
明神の宿、「山のひだや」の客室に入る。
約2年ぶり。
2年前は、上高地が閉山したあとの、宿の営業がやっていない時期の宿泊だった。
今回は、営業期間中ということで感慨深い。
1泊2食付きで一人14,800円だったと思う。あと、幼児に関しては布団・食事なしでも有料で、2,000円。0歳児でもお金がかかる。

部屋に入って「あれっ!?」と驚いたのが、部屋が暖かったことだ。見ると、ファンヒーターが稼働している。
ファンヒーター?ということは、電気がこの宿には来ているのか。
なにを当たり前のことを?と思われそうだが、前回2019年に泊まったときは電気がまったくなかった。暖をとるためには、カセットボンベのヒーターと、ほんのりと暖かい豆炭ストーブだった。
それは閉山後の来訪だったから、ということで納得だが、今日、1階の「カフェ・ド・コイショ」ではランプの明かりが灯され、電気は使われていなかった。なので、てっきりこの宿は電気が来ていない(来ていても、業務用のみ)の野趣あふれる宿なのだと思っていた。
電気、来てるのか!
2021年になって、こんなことでビックリするとは。

そういえば天井から吊るされた照明も、明かりが灯っている。電気だ!電気だぞ!

館内のご案内。
建物の裏手に赤いとんがり屋根の別棟があって、以前から「なんだろうあれは?」と気になっていたのだが、この案内によるとお風呂場だった。
結構大きいのだけど、女湯として使われていた。男湯は建物1階の端に別のお風呂があった。なぜ男湯と女湯がまったく違う場所にあるのか、なぜ女湯だけ立派な別棟なのかは不明。

9時消灯。この時間設定は山小屋感覚だ。
電気の明かりがあるぞ!といっても夜ふかしはしてはいけない。登山客が使うことも想定しているのだろう。
一方、夕食6時・朝食7時というのは旅館的だ。とはいえ、ビュッフェレストランではないのに朝食7時から、というのはかなり早い。
そしてチェックアウトは08:30または09:00。宿泊プランによってチェックアウト時間は異なる。遅くても9時までには宿をでなければならない、というのはさすがだ。

その他、宿泊案内を。
これも、2年前に泊まったときには部屋においていなかったものだ。


FAQがついているのが面白い。
「部屋でビールを飲めるか?」という問いに対して、「部屋に酒を持ち込まないでくれ」と回答している。
消灯時間が早い宿なので、部屋飲みはダメ、というわけだ。

フロント奥のロビー。
ソファがと机が並んでいる。
薄暗くて寒々しい場所だな、というのが最初の印象だが、たぶん慣れてくるとこの薄暗さが心地よくなってくる予感。
我々は日常生活で明るすぎる環境にずっといる。それで疲れるのだから、もっと暗い生活をしても良いな、とこの光景を見ていて思う。
ロビーの外には、女湯の建物が見える。

僕は赤いとんがり屋根の女湯ではなく、本館内にある殿方浴室に向かう。
「光明石」なるものを使った光明神々(こうみょうこうごう)温泉、というのだそうだ。

脱衣場。

風呂。
台形の形をした浴槽。コンパクト。

カランは3か所。
小さいので、他のお客さんとバッティングすると狭く感じるかもしれない。でも、一人だとこれで十分すぎる広さ。あんまり広くて、寒いのもイヤなのでちょうどいい。
(つづく)
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