圧巻の山、圧倒する虫【巻機山】

08:32
避難小屋が見えてきた。おーい、戻ってきたぞ、我が家よ。

08:36
小屋に到着し、パッキングをし直す。

ノンアルコールビールやエナジードリンクなどの水分が減り、食料も減った。だが、荷物の体積はそれほど変わらない。

08:55
荷物を片付け終え、出発。
ニセ巻機までの登り返しは少し面倒だったが、山の斜面にワタスゲの綿帽子が揺れていて癒やされた。高山植物として有名だが、これほど群生しているのを見るのは初めてかもしれない。

いや、もう自分の記憶などあてにならない。もしかすると過去にも見ているのかもしれないが、記憶に残っていない。だからこそ、素直に「ウワァ、スゴイ!」と喜ぶことにした。

ちなみに今回の山歩きでは、少し変わった装備を持ってきた。

ザックの右側ショルダーベルトに妙なアームを取り付け、そこにスマホを装着している。

もともとは別目的で買ったが、一度使ったきりになっていた「買って失敗した」アイテムだ。GoProなどのアクションカムを取り付けることを想定した製品だが、今回はYAMAPの地図をすぐ確認できるようにするために持ち込んだ。

結果としては、あまり快適ではなかった。

スマホの画面ロックを解除し、電源ボタンだけで表示できるようにしておくと、地図を見るのは楽だった。だが、地図を動かしたり拡大縮小するのが使いにくい。そして何より、汗が画面に落ちて誤動作が多発した。

悪くないアイデアだと思ったのに、安物だったせいか関節パーツがあっけなく破損。使いこなしを考える前に、退役となった。

09:01
ニセ巻機到着。

青空が少し広がってきた。

ニセ巻機から見た巻機山山頂付近。

まだ雲は多いが、一部に青空がのぞく。それだけで気分が上がる。

このニセ巻機を過ぎると、巻機山はもう見えない。これが見納めだと思うと、名残惜しい。

過ぎゆく山を「名残惜しい」と感じることはあまりない。そんな僕でも、思わず立ち止まってしまうほど魅力的な山だった。

09:10
せっかくだから、ここでコーヒータイムにしよう。

今朝、出発前に淹れたコーヒーをカップに注ぎ、越後湯沢のぽん酒館で買った「朝焼けバターガレット」を食べる。朝焼けというには遅い時間だが、こうした絶景を前に味わうにはちょうどいい。

考えてみれば、カップに注がず水筒のまま飲んでも良かった。

「マグカップをザックの外にぶら下げるのが当たり前」と思い込んでいたけれど、もしかすると無駄な荷物かもしれない。今後の軽量化を考える上で、再検討が必要だ。

とはいえ今日に限っては、このカップでコーヒーを飲めたのは最高の贅沢だった。自分で選び、焙煎した豆を淹れた一杯。美味くないはずがない。

よく見ると、山の上に人の姿がぽつぽつと見える。きっと山頂で記念撮影中なのだろう。

09:24
名残惜しさを振り払い、下山を開始する。

さあ、ここから急降下だ。

(つづく)

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