ただいま、わが愛しの山小屋泊【焼岳】

上高地温泉ホテル

12:40
上高地温泉ホテルにやってきた。

ホテルの前は開放的で、人も少なくのんびりとした時間が流れている。

観光客が比較的少ないのは、河童橋から徒歩20分近くを要する場所だからだ。バスターミナルを起点・終点にしている観光客は、河童橋を渡ってここまでやってきて、穂高橋・田代橋を渡ってまたバスターミナルに戻るという人もいる。しかし、そうするとなんやかやで小一時間かかってしまうため、ツアー客だと選択しづらいルートだ。

上高地温泉ホテル

上高地温泉ホテルの看板の上に、「どうだ」とばかりに書いてある「天然温泉」の文字。

上高地温泉ホテルの入湯券販売所

入浴時間が07:00~09:00、12:30~15:00というトリッキーな日帰り入浴受付時間。

でも、こちらの計算はバッチリだ。12:40にここに到着するという周到っぷり。自分で自分を褒めてあげたい。

よし、褒めよう。

ご褒美は、疲れたカラダに効く入浴だ。

屋外に面したところに自動券売機があるので、そこで入浴券を買う。受付とは別の場所にあるので、ちょっとだけわかりにくい。

入浴料800円。

ロッカー

受付で入浴券を渡し、中に入る。登山靴はロッカーへ。ザックはロッカー脇の棚へ。

上高地温泉ホテルの風呂

ホテル二階に大浴場がある。焼の湯と、梓の湯。

中は、内湯と露天風呂。露天風呂には、樽風呂がしつらえてあり風情がある。

風呂に入ってご満悦。汗、雨、そして一晩山小屋で過ごした脂分。そういうのを全部洗い流すことができた。やっぱり下山したら風呂には入っておきたい。

上高地ルミエスタホテル

13:25
一皮剥けた気分で、足取り軽く河童橋を目指す。

上高地温泉ホテルの脇には、上高地ルミエスタホテルがあった。

ルミエスタって意味がよくわからないのだが、ファンタジスタみたいなものだろうか。わざわざ「清水屋」からルミエスタ・・・ああ、書いているそばから、意味が判明。フランス語で「最高」、スペイン語で「特別席」の意味があるんだって。ありがとうWikipedia。

穂高連峰

13:27
岳沢、そしてその背後の穂高連峰方面を見る。

焼岳以上に分厚い雲がかかっている。今日、奥穂高岳に登った人は僕同様に何も見えない山頂を満喫したことだろう。「山を下れば、むしろ景色がよくなる」という有様。

道

13:33
梓川右岸を歩く。

歩いている人はほぼ一方通行で、河童橋方面に向かっている。大正池から歩いてきたお客さんが多いようだ。

ここもよく整備された道で、とても歩きやすい。

建物

13:38
あれっ。

マップ上では出てこない、ちょっとこぢんまりした建物があるぞ。

誰かの別荘?

いや、さすがに上高地には別荘を作るのは無理だろう、たとえ昔の貴族とか権力者であったとしても。

不思議だ、と思ってGoogleマップ調べてみたら、「上高地公園活動ステーション」と書いてあった。なんだ、自然環境保護のための基地か。

でも、それにしてはちょっとオシャレだ。実用性重視、といった雰囲気はない。

もう少し深掘りしてみたら、この「上高地公園活動ステーション」はバスターミナルにある「上高地インフォメーションセンター」を運営している「自然公園財団」のものだった。しかも、一般客向けに提供している宿泊施設だった。えっ、そうなの!?びっくり。全く知らなかった。

ここはさすが財団法人の経営だけあって、上高地とは思えない安さだ。一泊二食、なんと8,000円。山小屋のような雑魚寝ではなく、ちゃんと個室になっている。まじか。めっちゃ穴場ではないか。

ただし、定員が20名と非常に少ないことから、まず予約は取れないだろう。チャレンジする気にもならないくらいだ。そもそも1人部屋が存在しない。当たり前だけど。

宿泊客には、一応の条件がついている。自然公園財団のwebサイトによると、

自然保護ボランティア活動、自然ふれあい活動、エコツアー、公園管理活動などの実践や研究を目的とするグループであれば、どなたでもご利用できます。

と書いてある。でも、上高地にやってくるというのは、少なくとも「自然とふれあう」ためであり、全員が対象であるといってほぼ間違いない。「いや、上高地グルメを楽しむために来たんです。自然には興味ないです」という奇特な方は泊まれないけど、そんな人はいないだろう。

建物

13:39
上高地アルペンホテル。

川沿いの歩道からはちょっと奥まったところにあるので、緑に隠れてはっきりとは見えない。

カモの行進

13:39
上高地アルペンホテルの前で、鴨の集団を見かけた。どうやら、親子らしい。

といっても、子供が大きくなりすぎて、どれが親なのかもはやわからない有様。青首がいないので、お母さんが一匹いるはずなのだけど。

カモの行進

羽の一部に青い部分があり、美しい。

人間を全く恐れず、「あっ、やばい!人間に見られた!」と焦ることもなく、悠然と道を横断していった。動物が大事にされている場所だから、野生の鳥であっても警戒心が薄れるらしい。まるで雷鳥のようだ。

西糸屋山荘

13:41
引き続いて上高地西糸屋山荘。木造建築が重厚感を感じさせる宿。

ここは上高地エリアのホテルの中では一番安いはずだ。時期や曜日にもよるけれど、9,000円くらいから二食付きの個室に泊まることができる。

西糸屋山荘

以前、僕が大キレットを縦走した際、途中下山した兄貴はここで一泊したと言っていた。

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相部屋だったので、1万円以下で泊まることができた・・・と言っていたのを覚えているのだけど、この西糸屋山荘、表向きは普通の旅館だ。

しかし、この建物の脇に「西糸屋別館」の看板があり、奥に別の建物があることに今更気がついた。あ、なるほど、「別館」だと相部屋の格安宿泊施設になるんだな。ちなみに一泊8,500円。

河童橋周辺

西糸屋山荘の玄関。これだけ見ると、相部屋宿が実は存在している、ということに気がつかない。

いずれにせよ、上高地で一泊1万円以下で泊まろうと思えば、ここしか選択肢はないと思う。または、明神まで1時間歩いて、そこの山小屋に泊まるか。

なにしろ、秋から春にかけては営業できない場所柄だ。また、従業員だって、「地元の人を雇う」というわけにはいかない。全員住み込みの季節労働者となる。どうしてもコストがかかる。

河童橋周辺

13:45
上高地五千尺ロッヂ。

河童橋が近いこともあって、宿が立ち並ぶ。

(つづく)

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