褒美の希望は島流し【のっとれ!松代城2014】

送迎してくれたホテルの車。ありがとう!

こりゃいかん、帰りこそはちゃんとタクシーで駅まで戻らないと、よこさんがヤバい、と焦った僕は、一足早く風呂を出てタクシー会社に電話をかけてみた。すると、どこのタクシー会社も「無理」と断ってきたのにはびっくりした。あるタクシー会社なんて、「これからですか?はは、そりゃあ無理ですよ今はみんな出払ってますから」と鼻で笑ってきたくらいだ。えええ、そんなものなのか。

あまりにタクシー会社いずれもが素っ気ない対応なので、日曜夕方にタクシーの送迎を依頼するというのは越後湯沢では馬鹿げたことなんだろう。

風呂から出てきたよこさんに謝り、よこさんも文句を言う気力もなく現実を受け入れ、二人そろってまたトボトボと駅に向けて歩き始めた。なんてこったい。

すると、しばらく歩いていたところで一台のワンボックスカーが通りすがりに停車した。

「駅までですか?乗っていきますか?」
「えっ、いいんですか!?」

地獄に仏とはこのことだ。まさか越後湯沢に仏がいるとは思わなかった。「でも悪いし・・・」とか余計な芝居は一切無く、「ではご厚意に甘えて」とずかずかと車に乗せて貰った。

この車は、山の湯の先にある旅館の送迎車だった。ちょうどこれから駅にお客さんをお迎えに行くところで、誰も乗っていなかったので折角だからと我々を乗せてくれたのだった。ホテル名をこの場で連呼してお礼をしたいところだけど、ひょっとしたらご迷惑になるかもしれないので名は伏せておく。でも、写真に宿の名前がばっちり出ているので、「仏がいる旅館」に興味がある方は是非チェックを。

「なんでこんなにタクシーが混んでるんですか?」
「スキー帰りのお客さんがみんな利用されているんですよ」
「スキーか!!!」

今頃になって、スキーヤーの存在を思い出した。そうだ、3月上旬といえばまだまだ越後湯沢はスキーシーズン。周囲に沢山のスキー場を有するこの地は、日曜日の夕方ともなればゲレンデから引き上げてきた人たちでごった返すのだった。我々は、ずっと「雪中レース」をやって雪まみれになっていたので、雪そのものは見慣れたものの、「スキー」という単語をすっかり忘れていた。

「でも、ゲレンデからわざわざタクシーですか?」

送迎バスだとか、いろいろ交通手段はあるだろうに。タクシーをわざわざ使うとは贅沢な。

「いや、夕食を食べてから帰ろう、という方が結構いらっしゃいますからね、そういう方が駅周辺のレストランとかに行く際に使うんですよ。車で東京とかからいらっしゃってる方も、関越道が混むからって夕食をここで済ませて、夜遅くなって高速が空いてから帰るっていう話ですし。で、このあたりは結構車を停められないので、車は駅の近くに置いて、そこからタクシーでお店に行くということもやってるみたいですよ」
「へー」

なるほど、そういう事だったのか。じゃあ、タクシーが捕まるわけがない。送迎だなんて何を寝ぼけたことを、と越後湯沢中のタクシー会社から相手にされなかった訳がわかった。

お土産を買うなら今
魚沼産コシヒカリを買う

送ってくれた方に何度も頭を下げお礼を言い、駅でお別れした。ありがとう!

駅で、お土産を買う。時節柄、バレンタインデーのお返しを考えておかないといけなかったので、何か気の利いたものを・・・と探していた。そこで目にとまったのが、色鮮やかな風呂敷に包まれた、魚沼産コシヒカリ。こじんまりとしたサイズがかわいらしい。米は日本一の呼び名が高い魚沼産だし、風呂敷は米を食べた後でも使えるものだし、結構いいプレゼントになった。お値段は3合入りで760円だったかな?結構お手頃な値段でしょ?実際、貰った女性は結構喜んでいた。「余っていたらお金を払うから売って欲しい」なんて言われて、在庫を放出したりもした。5個買っておいて正解。ただし、全部で15合(2キロ強)なので相当重たかったが。

