはこういうものなのか。
で、装着してみたところ。
おお!往年のプロレスラー、ザ・グレート・カブキみたいになった。
朝食の間、なんだか落ち着かずソワソワしていたけど、いざパックを取ってみてさらにソワソワした。顔がテカテカヌルヌルしているからだ。タオルでゴシゴシ拭き取りたいところだが、それだとパックの意味がない。あー、落ち着かない。
鼻の毛穴の汚れをごっそり取る、「毛穴パック」みたいにバリバリッと引き剥がして、爽快感が得られる!というものとは違うんだな。
こういうのを毎日やっていると、お肌がつやつやになるのだろうか?・・・ならないだろうな。もしそうなら、世の女性はもっと綺麗なはずだ。いくらお化粧をしても、パックをしても、老いていけばそれをごまかせるほどの対処は無理だ。
07:04
7時過ぎ、満を持して食堂に再度登場。
ひゃー。これはすごい。L字型に並ぶカウンターに、パンがびっしり入ったバスケットが並ぶ。
こっちにも。全部で12種類だったと思う。
ただでさえ狭い第1食堂、しかもL字型カウンターということもあって、パンを取ろうとする人でごった返し始めた。「早く食堂にいかないといけない」という事前情報は本当だった。
席もあっという間に埋まってしまった。
こういうのを見たら、無条件で、無造作に、なおかつエレガントに全種類を取ってしまうのが僕の習慣。一皿では盛りきれないので、二皿にした。決して、連れのお皿を並べたわけではない。
一度に取っておかないと、次から次へと人がやってくるので大変だ。
パンはどれも美味しかった。これだけのパンを手作りしている訳がないので、おそらく冷凍されたものを仕入れてきて、それをオーブンで焼き上げているのだろう。
どれも焼きたてなのでサクっサクだ。これだけの焼きたてパンなんて滅多に食べる機会がないので、目を見張ってしまう。時間が経ってしっとりしたパンなんてどこにもないのだから!
冷凍パンってうまいな。素晴らしい。家にも常備したいくらいだ。
大満足の朝食となった。「パンだけ」といっても侮れない。
侮れないのは、摂取カロリーもまたしかり。12個も、この手のパンを食べてしまって、一体どれだけのカロリーが体に取り込まれたんだ?
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