
14:22
道の駅南魚沼で、越後の山々をのんびりと眺めてみた。
空には雲が多いものの、青空と白い雲のコントラストが美しい。山々の稜線もほどよく見えていて、まさに「眺めるにはちょうどいい」状態だった。
なんでこんなに山を眺めてしまうのかと考えたら、このあたりは少し角度を変えるだけで電線に遮られず、広い空間を一望できるからだと気づいた。
平野なのに、これは珍しい。さすが米どころ。広大な田んぼが広がっているおかげで、電線も電柱も極端に少ない。
前方にはギザギザの山頂でおなじみの八海山。その右奥には越後駒ヶ岳が見える。越後駒ヶ岳は日本百名山の一つで、いずれ登る予定だ。そのときも今回と同じく、避難小屋での一泊になるだろう。

東の方角には、なだらかな稜線を持つ高い山塊が見える。おそらく巻機山だろう。標高が高く、まるで壁のように立ちはだかっている。ここからだと、ピラミッド型で美しい割引岳の姿さえ判別しづらい。
もっとも、全然違う山を「ほら、あれが巻機山だよ」と指さしているだけかもしれない。山座同定は慎重でなければならない。地図で見るのと、実際の景色ではまるで印象が違う。
少し角度を間違えるだけで、数キロ、数十キロ先がズレて見える。その結果、まったく別方向の山を見ていた・・・なんてこともある。ほんの僅かな誤差が「バカジャネーノ」級のミスを生む。

14:39
東京へ戻る前に温泉に立ち寄ることにした。
越後湯沢から新幹線に乗れば、あっという間に東京。しかも、帰宅ラッシュ前の電車でスムーズに帰れる。だから、無理に温泉に寄らなくてもいいはずだ。
それでも、登山後の温泉はやはり特別なご褒美。汗を流してこそ、旅が締まる。
選んだのは、石打にある「ハツカ石温泉」。越後湯沢駅近くにも安い共同浴場はいくつかあるが、ここを選んだのは一度も立ち寄ったことがなかったからだ。国道17号線を走るたびに気になっていた場所。同行者がいると気を遣うが、今日は一人。いい機会だった。
国道から左へ分岐し、ぐるっと回り込むように坂を上ると建物が見えてきた。道路からは見えにくく、「あ、これがハツカ石温泉か」と小さな発見をした気分になる。

駐車場の正面にそびえるのはオフィスビルのような建物。調べてみるとリゾートマンションだった。そして今いる場所のすぐ隣には「ライオンズマンション石打丸山」。Y字型の豪華な外観で、エントランスも堂々としている。
築は90年代と古いが、当時のリゾートブームを感じさせる佇まいだ。間取りは今風ではないものの、価格は意外と手頃。1K・40平米で200万円ほどから売りに出ている。
ただし駐車場代は月3万円と高め。雪国ゆえに、駐車場の除雪・融雪としてコストがかかるのだろう。
このハツカ石温泉は、日帰り入浴施設と宿泊棟「ユングハルナス」が併設されている。スキーゲレンデにも近く、冬はきっと賑わう場所だ。

スキーゲレンデに近い場所だけあって、入口を入るとすぐにコインロッカーがずらりと並んでいるのが印象的だった。
お食事処は昼食と夕食の営業がある。スキー終わりにここで風呂に入り、食事を済ませてから自宅へ向かう――そんな人たちを想定しているのだろう。営業終了は21時(昼の営業は土日祝のみ)。

一方、入浴のほうはというと、なかなかの働き者だ。なんと朝5時半から始まって、終わるのは23時。思わず「えっ」と二度見してしまうほどの長時間営業だ。朝イチでゲレンデに出たいスキーヤーやボーダーたちのために、早朝から風呂を開けているのだろう。夜通し関越道を走ってきた人にとっても、ここでひと風呂浴びればシャキッとするに違いない。
入浴料は900円。ただし公式サイトに100円引きのクーポンがあり、それを使えば800円になる。

渡り廊下の先にもうひとつ建物があった。なんだろうと思って後に確認するための写真を撮っておいたが、結局なんなのかはわからなかった。

大浴場の掃除時間が08:00〜10:00というのも面白い。温泉旅館なら、掃除は宿泊客のチェックアウト後に行うのが一般的だが、ここでは朝8時から始まる。おそらく、5:30の営業開始直後に客がどっと入り、8時頃には一段落するので「今だ、チャンス!」という時間帯なのだろう。

温泉成分表を見ると、源泉名は「二十日石温泉」。あっ、そういうことか。
てっきり「ハッカ石」が訛って「ハツカ石」になったのかと思っていた。ハッカのような匂いがする温泉なのかと、勝手に想像していたのだ。泉質は「ナトリウム-塩化物温泉」。要するに塩水である。

そして大浴場。
ほらごらん、平日昼間って本当に素晴らしい。誰もいない!
これだから平日登山はやめられない。
ただし弱点もある。「やっていると思った飲食店や施設が定休日だった」という事態が頻発すること。そして、弊息子の保育園のお迎え時間が気になることだ。どちらも注意を怠ると、いろいろ厄介なことになる。
(つづく)

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