褒美の希望は島流し【のっとれ!松代城2014】

体育館の中

受付後、「戦士控え室」である体育館の中に入ってみて思わず「うおお」と声を漏らしてしまった。体育館の中には、ずらっとヘルメットが敷き詰められていたからだ。この規模で城攻めをするのか!この光景を見るだけで、血湧き肉躍る。やってやるぞ、という気持ちを今更にして感じるし、あ、いかんいかん、温泉ほっこりモードはもう終わりにしないと、と松之山の記憶を振り払う。

1列20名。これがずらっと体育館いっぱいに並んでいる。壮観、としかいいようがない。

戦士グッズ一式

僕が指定された番号は「42」だった。おそらく受付順だと思うが(1番は、前回覇者が付けるエースナンバーらしい)、エントリー開始で最短・最速で手続きを済ませてこの番号。みなさん気合いが入っているようだ。

ちなみに僕は、受付開始当日の0時0分ちょうどにエントリーメールを越後まつだい幕府に送付している。

もう少し手続きが遅かったよこさんは、「141」のゼッケンナンバーが与えられていた。

「のっとれ!戦士」たちに与えられるグッズ一式は、「ゼッケン」「ヘルメット」「軍手」「ビニール袋」そして注意書きの紙1枚。ゼッケンはわざわざ今回のために作られたものだ。「第28回」と染め抜かれている。毎回使い回しすればいいのに贅沢だな!と思う。あ、そうか、ゼッケンを家に持ち帰って、記念にできるようにしてあるのか。

注意書き

注意書き。タイムスケジュールが細かく書いてあって、親切だ。おおざっぱな進行だと、参加する方が困惑してしまうからだ。これを見ると、11:30に競技が開始され、13時に終わるという。

「あれっ!?1時間半・・・でゴールすればいいの?」

よこさんと顔を見合わせる。これまで、「1時間の制限時間で、果たして雪山3キロを登頂できるか」という検討をさんざんしてきたので、「1時間半」という時間にほっとするやら、拍子抜けするやら、だった。

「ほら見てくださいよ、『ぜったいに無理をしないで、マイペースで楽しんでください』って書いてありますぜ。あたしゃお言葉に従って、無理をしないでマイペースでいきやす」

よこさんがめざとく見つける。なるほど、「楽しめ」か。全力で走り抜け、っていうほどストイックなイベントでは、さすがにないな。

走りこんでいる人がいるぞオイ

とはいえ、先ほどからずっと、体育館の二階客席部分の通路をぐるぐると走り、ウォーミングアップしている戦士たちが結構な数いる。

「やる気な人は本気でやる気なんだな」
「そりゃーまー、1位になりたい人も当然いるでしょうな」
「米一石欲しくて?」

そう、いの一番に松代城に乗り込んだ戦士に与えられる褒美は、「米一石」なのだった。一石、と言われても全然ピンとこない。ええと、俵1つ分くらい?・・・いや、違った、1石=10斗=100升=1,000合だ(毎回覚えては、すぐに忘れてしまう)。

「げえ、一日2合食べたって、1年かけても食べきれない量じゃないか」
「お隣さんに分けるしかないですねー」

ウォーミングアップに余念が無いアスリートのみなさんは、米を丼で食べてぶくぶく太っているような人たちではない。一石貰ってどうするんだ、と心配してしまう。

「いや、一石なんてのは飾りですよ。一位を取る、っていう名誉の方が大事なんですよ」

そりゃそうか。

ちなみに、表彰されるのは「男性1位-10位」と「女性1位-5位」、そして別枠として仮装部門。400人規模のイベントにしては、上位15名が表彰されるのだから結構な確率だ。だから、「ひょっとしたら俺レベルでもなんとかなっちゃうかも」という期待感を持っている人はたくさんいてもおかしくない。そして、これとは別に、完走者には抽選でハワイ旅行とか温泉旅行とかがガンガンあたるんだから、そりゃあもう上位入賞が無理な僕らでも気合い入りまくりっすよ。

ちなみに女性1位の褒美は、「米60キロ」だ。これは1俵、ということだな。

「男性上位を狙うのは難しいので、よこさん、女性1位を目指せ!僕は他の女性たちを進路妨害しておくので、その隙に前へ!」
「無理っす」

それ以前に、米60キロってのもなにげにすごいぞ。1キロで6合ちょっとなので、60キロっていえば360合。「お米一年分」という表現にぴったりだ。一年間米を買わなくていいって、すごいな。というか、それ以前にそんな大量の米、家のどこに置くんだ?毎月定期的に十日町市から送られてくるのか?

とにもかくにも、イベントを楽しませる要素が周辺に盛りだくさんだ。こんなにワクワクする仕掛け、良く作ったなあと感心させられる。

城攻めルート

城攻めのルート。地図中央付近に「出発地点」と書かれているが、ここが「越後まつだい冬の陣」の会場。標高200メートル。そこから一度東側の田んぼエリアに下っていき、標高180メートルまで下がってからまたイベント会場まで戻ってくる。その途中、「馬返し」「騎馬止め破り」の障害があり、会場内にある「堀り超え」「第1砦」を通過したら松代城がある山へと向かっていく。二カ所の給水所、「地獄谷渡り」を経て、ゴールは標高380メートルの松代城。行程は3.6キロ、最大標高差200メートルとのこと。

当初聞いていた話だと、行程は3キロだった。積雪状況のせいでか、600メートル増えている。なるほどそのせいか、制限時間が1時間半になったのは。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください