13:27
大山寺の参道の一番ふもと寄りにあるバス停にやってきた。
とりあえずバスの時刻を確認しよう。予定より随分早く下山できたので、その分足湯なりカフェなりでゆっくりできるだろう。話はそれからだ。・・・と思ったら、あれえ?バスが停まってる。まさかあれ、米子駅行きじゃあるまいな?
あわてて駆け寄って確認してみたが、停車しているバスは大山山麓の各観光施設をめぐっているる~ぷバスだった。なんだ、違ったか。
しかし、バス停の時刻表を見て仰天。うひょう、13:30に米子行きのバスが出るじゃないか。ちょ、ちょっと待て。あと数分しかない。足湯どころか、自販機で飲み物を買うのがやっとではないか。
あわてて駐車場近くの自販機に走る。プラティパスに入れた水が塩素臭かったせいで、道中はぜんぜん水を飲んでいない。そのせいで喉が渇いているんだ。ぜひ水分補給はさせてくれ。
13:29
もう一台やってきて、あわせて二台のる~ぷバスがバス停に並んだ。
外観が一緒なので、うっかり間違ったバスに乗ってしまうと、ひたすら大山山麓をぐるぐる回ってしまう。米子駅に向かうバスを慎重に見極めて乗車だ。
13:29
時計を見ると13:29。
絶妙なタイミングで乗車できたものだ。運が良かった。さきほどの売店でひやしあめを楽しんでいたら、乗りそびれていた。
とはいっても、いざ乗ってみて思ったのだが、そこまでして無理してバスに乗るこたぁなかったんじゃないかと思う。1本バスを遅らせて、大山を見上げつつ足湯につかる、というのもよかったような気がする。
でもな、目の前に「発車間際のバス」が停まっていると、そりゃあ飛び乗ってしまうのが人情ってやつですよ。これはもう仕方がない。あと、やっぱり今回の登山は常に「法事にかこつけて登山をやっている」という引け目がある。早く帰省できるなら帰省して、法事の準備をするなり、家族団らんをしたほうがいい気がする。なので、「予定よりも早く実家に帰着しました!」というのが、せめてもの僕なりの誠意というか、法事にかける意気込みのような感覚がある。
とりあえずバスに乗れたので、打ち上げを兼ねたコーラをぎゅーっと飲む。
うひゃあああああああ。
容赦なく冷えたコーラが喉を責め立てる。ごめんよお、水分補給を怠って、喉を、胃を、循環器を痛めつけてしまった。でも安心なされい、既に登山は終了した。これからはじゃぶじゃぶですよモウ。飲んで飲んで飲みまくってください。
バスは定時に出発した。
それにしても相変わらずよくわからないのは大山寺のバス時刻表よ。今、この文章を書くために落ち着いて自宅で時刻表を調べてみたのだけど、それでもやっぱり意味不明だ。「つまるところ、大山寺から米子駅に行けるバスは何時に、どれだけ出るんだ?」というのがさっぱりわからない。運行会社が二社にまたがっているせいもあるし、そのうち一社がそもそも巡回バスであるということもあってややこしさに拍車がかかっている。これ、観光客のためにどうにかならないものだろうか?
バスは平野部に降りてきた。田園風景の中を走る。
のどかだ・・・と車窓を眺めていたら、なにやら前方に怪しげな建物が見てきた。天守閣?米子城か?
こんな場所に城ができるとはちょっと考えにくい。守るにしろ攻めるにしろ治世にしろ、場所が悪い。どうせ小金持ちがお金にまかせて天守閣風の家を作ったんだろう。いや、でもそれにしてはやたらとでかいぞ?あれだけのものを作るのは「小金持ち」にしてはちょっと本格的だ。
すると、バスはそのままこの天守閣の敷地に吸い込まれていった。あれれ、なんなんですかここは。
ここは、「お菓子の壽城」という場所らしい。お菓子の製造販売を手がけている会社が運営しているお店で、米子城天守閣をモチーフに作られているんだと。へえー、知らなかった。
駅からは離れているので、マイカーや団体客が乗る観光バス頼みの立地だ。外観にあっけに取られて興味を持った僕でさえ、わざわざ路線バスを途中下車してまでこの中に入ろうとは思わない。
そんな場所なので、外観でインパクトを発揮するというのは大事なことだ。今回は路線バスだったからどうにもならなかったけど、マイカーでこの近くをドライブしていたら、確実に立ち寄った。それくらいのすごい光景だ。
天守閣の中には、「お菓子の壽城」を名乗るとおり、いろいろなお菓子が売られているらしい。
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