お土産の缶詰

ちなみに別のお土産はこちら。やたらでかい缶詰の、「きのこ汁」「またぎ汁」「けんちん汁」。この界隈ではよく売られているものだ。一缶800円近くしたので、結構な高級品だ。なにせ量が多いから(800グラムくらい入っている)。この缶詰は、名前の通り缶を開ければ美味しい具入りの汁が出てくる。今時レトルトではなく缶、というのが潔く、むしろ購買意欲をかき立てられる逸品だ。

これも2キロ以上あるので、今回はやたらと重たいお土産だらけになってしまった。

ちなみにこの缶詰を僕は彼女にあげたのだが、少し微妙な反応だった。バレンタインのお返しで「きのこ汁」だなんて、と思ったのだろう。後で「コシヒカリの方が良かった」と言われた。どっちもどっちだ。

越後湯沢駅大混雑

そろそろ新幹線の時間だ、ということでホームに上がってみたら、盆暮れの帰省ラッシュか、と思うくらいの人の数でびびった。しまったァァァァ、帰りの新幹線は「そのときの気分次第で」ということで指定席予約をしていなかったんだった。こりゃあいかんぞ、かなりの激戦だぞ。

想定外の混雑にびっくりしながら、予定していた便の1つ前の東京行き新幹線を見送る。やり過ごした新幹線は「とき」で、つまり新潟駅から出ている便だ。混んでいてもおかしくない。でも大丈夫、ちょうど数分後には、目と鼻の先のガーラ湯沢駅が始発となっている「たにがわ」がやってくる。こっちなら空いているはずだ・・・

と思ったら、うわあ。裏目に出た。ガーラ湯沢でスキーを満喫した老若男女どもが「たにがわ」にはてんこ盛り。越後湯沢駅に到着した時点で阿鼻叫喚の様相を呈していた。おい、押すな押すな、これ以上もう乗るのは無理だ。

ひでぇ有様だ。帰省ラッシュでもこんなに混まねーぞ、というくらいの混雑だ。デッキまで人でいっぱいで、首都圏の通勤電車なみの混雑。新聞を広げて読むなんて当然無理で、雑誌でさえ気が引けるくらいの密集度だ。さっきからずっとよこさんに合わせる顔がない僕は、ますますこれで肩身が狭くなってしまった。

越後湯沢を18時台に通過する東京方面行き新幹線は3本しかない。スキーシーズンということもあり、混んで当然だ。ましてや、ガーラ湯沢という「新幹線駅直結スキー場」でわざわざ滑るスキーヤーの多くは新幹線を利用する。ガーラ湯沢駅始発だなんて、飛んで火に入る夏の虫だ。混まない方がおかしい。ガーラ湯沢のゲレンデにいた連中を地引き網でかき集めて新幹線に放りこんだような状態だ、越後湯沢からノコノコ乗ろうだなんて虫が良すぎた。あああ。

最後はなんだかグダグダな旅行になってしまったが、それでもしれっと19:40には東京駅に到着しているのだからすごいことだ。地図上では遙か彼方の雪国であるはずの新潟、そしてまつだいなのに、かなりスイスイと行って戻ってこれたのはあらためて驚いた。帰宅が深夜にならないので、翌日からの仕事に支障がでないのが素敵。混雑については、あらかじめ見越して指定席を確保しときゃ、回避可能なことだ。

帰りの新幹線の中では、早くも「来年はどう闘う?」という話題になっていた。当然のように、来年も参加するつもりだ。この企画が終わってしばらくして、じわじわと「ああ、あのイベントは楽しかったな」と感じるのではない。もう、終わった瞬間から「次!次こそは!」と思わせる、それだけ素敵なイベントだった。雪中レース自体の面白さもさることながら、豪華な抽選会に大会数ヶ月前からドキドキさせられたし、温泉、食、その全てが満足行くものだった。そして何より、東京から案外近い。来年出ないという選択肢はあるまい!?

というわけで、2015年もまた同じように参戦するぞー、と春の訪れを感じさせる東京の夜空を見上げつつ、誓ったのだった。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください