いまさら始める箱根の旅【箱根】

強羅の駅前に豆腐屋さんがあって、そこの豆腐が美味しいとの噂を聞いていた。「うまい豆腐」と聞いたら黙っていられないので、お土産を兼ねてお試ししてみたい。

「豆腐屋さんの豆腐は、うまい」

という幻想で、過去何度も成功と失敗を繰り返してきた。「なんだ、スーパーで売っているやつの方が安くてうまいじゃないか」という豆腐屋もあったし、「おおッ!さすが豆腐専業店!大量生産と違って味が濃い!」と膝を叩くような豆腐屋もあった。

このギャンブル感が楽しい。

・・・が、強羅駅の近くにお店がある、ということしか知らなかったので、車でざーっと駅前を走ってみても発見ができない。このあたりも、他の箱根の集落同様、道が狭くて車を一時停車するような場所が全くない。肝心の強羅駅だって、ロータリーなんてものはなく、駅前で記念撮影をしたり改札を観察するような余裕すらない。

二度ほど強羅駅近辺をぐるっと回ってみたけど、お店を発見することができなかった。そして、一般利用が可能な駐車場がまったくないため、歩いてお店を探すこともできなかった。

豆腐屋、断念。

いやー、本当に箱根の駅前というのはトリッキーだ。

宮ノ下

11:10
強羅に嫌われた我々は、箱根裏街道を経由して、国道1号線との合流地点である宮ノ下まで戻ってきた。富士屋ホテルがある温泉街だ。

おっ!

ここには駐車場がある!

有料だけどこの際OK。さっき強羅で苦労したので、お金で駐車場が解決できるならそれに越したことはない。いったんここで車を停め、富士屋ホテルを見学することにした。

宮ノ下地図

有料かと思ったら、30分なら無料なのだという。

そう聞かされると、「じゃあ30分以内でざっと見て回ろう」という気になる。実際、僕らは30分で切り上げてこの地を立ち去った。

無料時間があるのはありがたいけど、観光客がとっとと逃げ出してしまうきっかけになってしまう気がする。この界隈のお店を利用すれば30分無料の駐車券を発券しますよ、そうでなければ1分からでも有料ですよ、ということにした方がいい気がする。

慌てちゃったので、せっかく車を降りたのに箱根登山鉄道の駅を見に行くのを忘れちゃったし、休業してしまった「ケーブルカーで行く宿」「ロープウェイで行く宿」の跡地を見に行くことも忘れてしまった。惜しいことをした。

富士屋ホテル

10:52
駐車場から歩いて数分のところに、富士屋ホテル。

富士屋ホテルの前に小さな駐車スペースはある。でも、この宿に明確に用事があるわけではないので、さすがにここに停めるのはまずいだろう。

富士屋ホテル

富士屋ホテル。贅沢な建物だ。

外国人観光客専用のリゾートホテルとして機能していた時期もあったそうで、ジャパニーズオリエンタリズムを感じさせるホテルになっている。

富士屋ホテル

まるでテーマパークのような、冗談のような建物。

富士屋ホテル

玄関の回転ドアに歴史を感じさせる。

富士屋ホテル

フロント。

建物全体に、やはり今風ではない古さを感じさせる。調度品にやたら重厚感があるし、梁の作りや壁、あらゆるものが「歴史」を感じさせる。何がどうなれば「古い」と認識するのか、自分でもよくわからないけど、古い。

ただ、このホテルの場合、「古くさい」ではなく「古くて、渋い」に昇華しているのでいい。今時こういう建物は、作ろうと思っても作れるものではない。

富士屋ホテル

なにせ、これだもの。

富士屋ホテル

「レストフルコテージ」と書かれた白壁・白い柱の建物。洋風のような、和風のような建物。

この中には「ザ・フジヤ」というメインダイニングがある。フレンチレストランらしい。

もちろん、いくらなんでもこの中にまでずかずかと入るわけにはいかないので、窓から室内を見させてもらう。

おー、いかにも、な「古くて正しい」印象のレストラン。フォークの背中にライスをのせて食べる、みたいな感じ。たとえがおかしいけれど。ダンスホールになりそうな雰囲気。

富士屋ホテル

二階部分が広いテラスになっていたので、テラスに出てみた。とても解放感がある。

それにしてもすごい屋根だ。奥には、まるで五重塔のような和風タワーが見える。あれも、富士屋ホテルの一部。物見櫓みたいだが、あれは一体なんだろう。まさか最上階が貴賓室になっていて、一泊できたりする・・・わけないよな、階段の上がり下がりをするだけでしんどそうな場所だ。貴賓が、トイレにいくためだけに上がったり下りたりするわけがない。

富士屋ホテル

富士屋ホテル、いいなあ。

宿泊者限定で、館内ツアーもやっているらしい。確かに、これは館内探検しがいのある建物だ。歴史も風格もある上に、トリッキーな作りがあちこちにある。

僕らは宿泊客でもなければ、レストラン利用客でもない。これ以上奥に入るのは不法侵入なので、やめておいた。せめてラウンジでお茶でも出来れば良かったのだけど。

いつか一泊してみたいものだ、と思ったけど、お値段は二食付きで2万円からスタート、といったところ。さすがに「思いつき」で泊まるには無理な価格帯だった。

あと、改修のため2018年4月から当分の間休館するとのこと。

富士屋ホテルのベーカリー

富士屋ホテルの手前にある、ベーカリーの「ピコット」。

富士屋ホテルのパンは有名なので、中に入ってみる。

結局何も買わなかったけど、なんでだったかは覚えていない。良いものがなかったのか、値段にびびったのか。でも、webサイトで見た限りだと、そこまで高いというわけではない。

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